03運動神経と器用さ
協調運動・コーディネーション能力
挫折の原因は、
複数の複雑な運動を同時にやろうとすることにあります。
違う動きを組み合わせて一つのまとまったことを実行することを、「協調運動」と言い、運動の数が増えるほどコーディネイトするのが難しくなります。
こういう運動は数限りなくあり、運動神経が鈍い私は子供のころから苦手意識がありました。
たとえば、
自転車に乗る=「バランスを取る」+「ペダルをこぐ」
逆上がり=「腕で鉄棒を引き寄せる」+「地面をける」+「体を回転させる方向に姿勢を制御する」
スキップ=「踏み切って前へ飛ぶ」+「同じ足で降りる」+「次の足を出す」
この3つの動作をリズムに乗って繰り返す
ギターもまさに、同じです。
弾き語り=「左手で弦を押さえる」+「右手でリズムを取って弾く」+「歌う」この3つの動作をリズムに乗って、しかもコードを変えながら、歌詞を歌うのだから、、これは相当難しい。脳みそフル回転する必要あり!
こういうのがすぐ出来る人は、器用とか運動神経がイイと言われます。
そうでない人は、不器用とか運動音痴と言われたりするのです。
スキップができないで、相当いじられてたアナウンサーの事、思い出します。本人は内心つらかったはず。
練習の本当の意味
じゃあ、運動神経が悪くて不器用な人はギターをあきらめるしかないのか?
私がカチンときたのは、そこです!!
実際に、高齢のご婦人で、あちこちのギター教室で断られた人がうちに来ていらっしゃいます。
私はあきらめません。あの手この手で弾けるようにして差し上げたいのです。この秋80歳になった彼女はなんとか念願の禁じられた遊びが少し弾けるようになってきました。たどたどしくても、弾けるというのは本当にうれしい事なのです。
私はあきらめたくない。だって、かつて私がそうだったのだから。
私は独学でギターに挫折し、40歳を過ぎてギター教室に入り、すべての初心者が落ちる穴に足を突っ込みながらスキルを磨いてきたいわゆる「しくじり先生」なのです。
自分の経験を分析すれば、ぜったいにクリアする方法があるはずなのです。
おそらく、初めてやる体の動きを意識的に制御するためには、かなりの脳みその容量が必要なんだろうと思います。
それが複数組み合わさると、ハードの容量不足でフリーズしちゃうんじゃないでしょうか。
意識レベルから、無意識レベルに落とし込め
感動的なアルツハイマーの元プロバレリーナの動画です。
意識して訓練してきたことが、無意識な体の運動制御レベルに落とし込まれたとき、ギタリストはよく「手の内に入った」と言います。
それがどういうことなのか、動画を見ていただければ理解できると思います。音楽の力がどういうものかも、理解できると思います。
こんな風に、一つの動きを無意識な体の運動制御レベルに落とし込んでしまえば、かなりメモリの省エネになり、次の動きを追加することができるのです。
自転車に戻りますと、
最近の子供たちは、自転車のペダルを外して、足でけって進むやり方で、「バランスを取る」動作を先に身に付けてから、「ペダルをこぐ」という動きを付け加えるやり方で、早く乗れるようになります。
習熟の過程では、恐怖や痛みや苦手意識など、感情的なハードルが深く関係しています。
バランスが無意識に取れるようになれば、倒れる恐怖から解放されるのもあり、安心して次のステップ「漕ぐ」に進めるのでしょう。
コード押さえ補助器具「ギタぽん」
ギターも、利き手ではない「左手」を簡単にし、しかも痛みから解放し、ピアノのように、利き手である右手から訓練する方法で挫折回避できるはずと考え、左手を簡単にするコード押さえ補助器具「ギタぽん」を作りました!
知財から工場生産まで、ありえないほど大変でしたけど、その苦労話はまた後程~
次は、ギター触ったことのない方のために、ギターのしくみから説明します。
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