見出し画像

ハンターハンター考察408話 | より暗き運命の子

…これ、少年誌?

もちろん、ジャンプはコロコロコミックではないわけですが、結構重い話になってきました。

悪くない…!

少年少女に、世界の残酷さを、人間の残酷さを知ってもらうのは悪くない!
ポップカルチャーは暴力や性をポップに描きがちですが、それらの危険な一面を理解してもらえるのは悪くないと思います!!(ダークサイド堕ち)

私の道徳観念はそこまで高くないので、展開が暗くても明るくてもどっちでもいいです。
作品としての重みがあれば、それでいい。
作品に然るべき重みがなければ、その読書経験は人生に残りません。
私にとって重要なのは、作品の色ではなく重さです(ダークサイド堕ち)。

はい。
今回は、次のトピックから振り返っていきます。

  1. 戒厳令の、ありうるすべての、可能性

  2. カキンの何が悪いのか

1. 戒厳令の、ありうるすべての、可能性

今回も続きが気になる終わりでした。
毎週毎週、よくぞこうも波乱を起こせるもんだ。

BW号の水面下で膨らんでいた様々なリスク。
緊急コールの原因は、どれだったのでしょうか?

どこでコールされた?

BW号は、第二層を境として、上層/下層に分かれます。
これらの世界は全く別です。
特殊戒厳令の発生理由には、次の3つのパターンがあります。

  1. 王位継承戦に関連して、上層で緊急事態が発生した

  2. マフィアの騒動などに関連して、下層で緊急事態が発生した

  3. 謎の大嵐や巨大海洋生物など、船全体の運航に関して緊急事態が発生した

1である場合、「誰が」はかなり絞られます。
国王軍顧問である第1王子ベンジャミン。彼を差し置いて、戒厳令は飛ばせないはずです。

バルサミルコに乗り移ったハルケンブルグが戒厳令を飛ばした!。そんな考えもあるかもしれません。不可能ではないにせよ、考えづらいと思います。
例えば戦争を始める場合、「大統領がそう言ってました!」で戦争を始められるわけがない。厳格な本人確認があって然るべきです。バルサミルコが「第1王子が戒厳令だせって言ってました!」で緊急事態コールがされるわけがないと思います。
ハルケンブルグがベンジャミンに乗り移ればええやん!。でも衆人監視の中で、自らの支持者を集めて鳴動起こしてベンジャミンに矢を当てるのは、もっと激ムズです。これもあり得ないと思う。

では、こういう例外はどうでしょう?
「第1王子が暗殺された」。
とんでもない緊急事態です。
バルサミルコ(ハルケンブルグ)がうまくやっていれば、毒殺などはあり得る事態です。

ただ、これも線としては薄い気がします。
何故なら、ホイコーロ王自身が王子達の暗殺合戦を主宰しているから。
第1王子:軍事顧問が暗殺されたら、国家としてはとんでもなくヤバいです。しかしホイコーロ王は「まだ慌てる時間じゃない」と落ち着かせると思います。そうでもないと、継承戦は出来レース。
王子の死亡や襲撃では、戒厳令にはならないと思います。

そもそも、第一層で(王子同士で)事件が発生したとして、それを下層の行動制限にまで発展させるでしょうか?

「上層がヤバいのでみんな大人しくしてね〜!」
と伝えられたら、私が乗客だったらめっちゃ不安になります。
警備が上層に集中するなら、下層で事件を起こし易くなる!犯罪者ならそう考えます。
治安維持をしたいなら、いっそ隠しておくべきです。

なので、私としては、王子関連で問題が発生しての「特殊戒厳令」ではないと思います。

同じ理由で、「3:船の運行で問題が発生した場合」も可能性は低いはず。
船のエンジンがぶっ壊れたとか、運航の困難が発生したとかがあったとて、乗客に伝えても問題は解決しません。


この緊急コールの原因が、下層でのイベントにあると仮定します。
どんなヤバい事態が起これば、戒厳令になるでしょう?
下層にいるキーパーソンは以下の通り。彼らを鍵に、戒厳令の原因を考えてみます。

  1. シュウ=ウ組、シャア=ア組たち体制派のマフィア

  2. エイ=イ組構成員たち反対制派のマフィアと、隠されたジョーカー

  3. カキン国王軍と、ボークセンの友達5人組

  4. 幻影旅団

  5. 十二支んと、彼らの監視しているビヨンド

  6. ハルケンブルグの葬儀に参列する人々


①シュウ=ウ組、シャア=ア組たち体制派のマフィア

直近でリンチが殺されたことを知ったシュウ=ウ組は、復讐に燃えてます。
「何があろうと復讐する」。ヒンリギたちの覚悟は固い様子でした。
彼らが、旅団を匿うシャア=ア組を敵とみなし報復に出れば、マフィアvsマフィアの大規模抗争へと発展します。

もちろんヒンリギは賢く、いきなりの襲撃は考えにくいです。
より堅実に、シュウ=ウ組や軍に協力要請をした上で、一緒に旅団の排除へと動いたのかも。
そうなれば、マフィア+軍vs幻影旅団。ヨークシンでの星夜の襲撃再来です。これは文句なく緊急事態。戒厳令やむなし!

ヨークシンでのあの日
:船内ではやめて

②エイ=イ組構成員たち反対制派のマフィアと、隠されたジョーカー

エイ=イ組が戒厳令を発することはあるか?
エイ=イ組は絶賛交渉ゲーム中。相当な緊急事態でないと、自ら戒厳令をコールすることはないでしょうが…。

緊急事態あった!
フィンクスとフェイタンが襲撃しにきてた!

