コンテンツ王者アプリから学ぶパーソナライズオンボーディング
こんにちは、みそしるすするです。
耳で楽しむ読書アプリ「audiobook.jp」でプロダクトマネージャーをしています。
新卒1年目で右も左もわからぬままプロダクト作りに携わることになり、まず最初は自社プロダクトの仕様把握とユーザー理解、SQL学習に全振りし、徐々に他社・競合調査と機能開発の割合が増えていくような一年でした。
競合調査ってひたすらアプリをインストールして無限にスクショを撮ってfigmaにまとめて分類・考察する作業なのですが、プロダクトチームのほんの内内で参照されるだけであまり日の目を見ないのは勿体無いないと思い、せっかくなのでnoteに書き起こしたのがこちらの記事です。
様々なスマホアプリ開発に携わる方のお役に、少しでも立てれば幸いです🤟
パーソナライズオンボーディングとは
ちなみに、「パーソナライズ」とよく混同して使われる言葉に「カスタマイズ」があります。
「カスタマイズ」とはテーマの色や音楽を変えたりとユーザーが行う自己最適化のことで、ユーザーが提示する情報によってアプリ側で勝手に最適化するものを「パーソナライズ」と呼ぶそうです。
今回は下記3種類の中で誰もが知っている王道アプリを上から順に紹介していきます!
・動画・コンテンツアプリ
・SNS・情報収集アプリ
・音楽アプリ
※2021年10月頃に調査した内容なので閲覧時期によっては古い情報の可能性があります、ご容赦ください。
#01 Netflix
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
今回調査した中で、なんとあのNetflixがどこよりも一番シンプルな作りで個人的には驚きでした。
パーソナライズ画面で選択した作品をただただマイリストにつっこむだけで、選択した作品をもとにホーム画面でリコメンドしている様子はなくランキング上位の人気作品を手前に持ってきている印象。
オンボーディングで選んだ作品がファーストビューに入るのでそこから視聴再生させるのが狙いなのでしょうか🤫
#02 Abema
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
Abemaは作品単品ではなくざっくりジャンルごとで選ばせる点と、パーソナライズ画面での選択順を重視している点が特徴。
#03 TED
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
ある程度英語がわかる前提。この後のSNS系と系統は似ている。
#04 Twitter
オンボーディングの流れ(長っ)
パーソナライズ設定
ホーム着地後
Twitterでは「初日に5人以上フォローしたユーザーが高い割合で継続している」ことがわかっているので、オンボーディングでいかにアカウントフォローさせるかが勝負。だいぶ強めのフォロー誘導をかけてくる。
#05 TikTok
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
コンテンツのリコメンド精度向上と、ユーザーのスワイプの動作習得を同時に叶えられる神設計。ちなみに選んでいないカテゴリーだけど、JKダンスなどTikTokと言えばコレ的な人気動画もたくさん出てくる。
#06 Pinterest
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
選択後のチューニング動画が他よりも凝っている印象。
一方でカスタマイズ完了までに多少時間がかかる。ホーム着地すぐは無関係なコンテンツが表示され、1分ぐらいしてホームが更新されると選んだジャンルのコンテンツが表示される。
#07 Spotify
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
パーソナライズ画面で「検索」ができたのは唯一Spotifyだけ。アーティストを選んだあと、「センスがいいですね!」と褒めてくれるのも選択内容に関係なく全員に出ているのがわかっていても嬉しい。ホームに着地してすぐ好きなアーティストの曲が聴ける。
決して短くないオンボーディングなんだけど、ユーザーの心を動かしてめんどくささを感じさせないUX設計になっていてすごい。
#08 Youtube Music
オンボーディングの流れ
パーソナライズ設定
ホーム着地後
Spotifyとオンボーディングでいい勝負をしているのがYoutube Music。Youtubeの派生アプリという強みを活かして、Youtubeの再生履歴をもとにパーソナライズ画面をすでにパーソナライズしてくれている。(ずるい)
もう一つ驚いたのが、パーソナライズ画面であるアーティストを1人選ぶと、似た系統の別のアーティストの選択肢が連動してその下に展開すること。Adoを選ぶとその下にパパパっと他の歌い手さんが出てきます。
いや、アルゴリズム優秀すぎかて…
おわりに
以上の通り、コンテンツでユーザーを引き寄せるタイプのアプリはパーソナライズ型が多いですね。ただし、パーソナライズ型が必ずしも最強の解決手段というわけではないです。
ユーザーが選択画面で適当にポチポチするするケースもありうるのでユーザーの意思・協力に最終委ねられるところが大きかったり、たとえ真剣に選んでくれたとしてもユーザーの答えに基づいて最適なコンテンツをレコメンドするアルゴリズムを作るには長期的な開発が必要になり、コンテンツは増え続けるので終わりがないからです。
とはいえ、初期ユーザーの利用定着に一定の割合で成功しているので、弊アプリでも来年から導入を検討中です。アプリを使い始めてくれたユーザーが労力をかけずとも、興味・関心にあったコンテンツと容易に出会えてスムーズに聴け始められるようにしたい、と思っています💪
最後に
ただいま日本最大のオーディオブックサービスを運営しているオトバンクでは一緒にはたらく仲間を大大大募集中です!
書籍や音声コンテンツにもしご興味があれば、こちらの記事もちらっとのぞいてみて頂けるととっても嬉しいです🙏
ここまでお読みいただきありがとうございました!