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想いのひと粒


旅立ちが近づいて
いつもよりありがとうに気づく


こんなにも幸せな時間に
ありがとうがあふれる


気がつく頃に
さようならはそばにあると
思い知る


限られた時間だから
ぼくには


いつまでもいられないこの星の上には
美しいことがこんなにもたくさんあるんだね


ここにあるのだと気づくと
すぐに
うれしくなって
ちょっとかなしくなって


いつまでも続かないと肩を落とす


思い出をふりむきざまに
音を立てずに置いていこうか


さようならのむこうに見える昨日の喜びは

生まれたての幸せに似て

それはいつか来る日とわかっていたのに

受け入れられないままの
旅立ちに涙はひと粒


遥かに遠く
緑豊かな季節の朝がはじまる
あたたかい日差し


ぼくはひととき少年になっていた


静かに手をはなすときに
ありがとうを伝えよう



ありがとうをそっと
手にのせて



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べじさん
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