【水戸】不思議な建物
弘道館周辺を散歩していると、一瞬、視界に入った風景に違和感を感じました。
なぜか、そこだけがシルクロードの真ん中あたりにある"エキゾチック"な都市の風景を切り取って、"ポン"と貼り付けたように見えます。こんなところにモスク…⁈
その違和感の正体は…この建物。
この建物は「水戸市水道低区配水塔」。
昭和7年(1932年)、水戸市の低地部に水道水を供給するために作られたもので、熱海や真鶴で水道工事を手がけた水道技師の"後藤鶴松"が設計しました。
とにかく外観に手の込んだ装飾が施されています。
後藤は、この建物の起工式の日に産まれた娘に「塔美子(とみこ)」と名付けました。建物に対する後藤の強い思い入れが感じられるエピソードですね。
すぐそばには、昭和5年(1930年)に建築された近世ゴシック建築様式のレンガ張りの(旧)茨城県庁がどっしりと鎮座しています。
すでに建設されていた県庁舎と同じような様式にすることで、統一感のある空間を創り出すこともできたのではないかと思うのですが。もしかすると、生まれてくる子供が喜ぶようなメルヘンチックな建物にしたかったのかもしれませんね。
ちなみに、配水塔のお隣は「水戸東武館」。弘道館の剣術指南役”小澤寅吉”が創設した道場で、北辰一刀流を伝えています。建物は、純日本建築。これも統一感なし…。
水戸市のこのエリアでは個性の際立つ建築物を見ることができます。水戸に来た際には、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
※「水戸の不思議な建物」(2022年9月)をリライトしました。
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