クジラ!が泳いだ奈良盆地…信じられますか?
これは本当のことです!
以前に『石上神宮』と『日本書紀』について紹介しました。
そうです、西暦2~3世紀には、奈良盆地は湖のように水で満たされていました。
海面は現在より100m近くは上昇していましたから、『石上神宮』もまさに海辺の『磯』にありました。下図は、石山仁さんが書かれた古代の『奈良湖』の様子です。右中央には、『石上神宮』が表記されていますので、西暦200年(「日本書紀」より)には、この近くまで海岸線が来ていました。
そうすると、この頃の近畿地方の様子を見ますと、下図のような海岸線になります。
ご覧の通り、中央の現在の『奈良盆地』にあった『海』は、北、西で瀬戸内海に繋がっていたことが分かります。
もはや奈良盆地は海そのものでした。
さて、下に示したのは、奈良盆地にある有名な『唐古・鍵遺跡』ミュージアムの資料(ミュージアムコレクション)です。
この遺跡では、なんと!
★クジラ、ウニ、エイ、サメ
などの殻や骨が出土します。
でも不思議はありません、だって古代弥生時代には『海の底』でもあった訳です。
当時の弥生人達は、『クジラ刺し』『生うに』に舌鼓みをうったにちがいありません。それに内湾に生息する『アカニシ』(10㎝位の巻貝)も出土するなど、まさに、『マリン・ライフ』で海の生鮮を楽しんでいたようです。
以上のように、長い年月の間には海も変化し、我々現代人の持つ小っちゃいスケールで判断すると理解できないことが沢山あります。