見えない聞こえない話せない、母さん、ヘレンケラーでないかこれは
さて。母さん通院同行ウィークの週末であります。本日は、消化器内科。(受診科追加分)糖尿内科で血液検査すると貧血が出て、その原因が特定できないので、内視鏡検査も受けましょうということになったのであります。
本日は消化器内科初診なので、検査の予定を入れるくらいでさくさく終わるもんだとタカをくくっていたのだけども。
呼ばれて診察室に入ると
DRから車椅子突入しすぎとバックを求められる。線引いてあるところまでバック。とおい。
そしてDRからは既往症聞かれる。
だから母さんは病気のデパートなのでね。今ここで聞かれるのか。検査の受付くらいな気持ちでいてぜんぜん準備できとらんかった。既往症ぜんぶ暗唱できない。他科の電子カルテに書いてないのか。←もうご家族様はメモ持って歩くしかないなこれ。
さらには、服薬状況の込み入った質問。そのうち血液サラサラの薬はありますか。薬は何ですか。朝ですか夜ですか。いやいや、ますます薬の名前はそらで言えません。←お薬手帳持っててもさっくり答えられないかも。
内視鏡検査のリスクを説明され、同意書を見せられる。
DRの声は比較的小さい。
・・・・。
母さんが、都度都度キョロッキョロ車椅子ごしに振り返って私の顔を見てくる。何言ってるかわからないのだ。
わからないのは理解してないのではなくて、
見えないし
聞こえないし
なのだ。だから、何言っていいかわからない。
続いて検査説明室に行くが、周りでも説明している人の声がワンワンしてて、説明担当ナースの声も小さく、ビニールカーテンにマスクなので、耳の遠いわけでもない娘の私も、よう聞こえない。
そしてまた、細かく服薬状況を聞かれる。検査のリスクがあることだということは理解したが、母さんは一包化されたので飲んでるし、老人ホーム管理だし、多数ある薬のどれがどうまで、、(ご家族のみなさん、完璧に把握されてるんでしょうかそこ)。
では、糖尿内科に検査前後の服薬を確認しますねとナース。
わかんない
母が言う。
わかんないねー
私も答える。
周りはワンワンワンワン他の説明者の声が響く。
その後、検査に向けた説明をアンダーラインなどひいてもらいながら聞いたわけだが、最初の「わからない」が脳にこびりついてるのが剥がれないのだった。
やー、、
疲れた。
わからないというのがどれだけ疲れるのか、ちょっとわかった。
お年寄りおひとりでいらしていたら、どうされてるんだろう。
亡くなる直前の頃の父が
たくさんの薬を前に、何を飲んだらいいかわからないと途方に暮れていたのを思い出した。