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(美達の蔵出しオススメ) 135 『ふしぎな取調室』 橘 哲雄(たちばな てつお) 彩図社


※初期のレビューです。今回、初出です。ご留意下さい。

本書の著者は巡査から拝命し、最後は警視(副署長)で退職した元・警察官です。
タイトル通り、警察の取調室での被疑者の奇想天外、非常識な言葉の数々のオンパレードでした。
全編、刑事と被疑者のイラストに、マンガの吹き出しがあり、そこにやりとりがあるだけのシンプルでわかりやすい造りとなっています。

ふしぎな取調室、こわい取調室、あきれた取調室、切実な取調室、取調べの豆知識となってますが、笑えました。
ただ、私は取調室や被疑者のことを知っているので、それほど常識ハズレとは思いませんでしたが、社会の皆さんからすれば、えぇっ、というものばかりでしょう。

窃盗犯。「盗んだけど4畳半の部屋ではテレビが大きすぎて見づらかった」
窃盗犯。「で、聞きたいのは恐喝の件ですか? シャブの件ですか?」これ、結構います。
万引き常習の女性。「私の万引きは病気なんです。治りません」その前に性格が病気でしょう。
万引きの女性。「私、霊感が強いんです。この部屋に何かいます」
窃盗犯。(押収された沢山の下着を並べたところ、3、4枚の下着を別にして)「この下着だけは違います、外で盗んだのではありません。これは妹の下着なんです」
傷害容疑の男性。「人を刺したいと思ったことありません? 俺はナイフを持つといつも思うんだけど」
窃盗犯。「負けないぞ、今回は何を言われても話さないぞ。頑張るぞ」(30分ももたず、全て自供)
窃盗犯。「弁護士の言うことが難しくてさっぱりわからない。今度会うときは一緒に聞いてもらっていいですか?」
窃盗犯。「××刑務所は寒いし、担当が厳しい。○○刑務所は飯がうまい。行くなら○○がいいな」(ここは、もう常識です。みんな、よく知ってます、全国の刑務所のこと)
これ、一部ですが、世の中には本当に身勝手、非常識な人が多いなと呆れます。

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