≪一都三県≫そのスーパーを選ぶ理由-消費者の【本音】調査
今回は、一都三県のPOB会員(平均年齢50.6歳)に、「スーパー利用に関するアンケート調査」を2023年5月26日~6月14日に実施しました。
一都三県に暮らす生活者はメイン利用しているスーパーをどのような理由で選んでいるのでしょうか。調査結果から【消費者の本音】に迫ります。
メイン利用するスーパーを選ぶ理由
まずは、一都三県に暮らす生活者に、どのようなポイントを重視して利用するスーパーを選んでいるのか尋ねました。
メイン利用するスーパーを選ぶ理由は、「家から近いから(62.1%)」が最も高く、「いつも利用するスーパーだから(51.5%)」が続きます。次に「安いから(50.0%)」、「品揃えがよい(43.3%)」、「ポイントやお得なサービスがあるから(34.1%)」の順となります。
スーパーの選定基準に重要な「品揃え」・「立地」・「価格」の内、昨年実施した全国の消費者を対象としたアンケート調査(※そのスーパーを選ぶ理由-消費者の【本音】調査:https://note.com/mitoriz2022/n/na804810389a5)では「品揃え」が重視されていましたが、一都三県に在住する消費者は「立地」の利便性を優先する傾向があるようです。
メイン利用スーパーを使う【理由】
次に、メイン利用スーパーを使う理由をチェーン別に分析し、それぞれの特徴を探り出していきます。下図は、一都三県の消費者のアンケートから、利用者が多い6チェーンに絞り、比較したものとなります。
メイン利用される理由は、前出の全回答者の集計結果と同じく「家から近いから(57.0%)」となりました。立地等の利便性を理由とする傾向は各チェーン共通ですが、その他項目に注目するとそれぞれの特徴があらわれてきました。
安さでは「オーケー(87.7%)」、「業務スーパー(83.4%)」が抜きん出ていて、メインユーザーの8割以上が利用理由として選択をしています。
「品揃え」や「PB(プライベートブランド)」に関しては「イオン」、「西友」、「イトーヨーカドー」が高い傾向で、ポイントなどのおトクなサービスについては同上記チェーンに「マルエツ」も含まれてきます。
更にチェーン毎の特徴をコメントから探ります。
コメントから、ポイントが貯められたり、様々な種類の商品を1か所で購入できるワンストップショッピングの利便性、おいしい惣菜や手ごろなPB商品を取りそろえている等、自身のライフスタイルや価値観にあったチェーンの特徴を求めてメイン利用されていることがわかりました。
ユーザーの満足度調査
続いて、メイン利用しているスーパーの満足度について尋ねました。
下図は、各チェーンのメインユーザーに、10項目の満足度を評価してもらい比較したものです。
今回調査したチェーン間の中では、「イトーヨーカドー」が6項目で最も高い満足度を得ています。一方、各満足度の平均については、「イオン(81.6%)」が最も高い結果となりました。
レーダーチャートグラフで見比べてみると、イトーヨーカドーは「安さ」の満足度が低く、6チェーン間で比較しても最も低い評価でした。イオン、西友のようなバランスの良い評価を得ているチェーンは平均値が高くなる傾向が見て取れました。
レシート調査:チェーン別比較
上図は、会員が投稿したレシートから、各チェーン別に分析を行ったものです。
特徴的なチェーンをピックアップしていきます。
≪イトーヨーカドー≫はレシート当たりの購入金額、商品単価は比較した中で最も高く、対象期間内の投稿回数は比較する中では最も低い数値となりました。前出のアンケートであった「価格の安さ」の満足度が最も低くなった結果と紐づく傾向が見られました。
≪オーケーストア≫は、商品単価が低い傾向のためか、レシート当たりの購入数量は最も高い結果となりました。前出のアンケートで、安さと品質の満足度が高いチェーンと評価されていることもあり、今回調査した期間内で最も頻度が高くレシートが投稿されています。
≪業務スーパー≫は商品単価が最も低く、購入数量が比較的高いチェーンです。商品の安さ、品揃えが評価されていることがデータからも伺える一方、投稿回数は低い傾向です。オーケーストアと比べると、「生鮮食品の品質(-20.4P)」の満足度に差があるにもかかわらず「商品の品揃え(+0.3P)」ではほとんど同じ満足度を得ています。「野菜などの冷凍食品が豊富」といったコメントがあるように、保存がきくような食材の利用傾向が高いことがデータにあらわれたものと考えられます。
≪西友≫は商品単価が安い傾向にもかかわらず、レシートあたりの購入個数が伸びず、購入金額とともに最も低いです。PB商品等の評価は高く、投稿回数も多い傾向が見られる一方で、品質や品揃えが比較対象とするチェーンの中ではあまり抜きんでる評価を得られていないことから、特定の商品を消費者が選定して利用している傾向があると言えるのかもしれません。
消費者の【本音】
企業の特徴とともに、消費者の本音も浮き彫りとなりました。一部コメントをご紹介します。
店頭の変化を敏感に感じ取っているメイン利用ユーザーだからこそ言える要望ポイントや、感謝・応援のコメントがいくつも見受けられました。
値上に対する要望や、キャッシュレス決済、ポイントに関するコメントが散見され、消費者をとりまく環境にも変化があることを伺い知ることができます。
その変化は、同様に消費者の価値観にも起こっています。
“家から近いから”を理由にスーパーを利用する消費者を取り込むために、各社、足をのばしてでも来店する動機となる自社の強み、特徴を際立たせる戦略が更に進んでいくことが予想されるでしょう。
このようにPOBデータは、レシートデータからチェーンを細分化して特徴や強みを分析し、消費者の利用動向を調査、コメントを取得してマーケティングにも活用することができます。
今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。
POBデータサービスにご興味がある方は、以下からご確認ください。