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注意欠如のオタク、台灣に行く。(4)2日目、台灣茶に会いに行く編

どうもこんにちは。

今回は茶畑と茶商を訪ねた話。オタクだから好きなことに付いて話しだすと止まらず、14,000文字以上になってしまった…長!せめてと思い写真をたくさん入れたので、移動時間なんかにちょっとずつ読んでいただけたら良いのかも知れない。
物価の参考にわかるものはできるだけ写真のキャプションに金額を書いた。記載が無いものは記憶が吹き飛んでいるものである。(5円単位で切り上げ切り下げあり、レート4.8:2023年4月最終週)

さて、このシリーズはちょっと台灣(以下台湾表記)に行ってみたオタクの記録、その6回目だ。構成の都合、タイトルの数字がずれていて申し訳ない。しかも旅行2日目の話でなおさら気持ちが悪い。

私にとって今回の旅行が初めての台湾で、最初から最後まで自分で手配する海外旅行も初めてだった。後の自分への覚書として残しておこうとnoteを書いている。続き物である。毎度前回と同じような書き出しで申し訳ない。あと毎回予告と実際のタイトルが変わっているが、予定は未定なのでそういうものだと流してほしい。

前回のnoteはこちら。内容は旅行1日目の早朝からLCCの当日欠航で地獄を見て、15時間掛けて台湾にたどり着いた話。

一応、これまでのnoteを読まれていない方に説明だけしておくと、このシリーズに出てくるレギュラー登場人物は私と、旅の同行者のMさんの二人。それから今回はMさんのご友人のZさん(台湾在住/台湾人)も。

以下、いつもの自己紹介なので慣れている人は読み飛ばしても大丈夫。はじめましての人はここからどうぞ。

私の名前は三十と書いて「みそ」と読む。普段は普通にそのへんで働きながら、オタクに精を出す元気があったりなかったりしながら生活している。
ADHD、虐待サヴァイバーで複雑性PTSDの診断持ち、通院投薬治療しながら生活している、どこにでもいる成人である。
「いきなりそんな重めの個人情報出されても…」と思われるだろうが、息をするように注意欠如や思考多動のエピソードが出てくるのではじめに書いておく。
あと、こういう人間はどこにでも(言うとか言わないとか外から見てわかりやすいとかわかりにくいとかは人それぞれだけど)いますよ、既にあなたの隣人ですよ、という気持ちも込めて。

今回は『2日目、台灣茶に会いに行く編』

そもそも中国茶にドハマリしたことがこの旅に出た大きな要因である。中国茶と私の話は機会があればまた書くが、お世話になっているお茶のバイヤーさんから鉄観音茶の話を伺ったことがきっかけで、台湾のお茶にも強く興味を持つようになった。

烏龍茶の一種であるこの茶葉は中国茶・台湾茶の中でも非常にポピュラーなお茶だ。私が中国茶を飲み始めたばかりの2021年頃、日本のいわゆる『量産型台湾風カフェ』で出される台湾茶といえばだいたい鉄観音だった。そして当時の私はそれらの鉄観音を美味しいと思ったことがなかった。

今ならわかるのだけれど、これは例えば廉価スーパーのオリジナルブランドに期待を寄せすぎてしまったのと似たような話で、『カフェの少しおしゃれな飲み物』のキャッチーな価格帯である1ドリンク/600円〜900円と、中国茶・台湾茶の茶葉とは基本的に相性があまり良くない。

超個人的な感覚だが、中国茶葉や台湾茶葉は10g/1,000円以下なら「安いな…」と思ってしまう相場感なのである。(もちろんそれ以下の値段で美味しいお茶もたくさんあるけれど、西洋紅茶や煎茶に比べ日本では流通量自体が少ないため、いずれにせよ見つけ出すハードルは少し高い。)
中国茶・台湾茶は煎を何度も何度も重ねて、香りと味の変化を楽しむ。だから一度に使う茶葉に対し、最終的に飲むお茶の量で換算するとものすごく高いというわけではない。たとえば家で飲む場合、丸一日、10煎以上飲むこともあるぐらいで、そもそも全く茶葉の製法が違うし、前提とされている生活スタイル(楽しみ方)も違うのだ。
(余談だが日本で美味しい中国茶/台湾茶を供する店の価格帯は茶葉にもよるが1ドリンク/1,400〜3,000円ではないだろうか、もちろん茶壺単位で差し湯有りである)
じっくりと時間を掛けてお茶を喫する茶館ではなく、カフェのように回転数を上げて採算を取るスタイルで先の価格帯に納めようとすると、使える茶葉の質も量も美味しいお茶を出すための条件には程遠くなってしまう。
しかも馴染みのある紅茶や日本茶の感覚で淹れると、大抵は美味しくならない。多くは茶葉の量が少なすぎたり、湯温が低すぎたり、一度にたくさん作り置きされて香りが飛んでいたり……そのために、過去わたしが出会った『台湾風カフェメニューの鉄観音茶』は特別美味しいお茶にはなれなかったのだと思う。
その「鉄観音はあんまり……」という悲しき思い込みを覆すお茶に私が出会ったのは、2022年の秋のこと。
中国福建省、安渓の鉄観音。その※秋茶である。

