みすゞのひとり旅 in 京都
趣味、ひとり旅。今回の舞台は京都です。
前回のnote「みすゞのひとり旅 in 大阪 」から、そのまま山陽本線に乗って京都に向かいました。
京都駅前にある京都チケットセンターで地下鉄・バス一日券を購入。
みうらじゅんFES
先ずは京都駅直結の伊勢丹の7階にある美術館「えき」KYOTOで2024年7月13日〜8月25日まで開催されていた「みうらじゅんFES」に行きました。
みうらじゅん氏と初めて出会ったのは、中学生の時にテレビで観た「色即ぜねれいしょん」という映画でした。みうらじゅん氏原作の仏教青春小説を田口トモロヲ氏が映画化したもの。私的に、くるりの岸田繁さんがかっこいい。原作も映画もぜひおすすめしたい作品です。
以下、みうらじゅんFESの一部をご紹介。
他にも盛りだくさんの展示。
みうら氏の、自分の〝好き〟を追求する姿はとても素敵で、ユーモアが溢れています。
みうら氏のこれまでの変遷をここまで細部にわたってわたしたちが知ることが出来るのは、「あんたなら出来る!」「私が絶賛しなくて誰がする」といった言葉をかけてくれる、しかも今までの彼がつくってきたものを全て残してくれている、彼の母の存在が大きかったのだろうかと感じます。
みうら氏の原点が詰まっている、そんな展示でした。
河道屋 銀華
お昼ご飯を食べていなかったのでお腹がぺこぺこ。夜ご飯を食べに河原町へ向かいました。鴨川沿いの先斗町通りを歩いていると、生そばの提灯が立っているお店「河道屋 銀華」を見つけ、入ってみることに。
迷いに迷って、天ぷら定食を頼みました。
わたしはカウンター席に座ったので、天ぷらが揚げられるまでの華麗な手さばきを眺めることが出来ました。
一つ一つの素材が生かされている、優しくもしっかりとした味。蕎麦にプラスでご飯も食べれるかなと思いましたが、全然いけます。美味しく頂きました。
河原町を散策する前に予めチェックインしていたホテルに戻ったら倒れ込むように寝てしまいました。おやすみなさい。
茶房さがの
ホテルでの朝ごはんを済ませたあとは、バスに乗って嵐山のもう少し山奥、嵯峨方面へと向かいます。
乗車しているのがわたし1人だったので、市バスの運転手の松本さんが「どこまで行くの」と話しかけてくれ、親切に嵯峨へのバスの乗り継ぎ方を教えてくれました。ちょっとした世間話もして、「暑いから気をつけて、ちゃんと水分とってくださいね」と見送ってくれました。
その後いくつかバスを乗り換え、嵯峨釈迦堂前というバス停で降り立ち、そこから目的地の化野念仏寺まで徒歩22分ほど歩きます。
快晴のため太陽がアスファルトに反射して燃えるように暑く、心を無にして歩いていたその時、「氷」ののれんが輝いて見えました。
このままでは倒れる。そう感じ、駆け込むように入ったのは茶房さがの。
レモンのかき氷を食べました。
ほてった身体と頭に冷たさが染み渡って、カウンターでしばらく涼み、のんびりとさせて頂きました。
化野念仏寺
茶房さがのを出て徒歩10分後。ようやく化野(あだしの)念仏寺に到着。
かつて京都には、亡くなった人のご遺体を運び、野ざらしにする「風葬の地」が3箇所あり、そのうちの1つが化野でした。
化野にお寺が建立されたのは約1200年前。
( 弘仁2年(811年))
古来より風葬の地であったために野ざらしになっていた遺骸を空海が埋葬し、お寺を開創したと伝えられています。
化野の「あだし」とは「はかない」「むなしい」という意味で、「化」の文字は「生」が化して「死」となって、この世に再び生まれてくることや、極楽浄土に行き来する願いなどが込められているとのこと。
化野念仏寺にある「西院の河原(さいのかわら)」には、約8,000体の石仏や石塔が並んでおり、この一帯に葬られた人たちのお墓となっています。
鎌倉時代を過ぎて何百年という歳月が流れると、寺は一時無住職となり荒廃し、並べられていた石仏・石塔が風化とともに散乱、埋没して衰えていきました。
