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【選書の舞台裏】2021年1月"大逆転"

新年あけましておめでとうございます、Chapters bookstoreです。

本棚で手と手が重なるような出会いを実現することをモットーに、月替りで新しい4冊をご紹介していくオンライン書店です。

2020年12月にオープンしたばかり、書店としては新参者ですが、楽しい読書体験のご提供のため心を込めて運営して参ります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2021年最初の選書テーマは”大逆転”です。

2021年最初の選書テーマ ”大逆転”

" 大逆転 "

絶望やどん底から始まる4作品。
設定がまるで違うそれぞれの作品に共通して言えることは、
辛いピンチの時に行動を起こすことで物語が進行していく点です。

不測の事態が続いた2020年を超えて、
いま新しい1年を迎えた私たちへ、
読書が心の栄養分になりますように。

chapters bookstore で本を買う。

Chapters書店のオープン準備を進める中で、選書について考え始めたのは2020年8月頃です。その頃すでに、コロナの影響はどうやら年末年始以降も長引くらしいという予測がささやかれはじめていて、例年とは違うお正月の気配をうっすら遠くに感じる中での選書作業でした。

2021年最初の読書、絶望とちょっとの希望を求めた

見通しのつかないちょっと先の未来を想像しながら、漠然と感じたこと。2020年に感じた、やるせなさ・疲れ・憤り・辛さその他諸々の感情を、新年ですぐにリセットするのはなかなか難しいだろうということ。

結果として出てきた、書店員さんへの1月選書のリクエストが「冒頭超辛いんだけど最後ちょっと救われる物語」でした。

出てきた作品はこちら。

【南】202101大逆転.

↑今月の選書3冊目(=南)で紹介している作品です。

現実で抱える問題とはかけ離れた設定でありながら、登場人物が困難に立ち向かい、乗り越え、前進していく感覚を追うことで、読む側も少しだけ救われた気持ちになりました。推薦してくださったマルノウチリーディングスタイルの書店員・長江さんに、思わず勢い任せの感想メールを送ったほどです。

いつもと違う新年を迎えるにあたり、寄り添う読書は、きっとこれくらいのテンションでいい。

この本の読了感から得た気持ちをヒントに選書を進め、最終的に"大逆転"というテーマの元4作品のラインナップを取り揃えました。

洋書が2冊、女性作家が1名、ノンフィクションが1冊、今月はジャンルが様々です。リストラから寿命まで、立ち向かう"大逆転"の規模も様々!今の気持ちにひっかかる作品が一つでもあれば幸いです。(洋書は割高と知りつつも、諦めきれなかったというのはここだけの話)

クリエーターは世戸ヒロアキさんをお迎えして

スクリーンショット 2020-12-31 15.42.48

photo credit :https://www.setohiroaki.com/gallery

毎月のテーマやコンセプトをなんとなく決めた後、合わせて進めていくのがクリエーター選定です。Chaptersでは文庫本のタイトルや著者を明かさないかわりに、毎月ゲストクリエーターをお招きし作品にまつわるクリエーションを依頼、新しいプレゼンテーションにて販売します。

今月お迎えした世戸ヒロアキさんを知ったのは、2020年夏の"SUMMER READING 2020 ポパイの読書案内"。(この号のポパイ本当に面白いので、読書好きの方ぜひバックナンバーのお取り寄せを♡)

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photo credit :https://magazineworld.jp/popeye/popeye-880/

特集内、ハードボイルドを切り口とした割とニッチで極端な本を紹介しているページの挿絵を担当されていたのが、世戸さんでした。これがどれも本当に可愛くて。

奇妙なんだけどポップ、色どりも楽しげで、イラストがいい感じにデフォルメされているから読書前のイメージを壊さない絶妙なライン。何よりこのイラスト全てを、活字の参照資料だけでイメージ広げて手がけたことが純粋に超すごいなと思いました!

※世戸さんがこの号で担当されたイラストを見たい方は、ぜひこちらへ。

テーマを"大逆転"に決めた時、世戸さんのイラストと一緒なら、この強い言葉を軽やかに吹き飛ばし、作品の世界を広げてくれそうだと確信。結果、にっこりご快諾いただきました。

(クリエーターさんへのオファーはChaptersを運営する中で毎度一番緊張するシーンなので、いつもご承諾いただけた瞬間はホッとします...ありがとうございます...)

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ポパイのイラストを見た時に感じた気持ちと同じく、ビジュアルに引っ張られて読書の楽しみを削ぎ落とすようなことはしたくない、というChaptersの思いを汲んで、世戸さんがそのちょうどいい部分を一緒に探すお手伝いをして下さいました。作品から引用したそれぞれの一文も、イラストと重なることで活きています。

Chaptersが大切にしている本との出会いは「直感」。あれこれ考えすぎずに選んで欲しいという理由から、選書は時間をかけて吟味し、本のタイトル・著者は一部隠した状態で展開しています。お客様はいい感じに適当に選んで下さると嬉しく思います。

それでは、全貌はぜひchaptersのウェブサイトで!来月もどうぞお楽しみに。

2021年1月 “大逆転” Chapters bookstoreへ。

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