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イチゴ味はイチゴの味がしない【自己肯定感と言語化の話】
イチゴ味って、イチゴの味します?
イチゴ味のチョコ
イチゴ味のキャンディー
イチゴ味のポッキー
おいしいですよね
みんな大好きイチゴ味
でも、
イチゴ味って
イチゴの味します?
ピンクのお菓子を見ると
「イチゴ味だ」と思ってしまいます。
もはやイチゴ味は味ではなくピンク
色のことではないかと。
一般的に「イチゴ味」というのは
甘酸っぱくてピンクで
イチゴっぽい匂いの何か
でも味は?
イチゴじゃない
イチゴ味って
「イチゴ味」という名前の味
ですよね。
と言うことは
イチゴ味は正確には
イチゴ味味
レモン味味
メロン味味
マンゴー味味
なんてのもあります。
この世は味味で溢れているんです!
日本は味味に浸食されています
味味です。
古い中華料理屋の名前のようです。
ニッポンなのに中華です。
怖ろしいことです。
想像するに
最初に「イチゴ味」を作った方は
本物のイチゴの味を目指したん
じゃないでしょうか。
本物のイチゴの味に近づけるべく
研究を重ね、トライ&エラーを重ね
あと一歩イチゴに近づこう、
あと半歩イチゴに近づこうと
涙ぐましい努力があったんじゃないでしょうか
そこにはドラマがあったのかも。
いや、あったはず。
会議で世間に驚きと衝撃、喜びと笑顔を提供しようと、
イチゴ味特別開発プロジェクトが発足したはずです。
多分。
週に一度の部課長会議で
開発部の山田部長が顔を引き締め
「やって見せます」と宣言したはず
です。そこには他部署の部課長は
もちろん、社長もいたはずです。
多分。
翌日
開発部では、山田部長がカチカチに
真面目な鈴木課長を誘い、なじみの
居酒屋に行ったはずです。
一杯目はとりあえずビールだったはず。
その夜、二人はイチゴ味を世間に
送り出すぞと決意を固めたんです!
二人は顔を赤らめながら、開発要員として
優秀な植松君(入社5年目)と
若い女性の感覚を取り入れるべく
白鳥さん(新卒入社3カ月目)を抜擢しよう
と決めたんです。
その内に酔いが回った山田部長が、
アルバイトの女の子に軽口をたたいて
居酒屋の女将さんから怒られたはずなんです。
山田部長は、ウチの娘と同じ歳だからさ~と
言い訳にならない言い訳を言ったはずなんですよ。
多分。
山田部長は奥さんからも娘さんからも
相手にされてないんです。いいかげん
だから。さびしいオヤジなんです。
だから大目に見てあげてよ、女将さん。
それから山田部長の「いくぞ~!」
という無駄にでかい声で、山田部長
なじみのスナックにはしごしたんです。
若い頃はブイブイいわせていたであろう
美熟女のママに山田部長はデレつきながら、
ねっちりとした口調で錆の浮いた武勇伝を
語ったんですよ。きっと。
その頃にはもうイチゴ味開発のこと
なんて頭にあったはずないですよ。
その横で鈴木課長はぎこちない笑み
を浮かべていたんです。
そこの会計は割り勘だったはずです。
ほとんど飲んでないのに、鈴木課長。
イチゴ味開発は他部署との闘いだった
はずです。
他部署とは立場の違いによる意見の
相違があり、かなり厳しいことを
言われながら、鈴木課長が頑張り、
植松君がサポートしたし、
白鳥さんも頑張ったんです。
そんな議論を繰り返し、どうにか
落としどころを見つけながら、
一歩ずつ、半歩ずつ開発が進んで
いったんです。多分。
やっと開発が軌道に乗り、開発部内
の温度が上がったところで
あの山田部長が出てきて
「う~ん、そもそも進む方向が違うんじゃないか?」
なんて言いやがったんですよ。多分。
このタイミングでそんなこと言う?
今?このタイミングで?