(※秋に収穫された茶葉で作られたお茶のこと。葉の収穫時期によってお茶の味が大きく変わる)

フリージアを思わせる花のような香りと青みや香ばしさのバランスが素晴らしく、香りが華やかだが強すぎないので飲んでいて疲れない。花畑を思わせる香りにびっくりしながらも、中国にも鉄観音があるんですねとビギナー丸出しで尋ねると、バイヤーさんは
「中国と台湾の鉄観音は元々は同じお茶なんだけれど、製法が枝分かれしていて今はもうぜんぜん違う味わいのお茶なんですよ」
と教えて下さった。
「台湾の鉄観音は昔ながらの製法なんです」
とも続けて仰る。

調べてみると福建省の鉄観音が台湾に渡ったことで製法ごと保全され、継承された興味深いケースのようだ。そうなってくるとぜひ台湾の美味しい鉄観音も飲んでみたいではないか。

鉄観音を皮切りにに台湾茶への興味がムクムクと膨らんでゆく。中国茶にハマったばかりで大陸のお茶ばかり飲んでいたけれど、台湾のお茶もまだまだ知らないしどんどん出会いたい……!今回の旅行は初台湾だから台北のみの滞在だけど、猫空だったら近くだし、台北にもお茶の問屋さんはたくさんある。今風のおしゃれなカフェにも興味はあるけれど、それよりも昔ながらの問屋さんとお話したりして茶葉を買いたい!

お茶の話でテンションが上って、前置きが長くなってしまったけど、そんなこんなで台湾旅2日目の目的地を決めた。台湾茶に会いに行くのだ!
もちろん、時間も予算も体力も限られているから実際に脚を運べたのはごく僅かだけれど、台湾茶ビギナーとしてはまずまずなのではと思う。
その、台湾旅2日目の話をしよう。

台北の食堂で朝ごはん

7:00 2日目、前日疲れて早めに眠った私とAさんは朝早めに起床。ふたりとも目覚ましよりも早く起きた。日本と時差が1時間あるのでその影響もあるだろう。
今回私達の宿泊したホテルはパレ・デ・シン
台北駅の目の前、一等地に所在する5つ星のラグジュアリーめなホテルで、エントランスを入るといきなり馬がいる。(サムネ参照)

Mさんのご友人のZさん曰く、台湾の家にはそもそもバスタブ自体がとても少ないらしく、ホテルも言わずもがな。
私たちはふたりともバスタブがどうしても欲しくて、探して探して探しまくってこのホテルに辿り着いた。

パレ・デ・シンのエントランス。回転ドアは停止しておりサイドのドアが開放されていた。入ってすぐのところにコンセルジュが常駐している。
廊下、OO7に出てきそう。

このnoteの(1)と(1.5)の宿泊予約の項目でも書いたが、今回のホテル探しの条件は、広めのバスタブがあってお風呂とトイレがセパレートで窓があり、一泊1万円以下という無茶振り。
実際に掛かった費用は3泊4日で12,000NTD、一人あたり1泊9,600円(レート4.8)だ。なお、これには税金とサービス料15%が含まれているので、宿泊費だけならば8,350円程度になる。嘘でしょ…?

普通に予約すると1泊36,000円ぐらいするホテルなので、執念深く探すことと、ブッキングサイトを比較しまくる事は重要だなと思う。

5つ星とあってバスタブは広く、姿見もクローゼットも大きい。洗面台も使いやすく、ベッドもよく眠れて申し分なかった。
とはいえ一つだけ困ったところがあって、お部屋がとても暗い。めちゃくちゃに暗いのだ。室内にはシーリングライトが殆ど無く、壁に備え付けられた間接照明の最大出力が日本の照明で言うなら30%ぐらいの明るさだった。
目の色素が薄い方に配慮した設計なのか?と考えたりもしたが、後日別の5つ星ホテルに立ち寄った際にもびっくりするほどロビーが暗かったので、台北のラグジュアリー界では暗ければ暗いほど格好いいというトレンドなのかもしれない。しらんけど。

窓側から見た客室。照明はこれでマックス。GoogleMAPのレビューを読むと「いいホテルだけどめちゃくちゃ部屋が暗い」という意見が多数でちょっと笑ってしまった。ちなみに申し出ればスタンドライトを貸してもらえるそう。
トイレとバスエリア、セパレートなのが嬉しい。バスタブがドアを入ってすぐのところにあるユニークな構造。写真左手の暗くなっているところが入口ドア。余談だが、アメニティが全てパクチーの香りでMさんと爆笑した。

