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「手前味噌ノススメ」 週末は愛菜家 vol.06

「お味噌は買うもの」というイメージがあると思いますが、
昔はきっと、自宅でつくる“手前味噌”がごく普通だったと思います。
この寒~い冬場にしっかり仕込めば、おいしいお味噌を楽しめますよ!

今回は、奥さんの実家におじゃまして
毎年つくっている味噌のレシピを教えてもらいました。

家族で仕込んだ味噌のお味は、それはもう格別です!
この冬、お店では買えない世界でひとつだけの味噌を仕込んで、
家族の思い出をまたひとつ重ねてください♪


手前味噌の材料と、奥さんの実家の秘伝レシピ


味噌の主原料となる大豆(1kg)は、以前取材させていただいたゾンネガルテンさんで購入しました。昔ながらのマス単位での販売方式♪ 北海道産の大豆です。

大豆は一晩水にさらして吸水させておきます。

あと必要なのは、米麹とお塩だけ。
大豆1kgに対して板麹を5パック(合計1kg)と塩430g使います。

奥さんの実家に伝わる秘伝のレシピ。
はじめていただいた時、あまりのおいしさにびっくりしました。
「西願味噌(西願は奥さんの実家の名字)」と勝手に名付け、毎年のできあがりを楽しみにしています。

圧力鍋で大豆をやわらかく煮ていきます

水にさらした大豆を圧力釜に空け、新しい水を張ります。

煮るのはおよそ8分ほど。圧力釜の大きさによりますが、1kgの大豆を3~4回に分けて炊きました。

麹をパラパラに、そしてお塩をまぜまぜします

板麹は袋から出して細かく割ってもいいのですが・・・

袋のまま、すりこぎでバンバン叩いてあげると大幅な時短になるそうです♪

いい感じのパラパラ麹になりました!

そこにお塩を400g加えます。
合計430gですが、30gは最後の工程で使うので取り分けておいてくださいね。

まぜまぜしたら、麹の下ごしらえが完了です!


煮あがったホカホカ大豆をつぶしていきますよ

昨日まで乾燥してカラカラだった大豆が、ピッカピカに煮あがりました!
ちょっと試食してみると、素朴な味わいのなかに甘みと旨みが広がります。

煮汁を加えながら豆をつぶしていくのですが・・・

ポテトサラダをつくるときのマッシャーを使うと、この工程も時短できます♪

しっかりつぶすと、お味噌っぽいビジュアルになってきました。


さきほどの麹を大豆に混ぜ込みます

大豆をしっかりつぶしたら、さきほどの麹をドバッと加えてあげます。

そしてまぜまぜ・・・

耳たぶくらいの硬さがちょうどいい塩梅だそうです。


いよいよ、味噌づくりのクライマックスへ

ちょうどいい硬さになったら丸くこねて、ホーローの容器に投げつけます!

コネコネ・・・ ドパンッ!!

味噌玉をしっかりぶつけてあげることで、空気を抜いているんですね。
空気の層があると、そこからカビが生えてしまうんですって。


最後に塩をふりふたをして、半年間寝かせます

ホーロー容器に味噌玉を入れたら表面をならして整えて・・・

取り分けておいた30gのお塩を表面に振ってあげます。

振り塩をすることで表面の塩分濃度が増し、カビが生えにくくなります。

まんべんなく塩をふったら、温度がさがるまで一晩ねかしておきます。

翌日、できるだけ空気に触れないように和紙で覆い、重しをして半年ほど冷暗所で発酵させます。

細かい工程も紹介しましたが、シンプルに言うと大豆を煮て、麹と塩をまぜるだけ。
大豆の品種や麹の種類、発酵期間などで味わいや色がけっこう変わるので、毎年のできあがりがとても楽しみ♪ 来年は大豆から育ててみたいと思っています。


昨年仕込んだ手前味噌をいただきます♪


と、その前に・・・
仕込みで残った大豆の茹で汁を活用してミネストローネをつくってみました。
滋味深い、やさしいお味。心に沁みわたるおいしいスープができました✨

そして翌朝。
昨年仕込んだ手前味噌で、味噌汁をこしらえます。

実家から送られてきた野趣あふれる長芋を具にしますね。

心に余裕がある日は、できるだけ鰹節から出汁をとるようにしています。

今回は、ふるさと納税で取り寄せたソフトタイプのさつま節を削ります。
お気に入りの削り器は、新潟三条にある「台屋」さんのもの。
ちょっといい道具を揃えていくと、料理にワクワクが増えますね。

ティーポットにお湯を注ぐだけで、失敗せずに出汁がとれますよ。
出がらしの鰹節は、フライパンで炒ってふりかけにしています。

昨年仕込んだお味噌たち。早めに蔵出しすると京風のあっさり味噌に。しっかり熟成させると色も濃くなり、味わいも強くなります。

なかには5年くらい熟成させるご家庭もあるようです。

長芋には、油揚げを合わせましょうか。

ネギをちらして、はい完成!

削りたての鰹出汁とじっくり醸した手前味噌。まずいわけがありません♪
ゆるやかな朝日と、ほっこりとした時間。
日本人に生まれてよかったと、しみじみ感じる瞬間がここにあります。