宇宙戦艦ヤマト 命の泡
鈍った身体をランニングでほぐしながら、近くの神社に参拝。帰って来て、以前に描いた落書きに筆を加える。
なんだか、泡みたい。黒いバブル…
無意識に”宇宙戦艦ヤマト”を歌っていた。特にリアルタイムで宇宙戦艦ヤマトのアニメを見ていた世代ではない。
だけど、その曲は自分が所属していた鼓笛隊の合奏曲、行進曲として記憶に植え付けられている。
黒い泡から、連想したのが何故、ヤマトなのかと言うと、第二次世界大戦時の戦艦大和の生存者の記憶を放送した番組内容が忘れられないものだったから。
国の粋を集めた当時最高峰の戦艦大和。そこに搭乗出来るのはほんのひと握りのエリート。大和に搭乗出来ると言うことは、村の誇り、エリートの証だったのだとか…
今か今かと出陣を待ち侘び、この戦局に一死報いることを誉れと思い、満を辞しての出航となり喜んだのも束の間、敵機300機によって沈没させられた悲劇の戦艦。
激しい敵襲により、激しく船体が損傷し、海に投げ出される隊員達。その方々を襲うのはあれあられと降り注ぐ、爆撃された船体の鉄の破片。
頭をかち割り、身体を裂く鉄片。海は血に染まり、血の匂いに集まったサメが人間を食い散らかして行く。助けを待つ隊員達が目にしたのは、細切れの人間の肉片が浮かぶ真っ赤な海…そんな戦争体験をリアルに語られていた。生々しい戦争の情景。
この話を聞いてから、アクションムービーを観ていると、「ありえねぇ〜。」と興醒めしてしまうことが増えた。背後から爆風に吹かれて、助かるシーン。爆風は当たりのものを爆破させた風。爆破した物質も一緒に飛んでくるのだ。小石さえもスピードを増しピストルのような威力になる。本当ならガラスや鉄片や小石でさえ、全身に突き刺さっているはずなのだ。無傷で助かるなんてほぼないと想像してしまうからだ。
宇宙戦艦ヤマトは戦艦大和が沈没してから、約30年後に放映されたアニメ。1970年代公害と反戦と言う社会問題をテーマにした作品。だけど、その主題歌を戦争体験者はどのような思いで聞いておられたのか…
♪地球を救う 使命をおびて 戦う男 燃えるロマン誰かがこれを やらねばならぬ 期待の人が 俺たちならば…♪
歌 ささきいさお 歌詞 阿久悠 作曲 宮川泰
愛する人を守るため、命をかけて戦場にでる。見るのは死体の山。大切な友を目の前で亡くし、命生きながらえて終戦をむかえるも、昨日とはまるで正反対の倫理を生きていく。
黒い泡を見ていると、大和を生きながらえた方々の姿が浮かんでくる。海に沈んだ無数の命。泡となった無数の光。
大和とヤマトが重なって、やっぱり主題歌を口ずさんでしまう。
平和ボケした私だけれど、何か使命があることを思い出さずにはいられない気持ちになる。
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