そんなわけで、私達はムーディーで美しい洗面台ではなく日光の入る窓辺で台北市内を眺めつつせっせと化粧をし、支度を整えた。
MさんはZさんと日中約束があるので、朝ごはんだけ二人で一緒に食べに行き、その後別れて単独行動、夕方にみんなと夜市で合流する予定だ。
私達のホテルは台北駅の北側に位置していたが、せっかくなので朝ごはんは南側に行ってみよう!ということになった。

8:00 ホテルを出る。台北駅周辺は鉄道とメトロの駅が混在していて、駅を中心に巨大なロータリーのようになっている。そのエリアを通り過ぎ、三越台北店がある駅の南側に移動。朝ごはん系の軽食屋さんしか開店していないのでわかりやすい。
三越の西側のブロックには国家摂影文化中心 台北館という台北の写真や映像文化を中心とした博物館があるのだが、近代建築をリノベーションした建物で興味深かった。調べてみると1930年代に大阪商船という住友財閥系の商船会社の社屋だった建物で、設計は日本人の渡辺節氏だそうだ。

1階にカフェスペースがあるようで、開店時間よりずいぶん前なのにコーヒー豆のものすごくいい香りが付近に漂っていた。次回台湾に行く際には絶対にここのコーヒーは飲みたい。もう香りの時点で絶対に美味しいんだもの。

コーヒーに後ろ髪を惹かれつつ、周囲をウロウロして老蔡水煎包 漢口店という饅頭屋さんを発見。

老蔡水煎包はチェーン店らしく、その後台北のいろんな場所で見かけた。

お店の奥では蒸し器がもくもくと湯気を立てていて、ショーケースには色んな種類の包子Bāozi(肉まん的なフンワリした小麦の皮に餡が入っているおやつ)が並んでいる。ここの包子はほんのりきつね色の焦げ目を付けてあって、それがとても食欲をそそる。
私は韮菜包Jiǔcài bāo(韮まん)と豆浆Dòujiāng(無調整豆乳)を、Mさんは鮮肉包Xiānròu bāo(肉まん)と豆紅Dòu hóng(紅茶の豆乳オレ)を注文。ドリンクはシーリング(タピオカ屋さんなんかでよく見るビニールの蓋)をしてくれるので溢れる心配をせずに持ち歩ける。

買った饅頭をぶらさげつつ、引き続き朝ごはん屋さんを物色。
たくさんのお惣菜が並ぶ8巷口温州大餛飩に入ってみることに。実は出発前にたまたまYouTubeで見ていて気になっていたお店であった。

入り口、正面のカウンターは麺を茹でる鍋が組み込まれていた。

餛飩と言う店名は麺類を指すらしいけれど、ここは台湾式の定食屋さんという感じだ。台北市内には老虎醤温州大餛飩という似た名前のチェーン店があるが、こちらは関係なくて個人のお店のよう。

お店に入っていくと人懐こい笑顔のおじさんがどうする?なにが食べたい?と話しかけてくれる。台湾語、ちゃんと聞き取れていないけど多分そんなかんじ。
入り口すぐのステンレスのカウンターには色とりどりのお惣菜がずらりと並んでいて、おじさんいわく
「この中から好きなおかずを3つ選んで、メインは上のメニューね!」
つまり副菜を好きに選んで、プラスメインの料理を選ぶとご飯がついて来て、定食の完成というわけ。

すばらしきおかずの数々。指差して指定するとおじさんがお皿に盛ってくれる。上にあるのがメインのメニューで、値段はこのおかず付きの価格。

Mさんは焢肉飯Hōng ròu fàn、私は鶏腿飯Jītuǐfànを注文。
焢肉飯は豚の角煮ご飯のことで、有名なルーロー飯と比べると肉がどっしりと大きく豚の角煮に近い。鶏腿飯はいわゆる鶏飯(ほぐした鶏のスープがご飯にかかっているやつ)なのかなと注文してみたら、カリカリに揚げられた大きな鶏腿がドンと出てきた。
せっかく2人いるのでMさんと私はそれぞれ違う三種のお惣菜をチョイス、結果としてお惣菜6品とメイン2品が並ぶ食卓になった。朝からものすごい食べごたえである。

山盛りだがこれはメインではなくて副菜。
上の皿:左からタンとミミガーとパクチーの和え物、ゴーヤの炒め煮、絹さやときのこの和え物
下の皿:ゆばと根菜のあまから煮、練り物の炒めもの、淡竹メンマ
ほろほろ、味しみしみの焢肉。ご飯が進む。110NTD(約530円/レート4.8換算)
噛むと皮がさくさく切れて身はふっくらの鶏腿。骨ごと切ってくれていて、手で持ってかぶりつく。意外とあっさりした塩味で美味しい!140NTD(約670円)

