『古事記』とは何を書いたのか?…そして『日本書紀』は何だったのか?
皆さんは『記紀』をご存知だと思います。
この二つの書はそれぞれ何を目的として作られたのかを想像したことはあるでしょうか?
この記事では、二つの書の持つ意味を筆者なりの見解を述べてみましょう。
古事記
これは文字通り、古い(昔の)(出来)事の記(録)と言う意味でしょう。
では、何が「日本書紀」と違うのでしょうか?・・後ほどこれについてはお答えしましょう。ですから
昔の出来事の記録
です。
昔とは、天武天皇が『日本』という国を樹立するまでの記録集
(実話)であったという訳です。
ですから「古事記」は、推古天皇までで、比較的新しい天皇の時代は、 当然書かれていません。
これが「日本書紀」との違いになります。
決して作り話を目指していた訳ではありません。
日本書紀
日本という国名について考えてみましょう。
「日本」という国号を初めて使ったのは天武天皇と言われています。すなわち、日本を国としたのが天武天皇だった訳です。
さて、『書紀』の意味を探ってみましょう。
【紀】:(意味は色々ありますが、ここでは)はじめ…と言う意味です。
そうすると、「日本書紀」の意味は次のように書くことが出来ます。
★★日本という国のはじめ(紀)を書く★★
(紀と書は倒置しています)
そうです、天武天皇は、
『日本』を『国』と位置づけて、その国の『はじまり(成り立ち)』を書
いたものという事になります。
従って、
日本と言う国について正規に歴史を述べた書
という意味で『正史』と呼ばれているのです。
以上で、この二つの書、「古事記」と「日本書紀」の持つ意味付けが違っていた訳がお分かり頂けると思います。