ハンターハンター404話考察 - クラピカ先生、大活躍
連載再開からしばらく続いていた、王位継承戦が一区切り。
404話はそんな展開になりました。
今回は次のトピックから、ハンターハンター404話をより深く読み込んでいきます!
ハルケンブルグの能力詳細と、次の一手
クラピカの推論から学ぼう!
1. ハルケンブルグの能力詳細と、次の一手
能力が初登場した382話から、3年弱。
いよいよ秀才王子の能力の詳細が明らかになりました。
…なりました?
「むず過ぎ〜〜〜〜〜!!!」
読んでいて心の声が飛び出ましたが、兎も角。
次のことが明かされます。
ハルケンブルグの能力は、矢になった者と標的の、肉体と人格を入れ替えること
例:
矢になった人:ハルオが、標的:ミル子を射抜くと…
ハルオ(ミル子)、ミル子(ハル男)になる
→肉体(人格)で表記
矢になったものが覚醒している間、標的は失神している
ミル子(ハル男)が活動している限り、ハルオ(ミル子)は活動停止
それぞれの肉体が死ぬと、次の状態になる:404話での①、②の説明
ハルオ(ミル子)が死ぬと、ミル子(ミル子+ハル男)になる
ミル子が覚醒している場合、ハル男は活動停止
ミル子(ハル男)が死ぬと、「気高く尊い犠牲」になる
おそらく、ハル男(ミル子+ハル男)になる
重要な結論は、こうです。
404話最終幕でのハルケンブルグの肉体の死亡によって、
バルサミルコの肉体に、バルサミルコとハルケンブルグの人格が同居する状態になるということ。
人格表出の優先権が、バルサミルコにある状態で。
ハルケンブルグはそんな状態で、ベンジャミンに状況を悟られないように行動し、王になるための手を打っていく必要があります。
…無理ゲーすぎーーーーーーーぃ!!
長く続けられる状況ではないとは、本人も自覚の上。
睡眠薬を服用して主人格を眠らせる作戦を打っていますが、今後9時間以内に、バルサミルコの肉体の主導権は、バルサミルコ本人へと戻ってしまいます。
残された一刻。王位継承戦勝利に向けてのハルケンブルグの次なる作戦は、
ベンジャミンを暗殺する
ベンジャミンに乗り移る
バルサミルコかベンジャミンを懐柔して、共闘へと向かう
の、いずれかでしょうか?
まず、暗殺は分かりやすいです。
最難関である、「敵の懐に潜り込む」は達成されました。
ハルケンブルグが意識を失うまでに暗殺をなせるかは疑問ですが、目的に対してはストレートな選択です。
とはいえ、ベンジャミンを暗殺したから何なのか?
それが疑問。
ハルケンブルグの乗り移り先は、ベンジャミンの側近。ベンジャミンが死んでしまえば、バルサミルコ(ハルケンブルグ)は格段に動きづらくなるに違いない。ボスが退場したのなら、その部下も退場することが自然です。
なので、
「継承戦の最後の1人」を目指すなら、ベンジャミンを殺すよりも利用する方がいい。
利用するとはすなわち、乗り移るor共闘する。
乗り移るためのハードルは多いです。
どうやって彼の信奉者とコンタクトを取り、バルサミルコの身体という不自然な状況で、能力発動の前提条件: 鳴動を発動させるのか。
仲間たちとコンタクトを取るのも難しいですが、乗り移りの実現は尚難しい。ベンジャミンの近くで、モロバレになる鳴動を発動すれば、生き残りが知れ渡ります。その上で、警戒只中にあるベンジャミンを射抜くことは至難です。
ならば、
ベンジャミンと共闘を持ちかけるのはどうか?
いずれにせよバルサミルコの乗っ取りがバレるのなら、バレた上での一時的な安全を確保することが必要では。
「命乞いなど最も嫌う行為」というのがバルサミルコの評ですが、ともに王になる事を目指すのであれば、あるいは、正当な利を示せるのであれば、兄と弟とで勝利に向かう選択肢もあるのではないか。
そんなことを夢想します。
2. クラピカの推論から学ぼう!
先週、こんな予想をしました。
「第二回念講習会では、クラピカは呪殺を身構えていないので圧倒的不利」。
しかし、今週でしっかりカミーラ陣営への警戒を持てています。
すげぇ!
(まぁ、マンガだからと言えばそれまでだけど…)
どのような行動をしたか、だけでなく、
ある行動をした/しなかったことそれ自体からも、推論は行うことができる。
今回、複雑怪奇なハルケンブルグの能力が明らかになりましたが、これも次のコマに注目していれば、正しく予測が出来たのではないか。
標的の肉体を自殺させた後、矢になった肉体の人格を確認する場面。
この時、人格が「戻る」か「入れ替わっている」かの2択になっていたわけですが、作者があえてこの場面を書いた意図に想いを馳せるなら、より展開が複雑化する「入れ替わっている」の可能性が高いと考えることができたのではないか。
もちろんどうとでも取れるわけですが、クラピカ達が作中で行っている推論はそういうこと。
様々な選択肢がたゆとう中で、作為の背景に思いを馳せ、より高い可能性を探っていく。
ヒリつきます。
『HUNTER×HUNTER』という作品の何が面白いかって、
こうした、何がどう転ぶか、予測できなさそうで予測できる、そしてやっぱり予想できない独特のバランス感に、理由のひとつがあるように思います。
それは全くの無軌道でもないし、プロットアーマーに守られた一本道でもない。
社会学者のロジェ・カイヨワは、遊びとは、競争・偶然・模倣・めまいで構成されるとしました。『HUNTER×HUNTER』の、緻密で、一瞬の判断ミスで情景が変わる展開は、凡百の少年漫画には無い"めまい"の感覚を味わえます。
王位継承編は、とりわけそれが強い。
だから毎週、楽しみに読んでしまいます。
来週は、王子達の上位層での争いから、マフィアと旅団の下位層への争いへと場面が移って行きそうです。
広げられていく展開がどのように収斂へ向かうか。
来週も楽しみです!
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最後までご覧いただきありがとうございました!
ぽけーっと読んでいても楽しい漫画は、アクションや恋愛ものですが、本作のように色々と考えを巡らせられる作品もときにはいいものです。
というか、そういう作品は滅多に出会えないので、毎週最新話が追加されていく今の環境は嬉しい限り。
寝不足になりがちですが、連載期間中はしっかり楽しませてもらおうと思います!
ふだんは毎週水曜日、世界を広げるために記事を書いています。
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どうぞ、また次回!