お惣菜は台湾の野菜たっぷり、湯葉や練り物なんかも組み合わさっている。馴染みがある食材や調味料なのに日本とは少し違った味に仕上がっていてとっても美味しい。お米も固めの炊き上げで好み。
私達が食べている間も店の奥ではおばさんが黙々と料理をし続けていて、どんどん新しいお惣菜が繰り出されていく。ホテルのビュッフェで料理が継ぎ足される感覚に近いが、出てくるたびに見たことのない料理で気になってしまう。

食事中、サビ柄のねこちゃんがふらりとやってきて「にゃあん」とご挨拶してくれた。いたずらをしたりご飯を狙ったりはなく、とっても行儀の良いねこちゃんだった。

なかなかの量に二人でヒャアヒャア言いながらも、美味しくてぺろりと完食。最高の朝ごはん。何度でも行きたいお店である。

おじさんに真的好吃啊!謝謝!とお礼を言って店を後にし、北に向かう。
ロータリーの内側にある臺北行旅廣場という公園でちょっと一休みしながら先に買っていた包子を食べることにした。まだ食べるのか?と思うだろうが食べれてしまうのだ。だって、温かいものは温かいうちに食べたほうが美味しいに決まってるし。

包子は直径8cmぐらい。日本のコンビニ肉まんの半分ぐらいの大きさで、薄く伸ばされた皮に餡がぎっしり詰まっている。

左上から時計回りに豆紅(豆乳ティーラテ) 20NTD(約95円)、鮮肉包17NTD(約80円)、
韮菜包17NTD(約80円)、豆浆(無糖豆乳)20NTD(約95円)
上:鮮肉包は皮の薄い肉まんみたいな感じ、Mさんいわく肉汁が小籠包並。
下:韮菜包、野菜の水分を吸わせるために緑豆春雨が入っていて、旨味を吸ってとても美味しい!野菜系の具ではキャベツ炒めが具のタイプもあり、そちらは高麗菜包と言う。

韮菜包の餡はニラと卵炒め。ニラと卵の甘み、シンプルな塩味が美味しい。
この公園内にはちょっとした花畑があったり、(野外なので当たり前だが)鳥の声が絶え間なくて開放感がある。良い小吃である。こちらも難なく完食。

本場の鐵観音茶が飲みたい!

9:40 Mさんと別れて猫空へ。猫空は山の上にあるお茶の産地だ。路線アプリのTransit(前回note参照)で調べ、地下鉄の台北車站(地下鉄台北駅)から動物園站(動物園駅)へ、そこから山頂にある猫空にロープウェイで向かうのだ。

Transitは各交通機関の色分けに従って路線の色も表示されていてわかりやすい。中国語読みの音をカタカナで表記してくれているのも嬉しいポイント。

台北地下鉄構内の導線サインはかなり優秀で、日本と同じく地下鉄も路線ごとに色分けされているので直感的にわかりやすい。乗り換えもあったが迷うことなく30分ほどで郊外の動物園站へ到着した。
動物園站から猫空行きのロープウェイの駅、貓空纜車動物園站へは意外と距離があり、徒歩7分ほどかかった(アプリに3分て書いてあるけど……)これは台北に共通して言えることなのだけれど、日本の駅よりも乗り換えには時間がかかる。駅名に同じ地名が付いていても基本的に乗り換え時間はゆとりを持って考えたほうが良い。新宿とか渋谷とか大阪駅周辺の乗り換え位をイメージしておいたほうが焦らないで済むと思う。
前のnoteにも書いたが、異なる運営会社の路線を乗り継ぐとき、駅と駅に便利な連絡通路は基本的に存在しない。

10:20 ロープウェイ乗り場に着くと大行列だった。脚元までオールクリアーのゴンドラがあるらしく、どうやらそれが大人気らしい。私は普通のゴンドラの列に並んだので10分ちょっとで乗れたと思う。このロープウェイも悠遊カードで精算可能なので、チケットを買わずにいきなり列に並ぶ。改札の直前にチャージポイントが設けられているのでカードの残金がちょっと心配なときも大丈夫。乗車したら猫空駅までは30分弱の空中旅だ。

乗り場手前の改札にタッチパネルがある。
ご当地ゆるキャラでラッピングされたゴンドラ。定員は4名。1人客や2人客の場合自ずと乗り合わせになる。私も相席したが皆途中下車してゆき、山頂にたどり着いたときには貸し切りであった。

30分というといくら景色が風光明媚でも飽きてきそうなものだが、ここのロープウェイはとにかく速かった。ひゅーんと飛ぶように山を上ったり下ったりするのが面白くて、Mさんや日本の友人に写真を送ったりしていたらあっという間に着いてしまった。

