境界線
※文章の音声化についてはこちらをお読みください。
https://note.mu/misora_umitosora/n/nc76e754673e5
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あなたがどんな気持ちでこの境界線を超えたのか、私は知らない。
知っているのは残された者の絶望感。
何もできなかった者の無力感。
埋められない喪失感。
残された者達の涙と声にならない痛み。
どんなに時間が経っても血を流す心。
そして私の前にも時々境界線は現れる。
その先にあるものは何か。
この境界線を超えることの意味を考える。
何度も何度も、同じ結論に辿り着く。
私はもう残された者の気持ちを知っているから、この境界線は超えられない。
私を大切に思ってくれる人達にあの痛みを押し付けることはできない。
どんなにボロボロになっても目を背けたくなるような状況でも、きっと踏み留まる。
それはあなたが私に教えてくれたこと。
そちらはどうですか?
あなたの求めていたものは見つかりましたか?
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