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七十二候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
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七十二候 雷乃収声
(かみなりすなわちこえをおさむ)
9/22~9/27
旧暦はたびたび
対になる名前が登場します
※例
玄鳥至(4月)に対する玄鳥去(9月)
今回もそのタイプ
春分近辺(4月頃)に
雷乃発声
(かみなりすなはちこえをはっす)
という暦がありまして
そこと対になってます
鶺鴒が鳴き
玄鳥(つばめ)が去ったら
雷も当分は出番なし
「竜淵に潜む」という言葉があります
古代の中国では
龍は春分に天に昇り
秋分に天から降って(つまり雨)
深い淵に潜み
次の春を待つと考えられたそうです
今この季節は
ちょうど雨を降らせるだけ降らした龍が
淵の中に潜む時期
雨量が減る=雲がない=雷雲がない
ということです
雷は大気中の電荷の不均衡が原因ですが
主にこれは
積乱雲(いわゆる雷雲)の中で発生します
積乱雲のような帯電するくらい大きな雲は
地表近くの空気が暖められ
上昇気流が発生しないと形成されません
したがって、夏の暑い季節は
雷が発生しやすいのですが
秋になると気温が下がって上昇気流が減り
雲が生まれないので
結果として雷の発生も減少するというわけ
(秋晴ってやつです)
と、いうことは裏を返すと
湿潤な大気と上昇気流さえあれば
寒くても
雷雲は形成されるということなんです
その証拠に冬季雷(とうきらい)という
という言葉がありまして
11月から3月にかけて
日本海沿岸での雷検知数が増えるんだそうな
(世界的にも珍しいそうです)
この雷、植物の生育に役立ってることは
ご存知ですか?
大気の成分は
窒素 78.1%酸素 21.0%
雷の放電現象が起こすエネルギーは
大気中の窒素を電離分解して
組成を酸化窒素に変えるのですが
こういう窒素固定された大気から
硝酸が生まれ、この硝酸が
雨で大地に流れこむと硝酸塩になります
植物の三大栄養素は
窒素・リン・カリウム
このうち窒素は
そのまま大気中にある状態だと
うまく植物に吸収されないのですが
硝酸塩の形だと
貴重な栄養分になるんだそうです
実際昔の人も
雷がよく鳴る年は豊作だと知っていて
稲の子作りには雷という配偶者が必要
という意味を込め
「稲妻」と呼ぶんだそうな
怖い奥さんですが
きっと仕事のできる奥さんなんでしょうね
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