猫空駅前、画面正面から左側がメインエリアの様子。目的地の美加茶園は右側方向に下る。

猫空站を降りると茶畑や茶館が立ち並ぶ。にぎやかな駅の表通りはひとまずスルーして、グーグルマップを頼りに目当てのお茶屋を目指す。時々すれ違う人と山挨拶をしたり、日向ぼっこする猫を眺めつつ、草が元気よく生えた細道を下って10分ほどで到着。

11:00 やってきたのは美加茶園さん。今回の旅では、絶対にここでお茶を買おうと決めていた。

美加茶園看板。写真左手に入口がある。
入り口。この細道を山肌沿いに下っていくと販売エリアがある。

「自製自銷」、いわゆる茶園でつくられた茶葉の直売をやっていらっしゃって、冒頭で触れた昔ながらの製法の鉄観音茶、正欉鐵觀音Zhèngcóng tiě guānyīnを作っておられる。
私が美加茶園さんを知ったのは台北ナビの記事だったが、こちらの取材当時とは経営が代替わり(?)している様子。

私が行った時は敷地の一角で製茶のワークショップが開催されていて、親子連れで賑わっていた。(機会があればぜひ参加してみたいがこの日は見送り)多分そういうツアーの団体客なんだと思う。

入り口から販売エリアの道すがらにあるワークショップ用の茶畑。
小さい子でも葉が摘みやすい低木タイプ。

特に予約などもせずにふらっと現れた台湾語も喋れない日本人に、茶園の若いスタッフが「做茶?喝茶」?と聞いてくれる。かろうじで「我想喝茶」とつっかえながら伝えると別棟の飲食エリアに案内された。
私の他には茶園のご家族であろうおじさんがユニフォームを着たままお昼ごはん(ごちそう!)を食べながら台湾ビールを飲んでいるだけ。貸切状態に少し怯みつつも着席し、もちろん鉄観音を頼む。

茶館、ワークショップの団体客のためにテーブルがセッティングされている。(ワークショップ後、ごはんタイムがあるようだった)予約しないで来てしまったので、申し訳ないことをした。画面右側の窓の向こうに写っているのがワークショップ会場。
鉄観音茶、差し湯用のポットを出してくれて自分で手元ができて嬉しい。中国茶は何煎も淹れて味の変化を楽しむので差し湯が必須アイテム。茶海がガラスで水色がよく分かるのも嬉しかった。
鉄観音のクッキーが茶菓子として付いてきていた。しっとりほろほろ系のクッキーで、かなり甘さ控えめ。大好きな味だったけど販売はしていないみたいで残念。この茶壺も可愛かったな……。道具はこの写真の場合、左上から時計回りに茶海(茶を出しておくピッチャー)、茶壺、茶杯。

ここの鉄観音茶は焙煎が効いていて香ばしいのだけど、黒糖や羅漢果のような薄い酸味を孕んだ重たくて甘い香りもする。歩いてお腹も減っていたので、お料理も頼んだ。茶園でしか食べられないであろう茶葉のフライ。
乾燥させた茶葉ではなくて、鉄観音の生の葉をフリットのような衣でさっくりと揚げてある。一人なのだが?という量が容赦なく出てきた。

どっさり大皿で出てきたお茶フライ。敷かれている紙が赤い飾り紙で中華圏だなぁと思った。
添えられていた生の茶葉も試しに食べてみた。肉厚で硬く見えるが噛むと柔らかくて美味しい。苦味やエグみは殆ど感じない、爽やかな味。

広島の『紅葉の天ぷら』というお菓子をご存知だろうか、あれの揚げたてに近いと思う。フライには茶塩が付いてきた。噛むとサクッと割れて、そこからお茶の香りがふわっと喉と鼻に抜けていく。とても美味しくて夢中で食べた。

『お一人さま』という文化は日本独特だよと聞いたことがあるけれど、そのせいもあるのか、来たばかりのときはお店の人もちょっとおっかなびっくりで対応してくれていたと思う。
一人黙々と天ぷらを食べてはお茶を何煎も飲みまくりニヤニヤしていると、そのうちスタッフも「なんだ、ただの茶飲みか」という空気になってきた。中華圏の料理というのは基本的に大人数で囲む前提の量である。さすがに大量のフライを食べ切れずでスタッフに声をかけると「帶回家?(持ち帰り?)」と聞き返してくれた。話が早い。そのまま「我想找茶」と告げると茶葉のメニューを出してくれた。
もちろん、観光客向けのライトなやつである。※特等とまでいかなくても、※頭奨なんかのなんかのちょっと良いお茶を買いたいところだけれど、一見さんで……そもそも台湾茶の超ビギナーだし…と今回は素直に出していただいたメニューの中で一番等級の高い正欉鐵観音を選ぶことにした。台湾語が上手く喋れなくて緊張しすぎて日和ったとも言う。……くやしい。

