柳川・博多 2024 前編 - 華のおんなソロ旅
福岡県の柳川、博多をこの秋、2泊3日で旅行したときの記録です。
1日目、福岡空港に降り立つとまだ残暑といった陽気である。地下鉄で天神まで行き、西鉄電車に乗り換えて柳川駅まで。当初予定した便に乗れずに30分待つことになった。
1時間弱特急に乗るが、景色を見ているとどんどん何もなくなっていき、本当にこの先に名観光地があるのかと少々不安になったが、着いた駅は立派でびっくりした。駅前は再開発の途中とのこと。
駅前のホテルに入るとすでに16時近くになってしまっていた。中途半端な時間で、夕食までの間、散策がてら駅近くの三柱神社(みはしらじんじゃ)に行くことにした。明日の川下りの乗船場のすぐ近くなので、場所の確認にもよいだろう。
三柱神社とは、初代柳川藩主・立花宗茂(たちばなむねしげ)公、妻・誾千代姫(ぎんちよひめ)とその父・戸次道雪(べっきどうせつ)公の3柱を祀っている。夕方で人出もなく、池を観ながら静かに座っていたいとも思える名所だった。
このあと、夕食に柳川名物、鰻のせいろ蒸しをいただきに有名店に歩いて行ったのだが、なんと ! 臨時休業とのことでガックリである。まさかとは思っていたが、有名店は連休明けは要注意との今後の教訓になった。ここには明日来るとして、今夜はどうしよう。そこで明日の昼に柳川下りのあとに行く予定だったところに行くことにした。問題はアクセスだが、いつ来るのかわからないバスは待っていられない。ナビで見ると歩いて30分とのこと。まだ明るいし、天気も悪くないし、エーイ、歩いちゃえ。というわけで、またまた私の食を求めての猪突猛進が始まった。今回はほとんど歩かない予定だったんだけどなあ(笑)。
幸いなことに入り組んだ道もなかったが、無事たどり着いたときにはホッとした。ここになぜ来たかったかというと、有明海料理がいただけるからである。佐賀に行ったとき珍しい魚などを知り、一度食してみたいと思っていたから、柳川のお店の紹介を見ていてぜひここに行きたいとなったのである。結果的に夜に行ってよかった。大当たりであった。
店は魚屋さんの裏半分が食堂のような造りになっている。ひとりなのでカウンターに座り、有明海料理を少しずつ楽しめるセットをお願いすると、御年輩の女性店主の方が横に座って、魚の解説をしてサービスしてくれた。写真に撮れなかったが、クチゾコの煮つけの美味しかったこと。カレイの煮つけなどは比ではない。また機会があればぜひ行きたいです。お値段も結構だったけど、楽しかったからまあいいか。帰りはタクシーでもと考えていたが、気分もいいし、いいやまた歩いてしまえ(笑)。ナビを片手に駅をめざす。思いがけずライトアップされた水路を歩くことができた。人っ子ひとりいない路を45分も歩くはめになったが(ほろ酔いでなければ用心してしなかっただろうな・笑)、実に気持ちがよい初秋の柳川の夜だった。
翌日は、いよいよ川下りである。川下りを催行している会社はいろいろあるのだが、西鉄系列の大手にした。割引券もしっかり持って、昨日確認した乗船場に朝一番に着く。そのおかげで船の先頭に乗ることができたので(視界が全然違う)、やはりなんでも行動は早くしておくものだ。乗客は10人ほどだが、日本人はほとんどおらず、韓国、中国のカップルゃグループ。おかげで船頭さんのトークも各国ちゃんぽんで誠にご苦労なことだ。日本人だけならもっと詳しい解説が聞けただろうにと思わないでもない。いずれは各国語別のアプリでの解説になるのだろうか。それはそれでいささか面倒なのだが。静かにゆっくり道行く水面を眺めて過ぎる70分。まさに命の洗濯である。
下船場は、名勝に指定されてている立花氏庭園「御花(おはな)」の近くである。お昼はここでいただくことにした。
ここは、私の両親がかつて旅行で来たところで、40年前の写真が残っていて私も来てみたかった。母が、川下りをして柳川鍋をいただいたと言っていたのだが、最近は柳川鍋はほとんどみかけないと昨日の店主さん。どじょうが捕れないのだろうか。
見事な日本庭園を眺めながら、鰻のせいろ蒸しと、奮発して土瓶蒸しも。
西洋館も資料館も立派で、よく丁寧に保存されている。柳川では、この立花家をテーマとした大河ドラマを誘致したいとのこと。たしかに実現したら面白そうである。ここに大河ドラマ館ができたなら、ぜひまた来てみたい。
このあと、福岡に戻り、夜は博多座でスーパー歌舞伎の鑑賞です。