七十二候 大雨時行(たいうときどきにふる)
七十二候
「大雨時行(たいうときどきにふる)」
8/2~五日間です
今日で夏が終わるってご存知でしたか?
二十四節気の大暑が今日で終わります
次は立秋です。もう秋の到来
暦の名称を見ればわかる通り
集中豪雨や夕立など、夏特有の激しい雨
――大雨が局所的に降ります
入道雲=積乱雲が目立つのもこの時期
(そういえば先日、雷鳴も聴こえました)
亜熱帯から熱帯にかけて見られる
モンスーン気候特有のざーっと降って
からっと晴れる、そんな時期です
梅雨との決定的な違いはやはり夕立
「馬の背を分ける」とあるように
鬣(たてがみ)を境にこっち側は濡れて
反対側は乾いてるような状態
局所的な雨をよく表してます
あちこちのコラムでも
雨に関する記述が多いですが
短歌を作る身としてはやはり
雨の言葉に注目です
▶驟雨(しゅうう)
=俄雨(にわかあめ)
▶濯枝雨(たくしあめ)
木々の枝や葉を洗い流すような雨
▶白雨(はくう)
視界が真っ白になるほどの雨
▶銀箭(ぎんせん)
光る銀の細い矢(箭)が
無数に落ちてくるような雨
▶銀竹(ぎんちく)
雨を光る竹が真っ直ぐに降りそそぐ様子の雨
▶篠突く雨(しのつくあめ)
笹竹の束=篠が落ちてくるような雨
結構激しい雨を指している言葉もありますね
特に
銀箭(ぎんせん)銀竹(ぎんちく)
篠突く雨(しのつくあめ)
あたりは「線状降水帯」を思わせます
我々がイメージする大雨は多分こっち
▶「線状降水帯」
20〜50km幅で積乱雲が長く連なった結果
降雨域が100km以上の線状に
細長く伸びて見えるもの
積乱雲が次々に同じ場所で発生し
同じ経路で移動しながら発達する事により
バックビルディング(後方形成)する
この状態は
新しい積乱雲が後方に発生し続けるので
積乱雲が世代交代しつつ常に維持されます
こうなると都市型水害が起こる確率が高く
非常に危険
九州などは線状降水帯のイメージがありますよね
今、ゲリラ豪雨は都市を中心に発生します
季語が生まれた時代に
ヒートアイランドなどという言葉は無かった筈
篠突く雨(しのつくあめ)と聞いて
線状降水帯をイメージするのは現代特有
こうやってコトバは独自の生命と歴史を持ち
世代ごとに脱皮を繰り返して
新しい意味合いと文脈を持つようになるのですね