『Hollow Knight』繰り返しの果てに、辿り着く【ゲーム感想】
「Hollow Knight/ホロウナイト」をクリアしました!Switch版です。
前半は大きなネタバレ無し、後半は完全にネタバレありです。
ゲーム概要
かつて存在したムシ達の王国、「ハロウネスト」が滅んだ後の世界を冒険して、他のムシたちとも交流しながら、王国の秘密を知っていく、2Dアクションゲーム。
2Dアクションゲームとしては高難易度寄りで、いわゆる死にゲーに近い。アクションゲームがかなり苦手な人はクリアするのが難しいかもしれない。
ストーリー要素もきちんとあり、滅んだ後ではあるが少数存在するユニークなムシ達も魅力的で、世界観への没入感を深めてくれる。
ゲーム総評(大きなネタバレ無し)
クリア時間
クリア時間は約44時間。
攻略見ずにやり込み要素系も結構やってこの時間なので、クリアだけなら20~30時間ぐらいじゃないだろうか。
ゲームシステム
2D探索系アクションゲームで、いわゆるメトロイドヴァニアとも称されるゲームシステム。最初の基本操作は移動、近接攻撃、ジャンプ。
ライフ制で、敵に攻撃されたりしてライフが0になると死んで休憩ポイントに戻される。死に場所に戻れるとペナルティは無いが、その前に死んでしまうと所持金をすべて失う。
敵を倒すと手に入る「ソウル」でライフは回復可能。そのため普段の雑魚戦などでは死ぬところまでは行かない印象。もちろん難所では死にまくる。
また、「チャーム」という装備品みたいなものがあり、主人公の能力を上げられる。どのチャームを付けるかで戦略も変わるので、「負けたから次はこのチャームに付け替えてみよう」といったように、アクション技術以外の試行錯誤によって強敵を倒すことも可能である。
基本的に次はどこへ行けばいいか、など目的地を具体的に示される事は少ないので、プレイヤー自身が行けそうだと思うところをどんどん進む感じになると思う。
たまに詰まる事があるかもしれないが、メインストーリーに関係ない隠し要素もふんだんにあるので、探索自体を楽しみながら気ままに進めよう。
世界観
基本的に滅んだ王国跡地を冒険することになるので、全体としてなんとも冷たく、静かな空気が漂っている。
とはいえ色んなエリアがあるので、安らぐ場所、恐怖、気持ち悪さを感じる場所などもある。
また、冒険の途中で出会うムシ達とは会話できたりするので、寂しすぎることも無い。あとホロウナイトのデザインとても好き。デフォルメされているのでムシが苦手でも受け入れやすいと思う。
また、メインストーリーに関しては、少しずつ物語の輪郭が見えていくのが楽しい。
王国でかつて何が起きたのか?様々なことが分かっていくうちに、知らなかった頃とは違う目線で世界やキャラの事を見るようになり、ホロウナイトの世界により入り込むことができるようになる。
総評
デザインが好きだったり、退廃的な雰囲気だったり、やりごたえのあるゲームだったりを求めている人には是非チャレンジしてみてほしい。
アクションは難しく、ほぼ死ぬ事間違いなしだが、根気があればクリアぐらいはできるんじゃないだろうか、多分。何度も死んでを繰り返し、進んでいくゲームな事は前提にしておこう。
高難易度だが基本は段階的に難しくなる感じなので、最序盤で難しすぎて心折れる、とかはなりにくいとは思う。
それに、難易度高く感じるほどクリアできた時の達成感はすごい!私はこれがやみつきになってハマってしまった感は否めない。ホロウナイトって気持ちいい(?)
前から存在は知っていたけど、プレイして本当によかった!ホロウナイト楽しい、ありがとう!続編も制作中らしいから楽しみにしてます!
