自分が提供できる「価値」とは|『マーケターのように生きろ』井上 大輔 著|要約と考察(続き)
前回の記事の続きです。
著書『マーケターのように生きろ』の中で、
特に重要なステップとされる
「価値を定義する」
について、触れたいと思います。
▼前回の記事はこちら
◼︎「価値」には4つの種類がある
著書によると、相手に提供する「価値」には
4つの種類があるとされ、ミネラルウォーターの
「ボルヴィック」を例に、説明されています。
①実利価値
=いま、役に立つこと
(例)喉の渇きを解消する、水本来の役割
②保証価値
=何かあったときに役に立つこと
(例)大手メーカーに対する、品質の安心感
③評判価値
=「アクセサリー」のように意味があること
(例)ジムでボルヴィックを飲む、お洒落さ
④共感価値
=「お守り」のように意味があること
(例)"from France" への愛着、精神的な共感
また、それぞれの価値について、
・目に見えるか(顕在的か潜在的か)
・役に立つか(機能的か情緒的か)
という2軸に分け、
「価値の4象限」として説明されています。
(出典『マーケターのように生きろ』P.142)
◼︎「価値の4象限」で自分の仕事を考える
この「価値の4象限」を、
自分の仕事(キャリア)に応用してみましょう。
普段の仕事において、価値を提供する相手は
担当顧客、又は会社の上司や同僚でしょうか。
そんな相手に対して、自分が提供できる価値とは
4象限のどれにあたるだろう、と考えてみます。
以下、架空のケースです。
(本書で書かれている内容ではありません。)
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例えば、あなたが営業職だとします。
会社に対して、価値を発揮したいとしましょう。
成績は平均並みですが、売上のムラは少なく、
大きなミスやクレームを出すことはありません。
こんな時、あなたは上司から見ると、この先も
安定して、一定程度の売上が見込めるだろう
との期待から"②保証価値"が高いでしょう。
目先の大きな売上という"①実利価値"に
拘るだけが、活躍の道ではないかもしれません。
さらにここで、上司から
「今度の社内イベントを盛り上げてほしい」
「後輩の面倒をみてほしい」
といった依頼があったとします。
その上司があなたに対して、ムードメーカーや
組織の中で調和を図る役割を期待している場合、
「あなたがチームにいる」こと自体が
「明るいチームである」ということに繋って、
"③評判価値"を発揮しているかもしれません。
また、あなたに対しては色々とお願いしたい、
あなたの人柄なら、部下の育成を任せてもよい、
と思える精神的な「信頼感」があるようなら、
"④共感価値"が高いことになりますね。
このように考えると、
あなたが「必要とされる人材になる」には、
自分の売上に拘る
(=実利価値を高める)
ではなく、
周りのメンバーを鼓舞したりフォローしながら
チーム全体が上手く機能するように取り組む
(=評判価値、共感価値を高める)
という方向性が良いかもしれません。
そう考えると、
「売上で他者より秀でることができない」
と悩むあなたにも、
新たな道筋が見えてきます。
◼︎最後に
なお、著書の中では
価値の4象限を頭に入れて話を聞きにいくべき
「相手」は、まずは何より自分自身(P.164)
とも述べられています。
自分が、お客様や会社に対して、
提供できる価値とはなんだろう?
自分の強みを考える上でも、
ぜひ「価値の4象限」を活用してみましょう。
▼著書はこちら
▼著者・井上大輔さんのnoteはこちら
それでは、今日も1日頑張りましょう。
みたしん