この圧倒的バイオレンスコンビが襲撃しにきているとしたら、エイ=イ組の絶対的ピンチ。ジョーカーが何か明かされていませんでしたが、エイ=イ組のピンチを知らせる為のダミー戒厳令。それが彼らの「ジョーカー(奥の手)」だったのかもしれません!(戒厳令でフィンクスたちが止まるかと言ったら、そんなことなさそうだけども)

③カキン国王軍と、ボークセンの友達5人組

あとは取るに足らない可能性。

戒厳令の実行部隊であるカキン国王軍。
優秀なボークセンの同期達が、ボークセンが軟禁された可能性ありと軍を説得したとします。説明を了承した軍が、エイ=イ組制圧に向け、実力行使に動いた筋はどうでしょう?
一兵卒に対して大げさ過ぎるので、これもまぁ無いかな。

④幻影旅団

何者にも囚われない幻影旅団。
下層に目当てがないと判明すれば、上層侵入に向けて動き出してもおかしくありません。
そうともなれば、軍との対立は明らか。戒厳令発令の条件を満たしたのかも。
…流石に力技すぎるので、もっと静かに侵入すると思います。これも考え辛い。

⑤十二支んと、彼らの監視しているビヨンド

ビヨンドが脱走したら、疑いなく緊急事態です。
ただ、出港してから暗黒大陸まで、予定の半分も行ってません。アクションを起こすにしても、もっとずっと後だと思います。

⑥ハルケンブルグの葬儀に参列する人々

戒厳令発令と言えば、市民の反乱。
追い込まれたハルケンブルグが、逆転の一歩として支持者をクーデーターへ扇動していたらどうか?
…まぁあり得ないですね。あまりに自爆的で、あまりに運任せ。
こんな選択はしないと思います。


戒厳令発令の理由には、ベンジャミンが強硬策に打って出た可能性など、他にも様々あります。
どれか選べと言われたら①だと思いますが、まぁどんな展開もありうる。

来週のエピソードを座して待ちます。


2. カキンの何が悪いのか

今話では、カキン国の、非人道的で非常に徹底された階級社会の一面が明かされました。
いきなり街ごと襲われて、町民は喰いものに、生まれた子どもは死ぬまで再利用される。

私はヒューマニストではないし、架空の世界をコレクトネスで埋めたいとは思いません。
が、それにしても結構に醜悪な国家です。

謝肉祭で産み落とされる、二線者と肉。
「二線者」が祭で王族により産み落とされた者ならば、「肉」は祭を運営する、他の上流階級やマフィアにより産み落とされた者でしょうか。
カキン王家は強権を維持する為、側近にも然るべき益を与えているはずです。その一端が、謝肉祭。国家公認で行われる「暴力の祭典」は、参加する体制派に、邪悪な仲間意識と現状への満足を与えるでしょう。

この暗黒の儀式が、王家のストレス発散のみならず、体制維持の目的もあるとすれば非常に厄介。一度裏社会に手を出せば、簡単には身を引けなくなります。王になる人間が変わっても、制度は維持され続けるでしょう。
モレナが「変わらない」と言うのも納得です。


当面で気になるのは、このカキン国の暗黒面を知った際、部外者であるハンター協会組がどう反応するか。
特に、クラピカ。

突然の集落の蹂躙と言えば、真っ先にクルタ族の過去が思い浮かびます。

第4王子とクルタ族の繋がりはあちこちで匂わされていました。クラピカvs第4王子の構図は、このアークの始まりから設定されていたものです。
しかし、今回で分かったことは、街や人々を蹂躙するのは第4王子だけの習性ではなく、カキン国全体の組織犯罪である可能性。
憎むべき人身売買を、カキン王族は秘密裏に続けています。
そこには、下層民を自分たちと同じ人間とは見做さない、どこまでも深い差別意識がある。

パイロ、および数多の犠牲者を背に

仲間や人生を突如として奪われた過去を持つクラピカ。モレナ。幻影旅団。
彼らが一堂に乗りこむBW号で、カキン国の次代の王は、一体誰と対立していくのでしょうか。



*****


最後までご覧いただきありがとうございました!

もうね。カキンの王位継承が誰になるかより、カキンの制度がどう変わっていくか/変わっていけるのかの方がよほど興味が出てきました。
ボークセンもなー。ツェリ王子の性格を心配するよりも、もっと心配すべきことがあるんじゃないのという気がします。
彼女らの世界観と、現代日本人の世界観はだいぶ異なってあります。ボークセンの視線はあくまでカキン国と自らにあり、カキンに生きる国民の一部が、国の犠牲になることは許容され得る犠牲と考えていそうです。
恐ろしいなー…。

そんな権威主義国家カキンの、生まれ変わりは今後あるのでしょうか?

(そろそろ新しいガイド出せぃ!)


ふだんは毎週水曜日、世界を広げるために記事を書いています。
過去の漫画紹介シリーズはこちら
ハンターハンターシリーズはこちら
シェア、コメント、フォローお気軽に!
よければイイネもお願いします🤲
どうぞ、また次回!

いいなと思ったら応援しよう!

misoichi|ライター📝
本やマンガの購入費用にあてさせていただきます!得たものはnoteでシェアします⚡💡⚡

この記事が参加している募集