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これがバブルになった本当の理由だ! 『正義のバブルと日本経済』 藤井彰夫(あきお) 日経プレミアシリーズ


(5月3日記)

テーマは、「正義、正しいと主張されたことが、その時々、どのように日本経済をゆがめ、世論をミスリードしてきたか」でした。

しかし、この著者自身の目が歪んでいました。
安倍政権と安倍さんについての偏見や誤りが多く、こんなレベルで日本経済新聞の論説委員長なのか、思想の偏りが物事を正しく見られないことを示すサンプルでした。
ただ、日経は経済面でもレベルは高くなく、その上、親中国の旗振り役で、社の方針としては私はその知見と共に評価していません。
それでもバブル、他、知っておいて欲しいことがあったので紹介します。

目次の一部をざっと紹介すると、

地価を下げることこそ正しい
劇薬だった総量規制
税制措置も動員
銀行救済に税金投入はけしからん
金融危機は同じ顔?
住専じゅうせん国会で封印された公的資金
対照的な日米の危機対応
日本はものづくり国家、額に汗して働け
デジタル敗戦の日本
ものづくり信仰の呪縛じゅばく
ものづくり再考のとき
弱い中小企業は皆救うべきだ
相次ぐ1憶円への減資
一律弱者でいいのか
最低賃金上げは起爆剤
年収の壁対策も一律助成金
堕落だらくした官僚は懲らしめろ
官僚悪者論を超えて
川本人事院総裁の改革
安倍晋三氏の財務省嫌い
財政再建は省益か
金融政策はあらゆる手段を
私だったらやらなかった
異次元緩和の光と影
米ドルの法外な特権
バブルの遠因は円高対策
高齢者は弱者、皆で助けよう
高齢者は弱者だけではない
人口減少は国家的危機
作為と不作為の人口政策
ぶつかる二つの正義
拙速せっそくな改革は避けよ
反改革の殺し文句
構造改革に歴史あり

などとなっています。

冒頭は、バブル時代のラディカル(急進的)な地価抑制政策についてですが、この件、皆さんによくよく知って欲しいことなので後述します。

巷にはバブルについて書かれた本があふれていますが、「なぜ、バブルになったのか?」を正しく精密に説明した本はありません!
経済面だけ、地価だけ、為替だけの面からという本ばかりで、「なんで、こんなことも正しく詳しくわかりやすく説明できないのか!?」と、残念な思いにられます。
というので、二つ目の銀行の不良債権救済問題からやりましょう。

原因は一つ、担保にしていた土地の価格、地価がどんどん下がって担保価値割れを起こし、現金での返済となっても、返済されなかったのです。
具体的に説くと、当時、地価は「とにかく、どんどん上がる!」と考えられていて、事実、上がっていました。
私の話なら、車の中から不動産の書類をファックスで送っただけで、15分間で5%10%の上昇はあたりまえ、物件によっては20%30%も上げられたのです。
10億円が12億円、13億円になるということで、土地さえあれば濡れ手にあわでした。その土地の入手にテクニック、商売センスが必要でしたが。

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