さすが「立派なことを言うくせに
責任を取らない」で有名な山田部長です。
もっともらしく身勝手なことを言いやがる。
驚き、落胆する植松君と白鳥さん。
部長が開発ルームを出た後に
拳を握りしめる植松君。
俯き、涙ぐむ白鳥さん。
「知識と経験はたしかに残るんだ。
やってきたことは無駄じゃない」
と慰める鈴木課長。
ありがとう鈴木課長。
でも納得いかないです。
その夜、鈴木課長は二人を誘い、
ちょっとだけいい居酒屋に行ったんですよ。
きっと。
焼き鳥だってちょっとだけ高かったはずです。
お会計の金額を見て怯む鈴木課長。
でも彼の頭に「割り勘」の文字はなかったはずです。
その後もいろんな事があったはずです。
総務の、若いのにお局様感を出してる
超ナチュラルメイクのアニメおたくの
女性社員から備品のことで文句を言われたりして。
白鳥さんは思ったはずなんです。
(水性マジック1本なのに、申請書?承認印?)
社員食堂では、
連日の残業で疲れた顔の植松君を
受付嬢の黒川さんが体を軽くくねらせ
ながら慰めたこともあったでしょう。
二人の隣に座る事務のおばちゃんに
「あら、お似合いじゃな~い」
と言われ、デレデレする植松君。
少し離れたところから黒川さんを
睨みつける白鳥さん。
白鳥さん、しょうがないじゃない。
植松君、ちょっと男前なんだから。
「黒川さんの男遊びの噂を
それとなく植松さんに伝えてあげた
方がいいんじゃない?」なんて言う
同期の女の子の言葉を聞いちゃダメだ、白鳥さん。
それは植松君への愛ではなく、嫉妬だ。
自分を落とすんじゃない。おじさんはそう思う。
そんなことを乗り越え
イチゴ味は完成に近づいていったんです。
多分。
完成間近というところで
ま~たあの山田部長が地味なダメ出しをしたですよ。
「もうちょっと、こう、な~んて言うかな~」
いっちばんやっかいな、ぼんやりした
掴みどころのないことを、ま~たあの
山田部長が言ったんですよ、多分。
白鳥さんは藁人形の作り方を調べたはずです。
そして、その日の夜は、
忘れてました
イチゴ味の話でした。
紆余曲折があり、
やっとたどり着いたイチゴ味なんです。
きっと。
真面目な話、
色々な思惑や制約の中で精一杯の
努力の結晶が
イチゴ味味なんじゃないでしょうか。
それで結果的に、イチゴの味から距離のある
イチゴ味味になったんです。
目指していたイチゴそのものの味じゃ
なかったのかもしれません。
でもそのイチゴ味味が魅力的なんです。
味味だからいいんです。
思うんです。
本当にイチゴの味がするチョコって
氣持ち悪いんじゃないかと。
イチゴ味味だからいいんです。
味味だから魅力的なんです
味味だから求められるんです。
そもそも
本物のイチゴとイチゴ味味を比べて
文句を言う人っていませんよね。
だってみんなイチゴ味味を求めている
んですから。
だから
あなたが、自分と誰かを比べて
ガッカリしたり、自分で設定した所
にまだ届いていないと自分を責めたり、
そんなことしなくていいんじゃないでしょうか。
憧れのあの人ではなく
あなただからいいんです。
人のことは「まあ、いいんじゃない」
と認められるのに。
自分のことは
誰かと比べてガッカリしたり
自分を責めたりしちゃう?
人には〇をつけられるのに
自分には△や×しかつけない?
ちょっとだけ
考えてみてください。
それって自信の裏返しですよ。
そのままで素晴らしいんです。
だいたい赤ちゃんは
色々と能力があるわけでなく、
うんち漏らして、泣くだけ。
でもその存在だけで、
そのままでものすごく喜ばれる。
だから
味味でいいんじゃないでしょうか?
味味な自分でいいんじゃないかと。
自分を認めてあげていいんじゃないかと。
最近
「自己肯定感」という言葉をよく
見かけるようになりました。
乱暴にざっくりとまとめると、
「自己肯定」は、自分の全てを積極的に肯定すること
「自己受容」は、自分の長所も短所も評価せず、ありのままを受入れること
自己肯定も素晴らしいですが、まずは
自己受容をしたいですよね。
あなたが思う
自分がそれをやったり、その要素が
自分の中にあるとネガティブな感情
になるけれど、人がやっても
「別にいいんじゃない」と思うことを
一つだけでいいので書いてみてください。
言語化してみてください。
言語化です
いらない思い込みや
いらない完璧主義に
氣付けますよ~
全ての味味バンザイですよ!!
ところで、
かき氷の「ブルーハワイ味」って
食べたことないんですが、
ブルーでハワイ?
どんな味なんでしょうか?