(美達の蔵出しオススメ)読んだ上で巻かれない。古くは「和して同ぜず」という言葉もありました。 『「空気」の構造』 池田信夫 白水社
※2013年11月に届いたレビューです。ご留意下さい。
著者はネット上の言論の世界を中心に、大勢に迎合しない主張をしてきた人です。
空気。
「空気を読めよ」
読めない人をKYなど、日本ではこの空気を読むことが重要視されています。私が知る中では、古くは山本七平さんの『空気の研究』という書で、この日本社会で重んじられる空気とは何か、分析していましたね(これ、良書ですよ)。
![](https://assets.st-note.com/img/1677714773920-ygKq8VRwYf.jpg)
池田信夫
白水社
2013年5月発売
本書では、東日本大震災・原発問題・消費税増税問題を取り上げ、決められなかった理由は、空気にあるとしていました。空気というのは、日本社会だけではありませんが、日本の空気は濃密で粘りがあり、時に従わない人を窒息死させますね。会社・団体などの組織では、この空気を重んじ、調和を維持し、目的に向かって個を極力、出さずにいることを求めているのです。いつしか、空気そのものが強大な力となり、権威にもなり、批判や反論を許さなくなります。
空気を読めない、読まない人はスポイルされるのが、世間・組織です。本書で著者は、その空気を打ち破るべく、企業社会への提言をします。たとえば、現在、企業は正規社員を減らして、非正規社員を増やしていますが、これ自体、内部者と外部者の差を拡げることを危惧しているのでした。
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1,372字
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