無理は禁物 産前ボケ
出産する場所が決まって、アポを取ったらもうあとは流れに身を任せるだけ。唯一産むまでわからなかったのは出産のときの状態。どんなお産にしたい?って助産院でも聞かれたけど、”スッポーン”って産みたい、としか思ってなかった。そのほかはもう身を任せ言われた通り出産準備を行った。どんなことをやったかは今度書くとして、今回は知識・準備不足により後悔を生むこととなった”出産前の産前ボケ”について書くこととする。
産前ボケ
まず初めに産休について。”産休”は2つある。産前休暇と産後休暇。産前は6週間から、産後は8週間。産後休暇がマストなのに対し産前休暇は任意。私はこの”任意”っていう言葉に対し変なプライドを持ってしまった。
産前6週間前というと34週。おなかはかなり大きくなっていて、そのせいで体の節々が痛くなる。子宮に圧迫されて頻尿になったり、人によっては食欲不振になる。ここであまり体力的に無理すると切迫早産になってしまう。
私はというと、事務職、かつコロナ禍により在宅勤務が推進されていたので体力的にはあまり無理を強いられることはなかった。経過もいたって良好。大丈夫大丈夫、と言い張り産前休暇は5週間前くらいからとった。6週間前からとらず、少し遅めに休みに入ったのは若手だから、という意地だったんだと思う。このことを後で後悔した。
休暇前1か月の段階でも引継ぎ相手が決まっておらず、業務もなんなら増えていた。増えていく業務にイライラしてはいたが体的には大丈夫だった。しかし自分では気づいていなかったがもうすっかり産前ボケは進行していたのだ。今思うと、目の前に大きな休暇があるというだけで業務への集中力が落ちており、加えて仕事中に感じる胎動や、日々の身体の変化に頭が興奮状態(?)になっていたのだ。
そのため、産前休暇に入るちょうど1週間前に、いつもならしでかさないような大きなミスをした。いつもなら課長以上に上げるようなお客からの内容を、先輩からの「大丈夫じゃない?」という言葉だけを頼りに放置してしまったのだ。なんで上に上げなかったのか、今となっては自分でも不思議だが、当時は「そっか、大丈夫か、いっか」とボケボケと思ってしまったのだ。
残りの1週間で収拾できるはずもなく、大きな後悔の念と溜まり切った疲労感を背負いながら産前休暇に入った。そのあとそのミスがどうなったかは知らない。というよりもわからない。おそらく後始末を後継の人がしたのだろう。
本当に申し訳ないと今でも思う。し、産前というのは自分が思っている以上に大丈夫ではなかったのだと感じた。おそらく産前休暇の“6”週間というのは、妊婦の身体のみならず脳の働きにおいても意味がある数字であり、出産に向けて心身共に休むべき期間なのである。集中力が限界なのだ。
産前は早々に根を上げ周囲に協力を仰ぎ、産前休暇は6週間しっかりととるべきだった、と深く反省した。取れるのであれば早めに休暇に入り、ボケボケしておくことをお勧めする。また、産休を控える同僚がいる人は彼女の「大丈夫」を信用せずメール電話一つ一つを注視しておいたほうがよい(かもしれない)。