(※いずれも茶葉のランクの一つ、特等は最上級、頭等は3番目)

茶館の目の前にある製茶所、風通しのよさそうなつくり。
製茶所の床が石タイルで清潔を保ちやすいように工夫されているのが印象的だった。茶館もそうだったが、床はピカピカに磨かれている。

ともあれ欲しかった茶園の正欉鐵観音は手に入れた。旅の目的を一つクリアである。ホクホク顔で、次は飲んだことがない台湾茶を飲みに行こう、と山の反対方向の茶館に向かうことにする。

一旦駅に戻り、山の斜面沿いに建っていて一番景色の良さそうな茶館へ向かう。行ってみると事前にTwitterのフォロワーから教わったお店だった。

画面右が山の峰、左が渓谷。茶館の多くは山肌に沿って建てられている。一つの建物にいくつもの店が入っている。

12:20 やってきたのは四哥の店。なんと看板が日本語と台湾語のハイブリッドである。

哥は中国語で「兄」を指す。これは血縁関係のある兄にも、年長への親愛のこもった敬称としても使われる。直訳すると「4番目の兄さんのお店」になるが、ひょっとしたら四さんというお名前なのかもしれない。そういう名前があるのかはわからないけど……

階段を登って2階から上が四哥の店で、私は3階の客席に通された。
屋根はあるけど窓はない造りで、大きく開けた景色と通り抜ける風が素晴らしい。お昼時だったので団体客が渓谷側の席を埋めており、少し残念に思いながらも山側の席についた。渓谷とは趣が変わるものの、こちらも茶畑を眺めながらお茶が飲める。

ハレーションを起こしまくっているのが渓谷の客席。谷の景色が一望できる。客席に段差を設けているので山側の席からも空がよく見える。
私が座った山側。こちらは茶畑見放題。見えてるものはだいたい茶畑(もしくは茶館)

選んだのは杉林溪Shānlín xī 。ここで初めて知った銘柄で、青みが強くスッとしたお茶という印象。苦味と旨味がしっかりあって、骨があるけれど爽やかなお茶だと感じた。お茶菓子はイチゴ味のポプコーンと烏龍茶のゼリーで、どちらも甘さ控えめで美味しい。
実は飲み終わった後に残った茶葉(小包)を貰える功夫茶のセットを頼んだのだが、お一人様向けの別のセットが運ばれてきたしまった。多分こちらのほうが安くてデザートも付くので気を使ってくれたのだと思う。モヤッ……としたものの、デザートが美味しそうだったのと、あまりにも店の人が忙しそうで殺伐としていたので大人しくそのまま頂くことに。
功夫茶の場合、一般的な中国茶の茶壺の大きさなので容量はおそらく100cc前後なのだが、こちらのセットは運ばれてきた時点で500ccが入っている。茶杯も大きくて400ccは入った。
差し湯はどうしようと思っていると、茶海にお茶を移すや否や店員さんがやってきて容赦なく熱湯を継ぎ足していく。膀胱との熾烈な戦いである。これが噂の台湾茶館無限差し湯か……

茶葉の量よ!これは一煎目の写真なのでまだ開いていないにも関わらずこの量。太っ腹か。そして一度に500ccという豪速球膀胱ストレートアウトである。
お茶ゼリー、絶品だった。ぜひ真似したい。若干カブトムシの気分にもなれる。

台湾のバスで木柵の茶商に向かう

14:30 引き続き茶館巡りをしたいところだが膀胱が敗北し、限界を迎えてしまったので大人しく下山することにした。行ってみたい茶商があったのでロープウェイではなくバスで向かう。
猫空には『わかりやすいバス停』と『わかりにくいバス停』が混在している。この時私が乗りたかった路線のバス停はマップには表示されているものの現地には看板等がなく、正確な停車位置がわからなかった(向かいの車線にはわかりやすいバス停があるのに)。しかたがなく「本当にバス停はここで合ってるのか?」と思いながらもウロウロしながら待って(できるだけ見落とさないように自分から見えるレンジを広げておく必要があった)やってきたバスが停まったところに駆け寄り飛び乗る。
台湾のバスはピンク色で、猫空エリアは山の上なので街中を走るバスよりも一回り小さいバスが運行している。このバスは中央にドアがあり、昇降時に悠遊カードなんかの交通系ICをタッチする。(現金でも精算可能らしいが私はやったことがない)タッチすると乗るときは「上車Shàng chē」降りるときは「下車Xiàchē」と機械が喋るので、次が降車したいバス停!というタイミングでタッチすると運転手が認識してくれる。

