七十二候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
七十二候 蟄虫坏戸
(むしかくれてとをふさぐ)
9/28~10/2
すごもりむしとをふさぐ、とも
読むそうですが
実は昆虫のことではなく
本来、爬虫類のことを言うのだそうです
もともと「虫」自体
人類・獣類・鳥類・魚貝類以外の
小動物の総称とされており
「特に、昆虫をいう」のだそうですが
もうひとつ「蟲」という字があるので
ここにどうやらヒントがありそう
このへん、もう少し突っ込んだことは
漢字文化資料館に書かれています
ざっくりまとめると下記の通り
もともと昆虫等のムシを表す漢字は「蟲」
なのだそうです。では「虫」はというと
象形文字として甲冑文字に起源を辿ると
一目瞭然 (ほんとそのまんま)
「マムシ」のことなんだそうです
実際、発音もチュウではなくキ、です
ただ、実際使うとなると
「虫」を三つ書くのは面倒なので
当用漢字が制定された際に
ムシ=「虫」になったそうな
さっと調べるだけでも
この「虫」の名残はいろんな生き物の
名前に見られて
蛙(かえる)
蜥蜴(とかげ)
蝦(えび)
蛤(はまぐり)
蜆(しじみ)
そしてやっぱり蛇です
※蛇の象形文字と虫の象形文字は
本当に似ています
(コメントに貼っておきます)
言葉と同様、文字の歴史も長いので
調べても調べきれないのですが
ひとまず最初の文字誕生は
5000年前という事になってるみたい
絵文字(ピクトグラム)から始まった
文字は、その後漢字になったり
紀元前3500年前に
アルファベットを産んだり
楔形文字を産んだりします
ちなみに多分察しがつくと思いますが
現時点で
最も多くの文字を持つ言語は
中国語(約5万文字)
逆にこっちはあまり知られてなさそうですが
世界で最も少ない文字を持つ言語は
オセアニアのソロモン諸島というところに
存在するロトカス語(全部で12文字)
ちなみに現代日本語は
ひらがな46字、カタカナ46字
それ以外に存在する漢字を合わせると
常用漢字は2000文字
一般的な漢和辞典には
一万文字の漢字が収められているそうな
蟲から虫への変遷をみるに
きっと歴史の中で淘汰されていった
絶滅種の文字とかも
あるんだろうなあと思うと
なんだか壮大なものを感じます