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名古屋市星が丘で、ボタニカルハロウィンを楽しもう

こんにちは!
ガーデンデザイナーの柵山です。

ハロウィンの季節です。
ハロウィンという文化もすっかり日本に馴染んだイベントとなりましたね。
元々ハロウィンとは、西洋における収穫祭であったり、悪霊を追い払う儀式であったと思うのですが、日本では、大人も子どもも地域も関係なく、一緒に盛り上がることができる秋のお祭りのようなものになっていますね。
 

まさに、そんな老若男女どころか、動物も含め、言ってみれば 生きもの総出でハロウィンのお祭りを楽しんでいるような風景が名古屋の街にあります。

それが「星が丘」です。

東山の森と東山動植物園を中心に、商業施設や大学が隣接していながら、マンションや戸建てなど住宅も立ち並ぶエリアです。
なんだか、観光地と現実の暮らしが織り交ざったような街です。

そんな星が丘の植物園星が丘門へ続く坂道の秋の風景が、なんとも素敵で微笑ましいのです。

坂道沿いの花壇や空間は、商業施設「星が丘テラス」の敷地となります。

街路樹には、ハナノキが植わっているのですが、それをはるかに超える大きなケヤキが3本シンボルツリーとして存在感を放っています。

星が丘テラスは、動植物園のある街の民間事業者として、産官学民連携しながら、植物や自然にスポットを当てた街づくりを進めています。

まさにそれは、動植物にやさしい街をあげた“ボタニカルハロウィン”。ちなみに私は“リアルハロウィン”と呼んでいます。

では、皆さまにお伝えしたい「思わず胸がときめいたシーン」を写真と共にお伝えしてゆきますね。

私はガーデンデザイナーとして、ここの花壇の監修や季節の飾り付けに私も携わっているのですが、我々の意図を超えたところで起こっている不思議で感動的なハロウィンの世界を気づかせてくれたのが、このオレンジ色の蝶です。ツマグロヒョウモン。
まさにハロウィンカラーでひらひらハロウィンの演出をしています。

 

そして、このクモ!!
まるで計算したかのような位置に。帽子の模様とぴったりなんです。
これが知れ渡ると、施設の従業員皆で、このクモの巣は除去しないようにと徹底しているなんで、なんて愉快で素敵なことなんでしょう。普通は、真っ先に蜘蛛の巣は片付けられるわけですから。

ペットにも寛容なこの街は、こんな可愛らしいワンちゃんも散歩にやってきます。

黒色というだけで、なんだかハロウィンワールドの主人公のようです。


一番びっくりしたのは大きなカメちゃん。
何か呼びかけてるわけじゃないんです。星が丘ってすごいでしょ。


黒い布で覆われたドームの中には、エアプランツである “ウスネオイデス”が不気味な演出として本来の持ち味を発揮していました。


ハロウィンカラーの植物たちもご覧ください。
これらは、学生との協働作業で寄せ植されています。

ブラックパールという黒い葉のトウガラシが印象的です。
セージやケイトウやジニアなど鮮やかな秋の花でコーディネートされており、まさにフラワーハロウィンです。


 こちらは、ノボタンの鮮やかな花と大きなカボチャと、魔女のブーツに植えられたケイトウ。
木の枝と藁で作られたほうきが、魔法がかかったように 立ち並んでいます。


名古屋市のボランティアさんが、管理をする歩道のプランターも連動してハロウィンカラーで寄せ植えされています。

ハロウィンをテーマに植物で演出をするのは、とても楽しくまた違った角度で、その魅力を再発見できそうです。


そして、夕暮れ時が近づくと、より雰囲気が怪しげなハロウィンムードに。

大きなケヤキは、木のおばけになり、コウモリがゆらゆら揺れています。
空を見上げると 方々へ飛び散っていたカラス達が東山へ帰ってゆくのですが、まるでハロウィンナイトの序章のような雰囲気になります。

 こうなるともう、あらゆる黒色の生きものや草花の枯れ姿までもがハロウィンの演出のように思えてきます。


黄色いジニアにとまる黒いアゲハチョウと星型のペンタスの花の蜜を吸うホウジャクという蛾です。

枯草はアガパンサスの花後の姿。


これらの世界は、閉ざされたテーマパークや公園にあるのではなく、歩道など通りに面した誰でも利用できる街の一角であることが、注目すべき点です。

花やそこに集まる生きものたちの姿は人を癒し時に励まします。
人の暮らす日常にあるからこそ、その役割は意味の大きさを増してきます。

星が丘テラスでは、植物園と協働した新たなハロウィン企画も進んでいるようです。
ハロウィンの月末に近い週末には、植物にフォーカスしたマルシェイベントも開催し、敷地内で採取したお花やツタを身に纏って過ごす企画も実施しています。
ハロウィンは自然や植物と触れ合うきっかけとして最適かもしれません。

人が上手に手を加えることで、その庭にやってくる人や動物や虫までもが、その庭の風景となってゆく。
 持続可能な共存の街のヒントがそこにはあり、それは、普段からの動植物への知識や寛容な心であるような気がします。