ネタバレあり感想
ここからは完全にネタバレありの感想です。エンディングは「封印された血族」「夢の果てに」を見て、グリムは追放ルートになりました。クリア時%は104%でした。
苦労、苦戦したところ
苦労した場所やボスを書きだそうと思ったらかなり多かった。のでより印象に残った系をなるべく書くことにします。それでも多い…基本時系列順のはず。
・ソウルの魔術師
ボスとして出る魔術師ではなく、道中の雑魚として複数出る魔術師に苦戦した。HP高いしこっちの攻撃は当たらないし相手の攻撃は避けられないしで初めて所持金全部失った。
・カマキリの王
忠告をちゃんと聞いて釘強化してから挑んだ。ボスで初めて苦戦した記憶がある。2体になってからが特に。今考えるとカマキリの王は動き分かりやすい寄りで戦いやすいボスだったのかもな…倒した後カマキリたちがお辞儀してくれるのがうれしい。
・暗闇の巣
カマキリの王倒してそのまま進んだ。暗いし変な音するしで怖いよ~と思いながら進んでいた。一回ランタンを買ってから安息の地とかも行って再度進んだ気がする。
↑仮面のところに辿り着く前に落ちて戻る最中に死んで絶望した。遠いし死なない自信が無く、地上に戻るのも難しそうだったので。でもこの時は何とか死なずにカゲを回収できた。
仮面の守護者とは戦うものだと思ってて、急いで攻撃してたけどそんな必要は全然なかったし、夢見の釘でセリフを聞くべきだったな…
・メナシ
戦うまでの道のりが長いのもあって苦労した記憶。ステージにトゲあるの嫌!最終相手が良い位置に来るのを待って倒す形になった。
・失望の王者
ボスの中だと一番苦労したかも…2、3時間くらい戦った気がする。水晶山の存在に気付かず詰まっていた時に見つけた。釘は3段階目くらいまでは強化していたと思うが苦戦した。2ダメージ入るの辛い。この辺からやっとチャーム構成について考えるようになった。高速切り強い!
・闘技場2戦目
空中戦パートがあまりにも辛い。ここをクリア出来たら残りは意外と何とかなった気がする。普段からソウルは回復用としてしか使ってなかったので回復封じ辛すぎた。敵の上に回って下攻撃、を繰り返してたまたま突破できた気がする。
終盤でやった闘技場の3戦目の空中戦はもっと長かったけど統治者の翼、影の衣、ハイヴの血がある状態でやったら意外と楽だった。
・水晶の塚
やっと水晶山を見つけて進んでいたら所持金ロストの危機に。トゲとかのアスレで難しいゾーンってソウルもたまらないから、一番ひやひやするかも。2回目死ぬ前になんとか回収できて事なきを得た。
・グリム
普通に強い。上から下に行く攻撃と、下から上に行く攻撃を避けるのになかなか慣れなかった。とりあえず動いちゃう癖があるから,下から上の攻撃当たりに行ってしまうんすよね…相手のパターンを見て動けると普通に倒せる相手ではありそう。
・失われし同胞
周りのカンセンフーセンがとにかくウザいし強い。こいつさえいなければ回復チャンスもっと多いだろうにな~!
倒した後無言で礼をするのがね…安らかに眠れ。夢見の釘で戦うやつらは心情がダイレクトに分かるのが多いから胸に来る。
・霧の渓谷
グリムの子と紡ぐ者の歌両方つけていくという最悪チャーム構成にしていたがために大変なことになった。普段はせいぜいグリムの子ぐらいしかつけていなかったのに…ロストしたけどジオをそんなに持っていなかったので痛くなかった。
未だにウーマの安全な倒し方が分かっていない。
・造反者の長
基本リーチ長くて攻撃よけにくい。強い。2ダメージなのも強い。うまくやったら勝てそうだなという気はとてもするのに、うまくやるのが難しいから強い、そんな感じだった。
クロースが共闘してくれて最後相打ちになるのはびっくりした。共闘してくれたのは熱いし嬉しかったけど死ぬのはやはり悲しい…相打ちシーンはかっこよかったけども!本人は満足そうなのがまだよかったかな。
・恐るべき~強靭なるゾート
よく捕まってて闘技場でも雑魚(特定の場では本当に強かったり…!?と少しでも期待したのが馬鹿だった)で私が助けたブレッタとなぜかいい感じになっている自称最強野郎が夢の中だと本当に強くなっていて、ムカつく。
そしてまだ一回しか倒してないけど、何回倒さなければいけないんだ…なんなんだこいつは。
ブレッタが若干引き始めているのが救いか。
・白い宮殿
一番心が折れそうになった。4時間以上かかった気がする。死ぬとベンチからやり直しだし、いつまで続くのか、終わりが分からないのが苦しすぎた。幼虫の歌に感謝。
