熱中症対策に関するアンケート調査-熱中症になった経験は?・対策時期と対策商品・今年の夏の予定
近年では5月頃でも最高気温 25℃以上の夏日となることもあり、昨年は記録的な暑さとなりました。熱中症の予防・対策が必要な時期も年々早まっており、多くの人が暑さに順応できていない5月や6月のタイミングは特に注意が必要です。
そこで今回は、全国のPOB会員3,007人(平均年齢48.6歳)に「熱中症対策に関するアンケート」を2023年5月16日~18日に実施しました。消費者の熱中症に対する日頃の意識や、対策について深堀していきます。
熱中症の経験率は?
まずは、熱中症の症状について経験の有無を尋ねました。
熱中症の経験があるという人は、17.3%と2割にも満たない回答率でしたが、似た症状も含めると44.9%の人が「経験がある」と回答しました。
総務省のまとめによると、昨年の熱中症による救急搬送人員は、調査開始以降3番目に多い人員だったそうで、今年も、より一層注意が必要となるでしょう。
熱中症対策:気を付ける時期は?
熱中症対策を行う時期を尋ねると、5月(25.8%)から回答率が上昇し、7、8月にピークを迎え9月まで主に対策が行われていることがわかります。「特に対策は行っていない(9.8%)」との回答から、9割を超える人は1年のいずれかの時期に対策を行っていると言えます。西日本に近づくほど対策時期が早まり、10月頃まで対策を行うエリアも見られました。
熱中症対策:意識して行ってること
熱中症対策について尋ねると、9割を超える人は何かしら対策を意識して行っていることがわかりました。最も行われている対策は「水分をこまめにとる(86.5%)」、次に「エアコンを使用(51.9%)」と回答されました。「のどが渇く前に水分をとる(41.3%)」の他、上位5位中4項目は水分や塩分の摂取など、体調を整える項目が続きました。
熱中症予防として購入・利用しているもの
続いて、熱中症予防として購入・利用している商品について尋ねました。
【日頃、熱中症対策で購入・利用しているもの】は「スポーツドリンク(36.2%)」、「飴・タブレット(20.5%)」、「清涼飲料水(18.6%)」の順となりました。
それに加え、【今年、購入しようと思っているもの】では、同様に「スポーツドリンク(53.9%)」が最も高く、次に「帽子(38.0%)」、「日傘(36.9%)」、「飴・タブレット(35.5%)」、「UVケア商品(33.4%)」が続きました。
差異を見ると、何かしら購入・利用する人は今年+21.4%上昇しています。飲料や飴類は当然のこと、「日傘(+26.5%)」、「帽子(+25.9%)」、「UVケア商品(+16.9%)」といった日差し対策や、「扇子やうちわ(+23.4%)」等の上昇率が特に高くなっている傾向がありました。今年から新型コロナウイルスの規制が緩和されたこともあり、コメントからも外出時を意識して対策を検討している様子がうかがえます。
レシート分析:対策商品の出現率/購買順位/併売カテゴリ
前出のアンケートで、熱中症対策として購入・利用しているとあげられた商品を、レシートデータから分析します。
下図は会員が実際に投稿した「UVケア」、「スポーツドリンク」、「キャンディ・キャラメル」カテゴリの購入レシートから、1,000枚当たりの出現数をあらわしたものです。
それぞれ出現率は、熱中症対策が主に行われる期間(5-9月)にかけて上昇傾向であることが見て取れます。
≪UVケア≫は6月から上昇し始めていることから、日差しが強くなるにつれ紫外線に対する意識が高まっている様子がわかります。≪スポーツドリンク≫は、気温が上がる7-8月と連動してピークを迎え、9月からは減少しています。≪キャンディ・キャラメル≫は行楽シーズンの5月を過ぎた6月に一度下降するも、7-8月に再度上昇をしています。
次に、出現率が上昇している期間にどのような商品が購入されているのかを調査していきます。下図は、2022年7-8月に食品スーパー・総合スーパーで購入された「キャンディ・キャラメル」カテゴリのレシートを分析したものです。
購買順位を見てみると、2022年7-8月は熱中症対策商品として効果を発揮する「カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ」が1位となり、2位以降は、果実やヨーグルト味の商品が上位を占めています。一方、2022年12-2023年1月は、1位「龍角散 龍角散ののどすっきり飴」、5位「ノーベル製菓 VC3000のど飴」といったのど飴や、3位「カンロ 金のミルクキャンディ」のようなコクのある味わいが特徴となる商品が上位に入るなど、季節や時期により変動が見て取れます。
更に、2022年7-8月に「カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ」はどのような商品と一緒に購入されているか「併売カテゴリ」を分析しました。その結果、同「キャンディ・キャラメル(5.9)」カテゴリの他、前出のアンケート結果にもあがった「スポーツドリンク(4.9)」や「UVケア(4.7)」のリフト値が高いことがわかりました。このようにレシートデータからも消費者の購買行動を導くことが可能となります。
今年の夏に行きたいところ、やりたいこと
最後に、「今年の夏に行きたいところ、やりたいこと」について尋ねました。
今年は3年ぶりの行動制限のない夏となることから、6割以上の人が「行きたいところ、やりたいことがある」と回答しました。最も回答率が高かったのは「旅行・観光(38.8%)」、次に「花火大会(26.4%)」、「夏祭り(19.3%)」の順となります。
一方、「特にない・家でのんびりしたい(38.5%)」といった意見もあり、コメントを見ると様々な過ごし方や予定を聞くことができました。
2023年6月~8月の気温は、全国的に平年より暑くなる見込みであると言われています。
今年からコロナ対策制限緩和もあり外出機会が増える方も多くなることから、ご自身にあった対策の準備を進め、快適な夏を過ごしましょう。
今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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