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七十二候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)



#今日はなんの日 🍊
#暦の話

七十二候 蟋蟀在戸
(きりぎりすとにあり)
10/18~5日間です

実は蟋蟀(しっしつ)とはコオロギの事です
(ジムニー・クリケットですね)
そもそも江戸以前「こおろぎ」は
蝉等も含めたあらゆる鳴く虫を指すそうで

キリギリスの方はというと
螽斯(ギス)という漢字がちゃんとあります
ギースッチョンという鳴き声をそのまま
名前にしたような漢字で
機織り虫とも呼ばれるキリギリスは夏の虫

よって晩秋のこの時期に鳴いていることを
鑑みて、やはりこの蟋蟀とはコオロギの事と
考えていいでしょう

また20世紀初頭にコオロギを
キリギリスと呼ぶ文化があったらしいことは
太宰治が「きりぎりす」という作品で
コオロギ=きりぎりすとしている事からも
読み取ることができます

実際、万葉集等の古典に登場する
詩句の内容もほとんど秋に基づくものです

古くからこの虫に
親しんでいたのはなにも日本だけではなく、
欧州方面ではコオロギを幸運の象徴と捉え
家の中にいるコオロギを殺してしまうと
不吉なことが起こると考えられていたり

中国では唐代から「昆虫相撲」と
称し雄のコオロギを戦わせる文化があるとか
(※闘蟋=とうせきというらしいです)

そんな彼らですが、一度交尾するとメスは
産卵管で受け取った精包を使い切るまで
何度も産卵します
その数、100~200個

約2週間で幼虫が生まれますが
この時点で外見は成虫と変わらないです
違いとしては翅がないくらい

いわゆる不完全変態の昆虫というやつで
幼虫から成虫になるときに蛹になりません
その代わりに5~8回脱皮を繰り返して
成長し、最後の脱皮が終わると翅が生えて
成虫になります
このときの体重は脱皮前の約2倍だとか

大体2ヶ月で成虫になるようですが
寿命は約3ヶ月ほどなのでまさに多産多死
蛹にもならず猛スピードで生まれて
あっという間に死んでいくわけです

「蛬(こおろぎ)を焼きて食ふ」という
万葉集の記述からもわかるように
昆虫食の中では実は最もポピュラーでも
あった蟋蟀ですが
タンパク質とビタミン豊富なんですってね
炒めるか揚げるかして食べるらしいです
ダイエットにも認知症にも
高たんぱく高ビタミン食がいいらしいので

環境を救うついでに健康のためにも
コオロギ食べるのはいかがですかね


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