「助けて」とか「もう殺してくれ」とか「私が悪いのか!?」とか意味不明な独り言や奇声、笑い声をあげるようになっていた。人はストレスを感じすぎるとおかしくなる。
これに限らないけどホロウナイトでの口癖は「下手すぎる!」だった。プレイしているとよく自分の腕前が愚かしく感じる。
なんとかクリアして王の器の性能にウキウキしていたらすぐ虚無の心になってしょんぼりした。
ハイヴの血の存在を後に知り、また少ししょんぼりした。
でも、クリアできて自信ついたから、いいんだ。いいんだ…
・神の家1個目
連戦でHP継続なのも辛いけど、とにかく最後のオロ&メイトーが強い!複数相手だと慣れるまでやっぱり苦戦する…
釘師と戦えるのも、今は仲たがいしている二人が共闘してるのも熱いけど!一人ずつ戦うのもありだと思います。
・ハイヴ
見つけるのに3時間くらいかかった気がする。ハイヴリングが飛んでいるところや周辺を探し回っていたが全然見つからず、なんとなくトゲジャンプをしてみたら壊せる壁を発見した。
内部は終盤だったこともありそんなに苦労しなかった。
・ラディアンス
ホロウナイトとの連戦なのが少し面倒だが、ライフが回復するのでそれ自体はそこまで苦でもなかった。
回復チャンスは無いものとみて、初めてソウル攻撃を積極的に使うようにした。横からの剣とエレキボールみたいなのが苦手。あとやっぱり全部2ダメージ攻撃なのが辛すぎる。
攻撃自体はあまり早くないのが多いからなんとか倒せた。最後に虚無たちが集まってくれるの熱い。
ストーリーや印象に残ったこと
・スタグ
いつもお世話になっております。スタグの巣に辿り着いたとき、「最後のスタグ」から「老いたスタグ」に名前が変わるのたまらん!王国は滅びたかもしれないけど、なにも終わってなどいない。
冒険に最後まで付き合ってくれてありがとう!
・スライ
釘師たちの師匠って道具屋のムシだったの!?と見事に驚いた。夢見で、お前らどこかで元気にやっててくれよ…みたいなことを言っていたのでかつての仲間を思ってるんだな~ぐらいには思っていたがこれは釘師3兄弟のことだったのか…
釘師たちの昔の話も気になるな。
・マイラ
交叉路が汚染されてから水晶山に続く道に入ったため、汚染されていない状態のマイラを知りませんでした(クリア後に調べて分かった)。
ごめん……2週目、やるか。
・ストーリー周り
かつてはラディアンスが神として存在し、先見者たちの一族を生み出していたのもラディアンスだったけど、ウィルムが王として君臨してからはラディアンスは忘れ去られた。先見者が言っていた一族の罪、とは多分この事だろうな。
でもラディアンスもそれから夢から干渉し続けた。汚染されたムシがよく言う「光」、とはラディアンスの事で、汚染の原因だよね。
ウィルム側もラディアンスに対抗して、ラディアンスをホロウナイトで封印し、さらにホロウナイト自体も守護者によって封印することで汚染を防ごうとした。ホロウナイトってどういう意味かと思ってたけど、何かを入れるための空洞ってことだったんやねー…
主人公もホロウナイトの同胞で、作られた器の一人。だからホロウナイトの代替わりもできる。「封印された血族」エンドだと来てくれたホーネットさんをガン無視した上に二人とも封印されて最悪だった。
「夢の果てに」エンドだと主人公が虚無によってラディアンスを飲み込み、犠牲の連鎖を終わらせる。同胞たちが手伝ってくれて本当に熱かった。犠牲となったものは戻らないけど、もう誰も繰り返さなくていい。やっとハロウネストは終わることができる。
主人公はこの後は実体のない神的存在になったのかなぁ。主人公が虚無、闇でラスボスが光なの良い。光を飲み込んで終わらせる、ここだけだとラスボス側っぽいね。
あとホーネットさんは獣者と王の子供…?封印の犠牲になる代わりにご褒美として貰ったっぽい。助産師って名前のムシが比喩ではなく本当に助産師である事実に驚いた。
グリム巡業団もなんだかホロウナイトの構造と似てる感じがした。炎を体に集め、また次代がその役割を負う。団長は犠牲になり続けている…ブラムが望むように追放ルートにしたけど、きっとこれで良かったのだろう。新しく来たニムはブラムに似ている…同一人物?
終わりに
現状だとストーリー解釈はこんな感じ。ストーリー周りでは基本切ない気分になりながらプレイしていた。でも救いのあるエンドでよかったな〜。
まだまだ回収していない要素や神の家とかのチャレンジも残っているから楽しみたい!2週目もいつかやる。
アクションそんなにやる訳でもないし(高難易度だとCelesteぐらい、これも面白かった)、始める前はこんなにハマるとは思わなかった...ホロウナイトは最高のゲーム!