間接部門に異動して
今回は、開発・製造部門から間接部門に異動した際に興味をもった事柄を紹介したいと思います。
間接部門に関係が深い中小企業診断士1次試験の科目は「企業経営理論」「財務・会計」「経営情報システム」「経営法務」あたりでしょうか。
会社によって組織構成に違いがあるとは思いますが間接部門の名称としては、経営企画、人事、労務、広報、経理、購買、情報システム、法務、総務といったものが該当すると思います。
あまり意識してはいなかったのですが、こうしてみると1次試験は間接部門との相性が良いのかもしれません。
私自身は、技術者として客先に常駐することが多かったこともあり、これまで勤務先の間接部門と関わることが少なかったのですが、組織変更などの諸事情が重なり、開発・製造部門から間接部門に異動することになりました。
せっかく所属がかわったので、間接部門ではどのような仕事を行っているのか、週報を覗いてみたところ、出張費精算、企業研修、年末調整、健康診断など普段からお世話になっている手続き以外にも様々な作業が行われていて驚きました。
特に総務では、ビルの営繕や出張手配、従業員社宅の入居/解約から、保養施設の古くなったカトラリーの買い換えといった普段の業務では関わらないことにまで及んでいます。
総務の存在を意識していないと、いつの間にか妖精さんがやってくれたんだ。というような錯覚に陥るようなものもあるかもしれません。
総務が行っている様々な作業のリストを見ていたら、1990年代のTVドラマ『ショムニ』を思い出してしまいました。また、作業を行うだけでなく様々な情報が集計されており、ビルの電力量や在宅勤務者数、会社受付への来客者数などが報告されていることを初めて知りました。
普段は意識していなかった様々な作業の中でも、特に不意をつかれたのが「お中元」「お歳暮」「昇進の祝電」といった取引先へのご挨拶でした。
役職者からの依頼を受けて、取引先の役職者への贈答を代行しているようなのですが、そのような仕組みが勤務先にあること自体も知りませんでしたし、現場とは別に会社対会社でウェットなお付き合いがあることを意識できていませんでした。
以前、営業職の方が訪問先に手土産を準備されていたときや、会食の帰りにお土産をいただいたときにも、自分はビジネス界の慣習に疎いと思ったことを思い出しました。
たまたま、勤務先が昭和の慣習を引きずっているだけかもしれませんし、贈答や接待が今後も続くとは限りませんが、そのような文化が存在していたことを知れてよかったと思います。
もう一点、興味をそそられたのは「雇用」に関わる手続きです。
社内でプロジェクトを運営する際は、要員を確保できること前提で話が進みます。また、起業や創業であれば1人でも出来るのでチャレンジしやすいと思います。しかし、人を雇おうと思ったら1人ではできないためハードルが高いと感じます。
そのため、採用時の雇用契約や社会保険(雇用保険/労災保険/健康保険)など、どのような手続きが必要か具体的な実務に興味がありました。社会保険については扶養有無や長欠・離職者対応など毎月何かしらの処理を行っていて大変そうという印象で、さすがに片手間で習得できるほど簡単ではなさそうです。機会をみて学んでみたいと思います。こういう所では自営でなく勤務していることの恩恵を感じます。
逆に、小規模ながらも雇用を創出している事業者様の偉大さを改めて感じます。
職場を転々としているので、職歴がとっちらかってしまっていることに焦りを感じますが、この経験も何かしらの役に立つことがあるだろうと思って間接部門での仕事も楽しみたいと思います。