供養する親族などがいない無縁仏となって荒れてしまっていましたが、明治時代の中頃、地元の人々の協力によって再び安置されるようになったそう。
愛宕念仏寺
化野念仏寺から徒歩7〜8分ほど歩き、愛宕(おたぎ)念仏寺に到着。
大正時代には廃寺同然の無住職のお寺と化し、ひどい有り様だった愛宕念仏寺。しかし昭和時代になり、前住職 兼 仏像彫刻家の西村公朝氏によって、1200体の羅漢像が地域の人々と共にそこかしこにつくられました。
羅漢像が数千体もあると考えると怖いのではないかと感じる方もいると思いますが、彼らは優しく出迎えてくれ、その表情はとても個性豊かで、心を和ませてくれます。
寺の歴史は奈良時代まで遡るそう。
苔むす羅漢の石仏もとても魅力的。
緑溢れる山の空気を感じ、流れる水の音に耳を傾けながらひとり静かな時間を過ごすことが出来ました。
ちなみに、心霊スポットと言われている清滝トンネルは愛宕念仏寺の近くにありました。リアルなホラーは受け付けないので、まだ空は明るいですが念の為近づきませんでした。
納涼下鴨古本市
嵯峨から出町柳方面までバスで向かうこと約1時間半。下鴨神社の近くの糺の森でバスを降り、納涼下鴨古本市へと向かいます。
下鴨古本市といえば、森見登美彦著の「夜は短し歩けよ乙女」で登場します。わたしも「黒髪の乙女」のように赤いワンピースで古本市を楽しみたいと思い、今日の服は三つ編みに赤いワンピース。
嵯峨野から出町柳までの移動時間が長く、古本市が終わる30分前に着いたので、あまりじっくり見れなかったのが残念なところ。時間が足りず、ときめく本に出会えませんでした。
今度はじっくり見たいです。
鴨川デルタ
古本市を後にし、そのまま鴨川デルタへ向かいます。丁度夕方になってきたので、照りつけるような暑さも和らいでいました。
鴨川デルタは、京都市を流れる賀茂川と高野川が合流し鴨川となる地点。数々の作品の舞台としての聖地・観光地でもあります。川の音を聞きながらのんびりしたり、飛び石をはしゃぎながら渡ったり、真夏でも日が暮れ始め夕方になると涼しい風がふくすてきな場所です。
鴨川デルタのある出町柳は、私の好きな京都アニメーションの「たまこまーけっと」の舞台となる場所でして、たまこまーけっとに出会った中学生のころからとても好きな場所です。
中学生の頃のわたしは、よく笑うけど大人しくてマイペース、根は真面目な性格で少し怖がり屋だったと思う。
まさか上京してひとり暮らしをして、長い休みの日はひとり旅をする子になるなんて自分でも思ってません。人間って変化する生き物だなとぼーっと鴨川を眺めながら考えていました。
これからわたしは何をどう生きていきたいのか。ぼんやりと頭の中にはあるものの、どうしたらそれが自分とフィットするカタチになるのかが掴めていません。不安もありつつ、未来は未知であるということに愛と好奇心も持ちたい。1人で旅に出ると、強くなれる気がする一方で、なんだかセンチメンタルな気持ちにもなります。
人生は、どこでどんな出会いがあるか分からないもの。自分が興味を抱いたものにはどんなもの、場所でも突っ込んでみて、様々な人と出会ったりしながら、「わたし」を積み重ねていきたいと思います。その経験がどこかで巡り巡って繋がって、いつかの瞬間で納得できるものになるように。
お米自慢 おにぎり屋さん
鴨川デルタでひと息ついた後は、出町柳駅の近くにあるおにぎり屋さんに行きました。
Googleマップでお気に入りピンを立てて、以前から気になっていたお店。
鮭のおにぎりを買いました。
おばちゃんたちが「おおきに〜」って言ってくれて、まあ当たり前かもなんだけどなんか嬉しかった。
帰りのバスを待つ間に食べたのですが、プラスチックの容器ではなくラップで包まれているので、とても距離が近く感じるというか、おばあちゃんが握ってくれたおにぎりみたいなあたたかさを感じました。とっても美味しかった。別の味も食べたいです。
そんなこんなで京都の旅も終わり。
今度は足を伸ばして、もう少し遠い土地へ旅に出たいです。
最後に、好きな本の1ページを添えて。
また書きます。
みすゞ