古代の治水 その1 滝を造る
三重県名張市赤目に赤目48滝と言うのがあります。「48」と言う数字は多いと言う意味らしく48個滝があると言う意味ではありません。
実は隠(名張)と言う地は、壬申の乱で大海人皇子が占いで自分が天皇になると宣言したらしい土地です。
地元の神社宮司さんから「あれは人工的に造った滝や思います。」と言う話を聞きました。下の写真は赤目の滝の様子です。
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ではなぜ、滝を造ったのでしょうか?
これはまさに治水のためだった…山や上から流れてくる水を流れの速さをコントロールして鉄砲水を防ぐためだったのです。
棚田も同じですし、奈良公園の池(棚池としときます)も同じように、徐々に下流側に水を送るためだったのです。
原理を簡単に図で示します。小汚い絵ですがわかっていただけると思います。
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分かっていただけるように、もし滝が無ければ水の流れの速さは斜面を落ちるボールのように加速度的に早くなり、「弾よりも速く・・」と言う事になります。確かに滝と言うのは、英語でFall 落ちる ですよね。流れるとは言いません。
実は東大寺の境内を流れる白蛇川にも滝が造られています。
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下流に溢れないためですね。古代の人は本当に賢い人が多かったようです。
ちなみに名張は古代には隠と書いていました。天皇が畿内の国などに『好字二字令』というのを発布したために無理矢理作ったのが名張だったようです。
面白いのは、大阪に和泉市というのがありますが、これも元は『泉』だったのが二字と言われてなったのでしょうが、判りづらいですね。
この他にも、加賀、滋賀、甲賀、伊賀などなんでも『賀』を付けたと言う、もっと知恵出せよ!と言いたくなりますね。