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(美達の蔵出しオススメ) 『虹色のチョーク』小松成美(こまつなるみ) 幻冬舎



<緊急「大」ニュース!?>

来たる2024年2月16日、いよいよ『天晴!な日本人』がワニ・プラス社より満を持じして刊行されます。大久保、小村の他、乃木希典まれすけ、桂太郎の愛妾の、凜とした美人のおこい、高橋是清これきよ、小野寺まこと、東條英機、樋口季一郎ひぐちきいちろうの、日本人の魂を伝えます。超人気のおそれあり?あっという間に品切れとなる前に、アマゾンでの予約をしといた方がいいです!よろしく!

<お知らせ>

年末年始のため、12月21日 09:40以降のコメントへの返信は1月11日アップになります。

<本文>


※2017年9月に旧ブログに投稿した書評です。ご留意下さい。


「自分が必要とされるというのはどういうことか」

 という命題について、平易ながらも、心の通った答えが本書でした。

 社員の7割が知的障がい者というチョーク製造工場が、日本理化学工業株式会社でした。私がこの会社のことを知ったのは10年以上も前になります。ここの大山泰弘やすひろ会長(当時は社長)の『働く幸せ』という言葉と、障がい者に合った会社の経営方針に感銘を受けました。

 この会社は、日本のチョークのシェア50%を占めるメーカーですが、その製造はほとんどが、知的障がいを含む、障がい者によって行われています。知的障がいゆえに、通常の技術指導では理解できず、この会社独特の工夫と方法によって克服していました。

 私がみなさんに是非とも知って考えてもらいたいのは、その指導や製造での工夫をする経営者や幹部の、障がい者に対する慈愛のこもった思いです。それまで、社会や家で「お荷物」のようだった障がい者が、働く場と自分で工夫する必要を与えられて生き生きと働いています。チョークのことは初めて知りましたが、JIS規格が厳しい商品でした。それを彼らは熟練の技と目で作り続けます。

 法律である『身体障害者雇用促進法』が『障害者の雇用の促進等に関する法律』と改称され、適用対象が知的障がい者にも及ぶようになったのは1987(昭和62)年でした。従業員50人以上の企業は2%の障がい者を雇うことが義務付けられ、障がい者の雇用は徐々に増えています。それでも、この基準を満たしている企業は4割です。特に知的障がい者の雇用は難しく進んでいません。

「人は仕事をすることで人の役に立ちます。められて必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることができる。家や施設で保護されているだけでは、こうした喜びを感じることはできません」

 大山会長は明確に言っていました。

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