yogaś citta-vṛtti-nirodhaḥ / ヨーガは心の働きを死滅させることである

🔸yogaś citta-vṛtti-nirodhaḥ / ヨーガは心の働きを死滅させることである

ヨーガ・スートラは4章195節からなるヨーガの教典です。

今日はヨーガ・スートラできっと一番有名ではないかと思われる一節をご紹介します。

それは第1章第2節の

yogaś citta-vṛtti-nirodhaḥ (ヨーガシュ チッタ ブルッティ ニローダハ)
【ヨーガは心の働きを死滅させることである】

(『解説ヨーガ・スートラ』の佐保田鶴治先生の訳です。)

です。

この言葉を初めて聴いたとき、私はまず

「心を死滅させる??」
「死滅って??」

と全くピンときていませんでした。

それからYogaのティーチャートレーニングを受けても
ヨーガの哲学、つまりヨーガ・スートラは
本を読んでも意味がよく理解できない状態が長く続きました。

以前に比べたらマシだとしても
今現在も理解できているとは言えないと思います。
ですので現在も継続して学習中です。

ですが諦めずに続けてきたら
理解できるところも少しずつ増えていきます。

🔸様々な日本語訳

一冊のヨーガ・スートラでは理解できずに、
また別のヨーガ・スートラを買って読みました。

すると本によって日本語の訳(解釈)が少しずつ違います。
それでまた「どれが信頼できる一番良い訳なんだろう??」
と考えたりしました。

例えば、

①ヨーガとは心の働きを死滅することである。
②心の作用を死滅することがヨーガである。
③ヨーガとは、心のはたらきを死滅することである。
④ヨーガとは、考えの働きを静かに収めることです。
⑤ヨーガは心の活動の停止。

といった具合です。

これは日本語の本だけでなく、英語の本でも同様のことが起こります。
訳者により解釈や単語の選び方が違うのです。

ちなみにサンスクリット語の意味は以下になります。

yogaś = ヨーガ
citta = 心、心的現象
vṛtti = 活動、作用、働き
nirodhaḥ = 死滅、静止、阻止、制御、閉じ込める

ここで何となく意味がわかった気持ちになるでしょう!!

でもそうじゃないところがヨーガ・スートラの奥深いところです。

🔸チッタ(心)とは?

まずこの「心」と訳されてる「citta(チッタ)」。

ヨーガ・スートラは4世紀頃に編纂されたと考えられています。
そしてインド哲学のサーンキャ哲学ともつながりがあります。

このチッタは現代の私たちが捉える「心」ではありません。

チッタ(心)は

*ブッディ(覚/知性ー高尚な英知)
*アハンカーラ(自我意識)
*マナス(意識)

はこの3つの総称なのです。

この3つの働きを死滅させるのがYogaなのです。

だんだん難しくなってきましたね!

でもあまり気にせず、もし興味があれば

yogaś citta-vṛtti-nirodhaḥ
【ヨーガは心の働きを死滅させることである】

という一節を覚え下さい。

そしてそれはどういうことなのか思いを巡らせてみて下さいね✨

なぜ心の働きを止めなければならないんでしょう?
興味深くありませんか?😊


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