転がる石の上機嫌 #10
◎ 無能の人 ◎
日々が慌ただしく過ぎて、今年もまた終わろうとしています。
あなたにとっての2024年はいかがでしたか?
「今年の漢字」が発表になる頃に自分にとっての一字が何かを思い巡らせる方も多いかと思いますが、私にとって今年は「限」だったかもしれません。
生命、健康、才能、資質、所有物…。
形あるものや始まったものにはいつか終わりがあるわけで。
そんな終わりゆくものについて想いを巡らせる時間が、いつもより多かったように感じます。
12月には念願のSnowManライブにも行けて大満足の2024年ではあるけれど、年内中にライブレポートが書けなかったことも少し残念。
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そんなタイミングで、かなり前からずっと気になっていた ’91年の映画『無能の人』を先日ようやく観ることができました。
奇妙で不思議で少し物哀しく、美しい映画でした。
主演である竹中直人さんの初監督作品ということもあり、遊び心のある演出や仕掛けもとても楽しかったです。
周防正行氏、本木雅弘氏はじめ名だたる監督や俳優陣がどこに出てるか分からないぐらいのチョイ役で出演していてそれを探すのも面白かったけれど、今回個人的に収穫だったのは俳優神戸浩さん。
インパクトのある喋り方と存在感でずっと気になっていたけれど、ようやく役者名と簡単な人となりが判明。
ネットって本当に文明の利器。
こういう時あらためて思います。
神戸さんは生まれつき脳性麻痺を患っているそうで、1986年からはホテルマンとして働きつつ役者業も兼務しているとか。
月並みな表現になってしまうけど、生まれ持ってのハンディキャップを個性として仕事に活かして唯一無二の存在として活躍している姿には強さと、同時に輝きも感じたのでした。
『無能の人』で好きなシーンはいくつかあるけれど、朝の川辺で主人公が黙々と石を洗う場面が好きです。
朝もやが立ち込めて、それは美しい光景でした。
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「川辺と石」というワードに触発されて、なぜか川で石積みを始めた様子を収めたのがこちらの写真。
暮れゆく一年を思いながらぼんやりと空を眺め、のんびり石を積んで遊ぶのはなかなか楽しいひと時でした(はたから見たら多分怪しい)。
ロックバランシングの高度な技術とは程遠いけど、これはこれで童心に戻れて熱中します。
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何はともあれ、今年もお付き合いいただきありがとうございました。
いつの間にかしれっと毎月更新じゃなくなってしまったけれど、これからもぼちぼち続けていくのでお読みいただけると嬉しいです。
それでは、良いお年を。
2025年が、平和で穏やかな一年になることを願って。
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<今月の石シリーズ>
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ブログ「転がる石の上機嫌」
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