山用バス内部。画面真ん中当たりの黄色い機械がタッチパネル。動画を見返していて気がついたが、台湾は右ハンドル、右車線みたい。

実はこのタイミングがくせ者で、日本の感覚で「降りるバス停に着いてから精算タッチしよう」と思っていると落とし穴にはまる。台湾のバスは降車客と乗車客が居ない場合停車せず通り過ぎたりするのだ。中国語や台湾語に明るいなら慌てて声をかけたりできるだろうが、それらに不慣れな場合は要注意。私も危うく降車しそこねた。

15:00 バスで山道を下ってやってきたのは木柵地区にある茶問屋の張協興茶行

張協興茶行入り口、こんなに大きな看板なのに気がつけなくて周りをウロウロしてしまった。
木柵の町並み。近くに大学があるので若い人向けの店もちらほらある。吉野家の看板、台湾でも目立ってて凄いな……

この日対応して下さった女将さんは英語がペラペラで、私はたどたどしい中国語と英語でなんとか台湾の銘柄がほしい旨を伝え、2つの茶葉を試飲をさせてもらえることに。

壁一面の茶缶。この中に直接茶葉が入っているわけではなく、真空保存された個装が入っている。
なんと試飲のために新品の封を切ってくださった!2種ともである。お茶愛を感じて感動してしまった。画面左のメモは価格で、ここは生産地の問屋なのでものすごく安い……

ここでは文山包種茶Wénshān bāozhǒngcháと金宣茶Jīnxuāncháを選択。木柵に来たのに木柵鉄観音じゃないんかい!と突っ込まれそうだけど、鉄観音はもう手に入っているので違うお茶も楽しみたい。金宣茶は最近人気だよと美加茶園のスタッフに聞いて気になっていたのだ。
包種茶は青みがありつつもフラワリーで、金宣茶は爽やかなんだけど奥の方にバターのようなコクと甘みのある香り。金宣茶は後日他の店の茶葉も飲んだがそちらは軽めのミルク香という感じだったので、店によって同じ茶葉でも全く違うなと思う。鉄観音茶のヌガーがあったため、ついついそちらも購入。
「水筒持ってないの?試飲したお茶をいれてあげる!」
と優しい申し出を頂いたが、残念ながら私は持っていなかった。荷物を軽くしようと省いてしまったが、次回は必ず荷物に入れるぞ!お茶を買いに台湾に行くときは絶対水筒を持ち歩くぞ!と心に決める。

試飲用。試飲だけどしっかり3煎ほど飲んだ。
このあと両方購入したが、封を切った茶葉ではなく新品を出してくれた。女将さんも一緒にのんで「うま……」「うまいな……」と言い合う。茶沼は言葉を超える例。

木柵地区を散策し雑貨や茶具の店を探したが、この日はどこも休業で空いているお店がなかった。仕方がなくバスで台北市内に向かう。

木柵の住宅エリアとアグレッシブな植木たち。

ふもとに下りてきたため、ここからバスは普通の大型車だ。
 途中、バスの中で膀胱が再度限界を迎えたため、地下鉄の駅前で飛び降りる。台北の地下鉄は広くてきれいな水洗トイレが整備されているので、トイレに困ったら駅を探すと良い。私も異国の地で人権を失わずにすんだ。

大きい方の市バスの乗口。黄色のところに立つとセンサーが働いてドアが閉まらない。

せっかくなので台北駅の南側からのんびり大統領府の周りを散歩。一度ホテルに戻って散策の汗を流す。

大統領府の裏手のシェアバイクと小黒。羅小黒戦記というアニメーション映画のキャラクターで、私が中華系の文化に興味を持つことになったきっかけ。このフィギュアは日本から持っていった。

寧夏夜市で晩ごはん

17:30 散策が終了したらしいMさんから、一足先に夜市に到着した連絡が入り、慌てて寧夏夜市へ。

まずはMさんとZさんの待つお店でマンゴーかき氷を食べる。「一人では注文しないほうが良い」とZさんが助言してくれて、私とMさんでひとつをシェアすることにした。氷自体に味が付いているタイプで、ラーメン鉢ぐらいの大きさの器にミルクっぽいふわふわの氷、練乳ベースのマンゴーソースとマンゴーの果肉、ミルクプリンが載っている。台湾で食べた甘味はどこも甘さ控えめだったけれど、このマンゴーかき氷はガツンとした甘さ。かき氷を頬張っている間にも夜市にどんどん人が増えていく。

ごろんごろんのマンゴー!確か140NTDぐらい(うろ覚え)

かき氷をやっつけたあと散策しながら晩ごはんを物色。屋台一つ一つは小さくて、リヤカーの上に調理場と看板が組み上がっているような感じ。お店の人が立つ部分と合わせても、たたみ2畳分ぐらいの店舗スペースだ。それらがギュウギュウにひしめき合っていて、その隙間に丸椅子と簡易テーブルが置いてある。(飲食スペースが無いお店もたくさんある)
台北で仕事をしている人は家で料理するよりも外で済ませることが多いという。ここ寧夏夜市も地元のお客さんが多いそうで、近隣で観光客向けの商店を営んでいる人が仕事帰りに立ち寄ると聞いた。

