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志を貫いた日本人たちの生き方を見よ! 『美しい日本人』 文芸春秋編 文芸新書


 (2023年7月28日記)
 
 本書のテーマは、「日本人として天晴れな人、美しい人たち」でした。73人が収録されていますが、私見では後述するように、何人か該当しない人もいますが、概ね、いいでしょう。

 主な人を列挙すると、鈴木貫太郎、吉田茂、白洲しらす次郎、渋沢栄一、土光どこう敏夫、昭和天皇、杉原千畝ちうね、植村直己なおみ盛田昭夫もりたあきお、本田宗一郎、藤沢武夫、安藤百福ももふく、小林一三いちぞう、三島海雲かいうん、石井筆子ふでこ、石井十次じゅうじ荻野吟子おぎのぎんこ、津田梅子、宮沢賢治、淀川長治ながはる、山口淑子よしこ兼高かねたかかおる、小林秀雄、向田むこうだ邦子、小泉信三しんぞう、美空ひばり、石原裕次郎、勝新太郎、高倉健、平尾誠二、八千草薫やちぐさかおる渥美清あつみきよし、他です。

 私が該当しないとしたのは、武者小路実篤むしゃのこうじさねあつ司馬しば遼太郎、井上ひさしの3人でした。
 武者小路は穏当で知られているものの、実態は偏狭、司馬は歴史を歪曲して、不当に乃木希典のぎまれすけと日本の陸軍をおとしめた、井上は妻への激しいDVを隠した卑劣な奴なので除外します。

 他は、疑問のある人もいますが、大体はいいでしょう。
 この人たちに共通しているのは、「人としての芯」があることです。すぐに他者に答えを求めることはありません。
 自分で考え、工夫し、苦しみ、「己は何をなすべきか」を常に自覚し、それに忠実に生きていました。怠惰はなく、絶えず己を磨くことを考え、行動しています。自ら信条を持ち、何ごとも自分自身の内で答えを見出している人たちでした。

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