七十二候 虹蔵不見 (にじかくれてみえず)
七十二候 虹蔵不見
(にじかくれてみえず)
11/23~5日間
竜が姿を消しました
秋分の時点で竜淵に潜むと言われるように
今回の暦は龍の化身とされる虹が
見えなくなっていく時期です
虹が生まれる条件ですが
単に雨が降っていること以上に
空気中の飽和水蒸気量が多い事による
大気のプリズム効果があげられます
冬のこの時期は
大気が冷え切っていますので
雨が減っていくというだけでなく
大気中の飽和水蒸気量が低下します
すると自然、空気がプリズムの役割を
果たせなくなって
虹の出現率が低下するというわけ
そもそも最近曇天が多いですしね
こうなると虹を作る条件である
太陽光が射し込んでこないので
虹の発生条件がことごとく潰されています
次に虹に会えるのは
来年の四月中旬
七十二候では第十五候
「虹始見 (にじはじめてあらわる)」
と、ここまで書いておいてなんですが
実は、冬にも虹は出現します
ただ色が薄くて目立たないだけ
夏の虹は空気が湿って水滴が大きいため
光の屈折や反射が強くなり
色が鮮やかに見えますが
冬はその逆
そのため、冬の虹は薄く白い虹
つまり「白虹(はくこう)」と呼ぶそうです
また冬の虹は夏の虹よりも
大きく見えます
これは、太陽が低い位置にあるため
地平線から離れた高さで虹が出現するから
夏の虹は太陽が高い位置にあるため
地平線に近い低い位置で虹が出現します
そのため、夏の虹は半円に見えますが
冬の虹は完全な円に見えることがあります
他にもうひとつ特徴として
冬の虹は夏の虹よりも
赤色が目立ちやすいです
これは太陽が低い位置にあることで
光が大気中を通過する距離が長いから
このとき、波長の短い青や紫の光は散乱され
波長の長い赤色や橙色の光は散乱されにくい
ため、太陽が低い位置にあるときは
赤色や橙色の光が強くなります
※夕焼けや朝焼けの原理と同じ
そのために
冬の虹は赤色や橙色が強調されて
見えることがあります
このような赤い虹を「赤虹(せっこう)」
と呼ぶんだそうな
太古の時代には生き物とも考えられていた虹
屈折がないと生まれないっていうところが
詩的なんですよね
人工的に作れるようになってもなお
何となく見つけると目を惹く虹
冬に見つけた方は是非
大きさと色に注目
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