可愛らしい見た目に釣られて地瓜球Dìguā qiúという丸い揚げ菓子を購入、中の空洞が大きいポンデケージョによく似ていて、ピンポン玉ぐらいの大きさ。生地自体は素朴なんだけど、ポンデケージョほど厚みや柔らかさが無いので乾燥しやすく固くなりやすい。ずっと食べてるとけっこう飽きる味だな…と感じたので、もし食べたかったら大人数のときに揚げたてをワイワイつまむのが良いと思う。

詰めてもらっているところ。手際が良い。

鱿鱼羹Yóuyú gēngというイカのとろみスープのお店に立ち寄る。王家生炒魷魚焿というお店。このイカのスープ、素晴らしかった。台湾料理は海鮮の扱いが抜群に上手く、臭みがまったくない。

イカの分厚さが伝わるだろうか。こんなに分厚いのにサクサク噛み切れる。白くて細長いのは筍。

このとろとろスープは絶対にもう一度食べに行きたい。イカの種類はわからないけれど、以前日本海で食べたアカイカに似ていて、身が分厚く噛みごたえがあるのに歯切れがよい。
スープには黒酢を少し垂らすと酸味で味が引き締まってこれまた最高で、日本では食べられない味だと思う。あまりにもおいしかったため目を輝かせてグーサインをしまくったら、店員さんにちょっと笑われてしまった。
途中、Zさんが離脱。アテンドのお礼を言って分かれる。

王家生炒魷魚焿はイカのスープとビーフンのお店。ビーフンも美味しそうだった。手前の袋を重ねてある容器は持ち帰り用で、台湾ではスープはこうしてビニール袋に直接詰めてテイクアウトする。

ちょっと主食っぽいものも食べたい……と思っていたらサイコロステーキのお店があったため注文。鉄板焼かなと思いきや華奢な店主が豪快なガスバーナーを手首で返しながらどんどん肉を焼いてく。ものすごいケレン味。

私はクミン味を選んだけれど塩加減も焼き加減も抜群、赤身の味がギュッとしてて美味しくてずっと飽きない味だった。お店の名前がわからなくなってしまったのが悔やまれる。近年食べた肉の中でもかなり上位の美味しさだったのでここも再来したい。

そろそろお腹が一杯になってきた。どうして私の胃袋は無尽蔵じゃないのか。胃だけでいいから10年ぐらい若返ってほしい。

肉も食べたし次はさっぱりと果物のジュースが飲みたい。夜市で見かけた果物ジュースのお店付近はとんでもない人だかりになっていたので、夜市の外側のアーケードをブラブラしながらジューススタンドを探すことにした。
少し歩くと地元の人で賑わっている曾家鮮果汁というお店を発見。注文してから果物を搾ったりミキシングしてくれるので新鮮で美味しい。

地元の人に大人気。西瓜汁(スイカジュース)60NTD(約290円)

チャキチャキの女将さんが注文を聞いて会計し、番号札を渡してくれる。出来上がったら大声で番号が呼ばれるので取りに行く仕組みだ。
私は西瓜を、Mさんはグアバジュースを注文。どちらもスッキリと美味しい。マクドナルドのLサイズぐらいのドリンクだけど全く飽きること無く飲めてしまう。

19:30 繁華街を通り抜け、のんびりホテルに戻る。私は近くの台湾漫画基地が気になっていたので、閉店直前に少し覗きに出かけ、台湾の本を幾つか購入した。現金主義のお店でばかり買い物をしていたがここへ来てカードをようやく使う。
ところで私はMasterなのだが、セキュリティーが硬いのでIC読み取りだと台湾ではエラーが出たりしていた。そういうときは「セキュリティーが強いだけだからタッチじゃなくて差し込んで処理して」と伝えるとと大抵うまくいくのでちょっと覚えておくと良いかも。

1日目に行った潘家老牌牛肉面のすぐ目の前にある台湾漫画基地。

2日目終了、晚安~

ホテルに戻り、買ったお茶を淹れて飲みながら、Mさんとお互いの一日のことを話す。日中別々に行動していても、ホテルでそれぞれの話ができるというのは楽しいものだ。一人旅の気楽さと人と一緒にいる楽しさが両方ある。

23:00 翌日に備えて早めに就寝。
丸一日、たくさん歩いたのでよく眠れた。


以上で台湾2日目の話はおしまい。次回も引き続き3日目の様子をお届けする。行って良かったお店も紹介するのでお楽しみに!

今回の旅でのはしゃぎっぷりはTwitterやInstagramにアップしているので、興味があったらプロフィール欄のリンクを覗いてみてほしい。

ではまた、下次見 Xià cì jiàn!

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