月鐘

旧い、旧い。と言うが、本当にそうだろうか。いや、実に現在のものでさえ、最も旧いものであるにとどまるのだ。

月も夜酒も夜桜も、皆、かれる
興醒めの正気にかかれば
よって、正道には偶然は巡らない
なぜなら有象無象というのは
できれば遡りたいといつも思っているからだ
彼らは月を並べて目眩を起こす
どれも並々に見えて、錯乱する
要するに彼らは、ツキを愛さない

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