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雨降る街

300文字


雨が降る
好きか嫌いか
それだけのことを問いかける

雨が止む
遠くに去ったあなたを想う
いまそちらはどうですか

雨が問いかける
しとしと降るように
静かに生きていけないものか

丘のうえに咲いた雨色の白詰草
雨降る街はいつも半分に霞む


降るか
降らないか

大空には事実が存在するだけ
心ではない


なぜにこんなにも痛みを感じるのだろう
カフェの夕暮れと薄いアイスコーヒー
氷の融けるような時が過ぎても


空の模様にさえ
好きか嫌いかを投げつけては
雨が降るのか降らないのか
ずっと見上げていた


心に似た空模様はぼくが映したもの
あした雨が降るのか降らないのか
あした心は晴れるだろうか


詩語を読む
ゆらぎのなかで人は生きる
生も死もゆらぎのこと


むこうのあなたの空は
もう秋だろうか







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べじさん
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