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豪華絢爛な彫刻屋台が共演する鹿沼秋祭り

10月の第二土日に行われている栃木県鹿沼市の鹿沼秋祭りに行ってきました。1608年に日照りが続き、大旱魃となった時に雨乞いを三日三晩続けたところ、激しい雷雨が起こったことがきっかけで始まったと言われています。

精巧で美しい彫刻屋台

鹿沼は、かつて例弊使街道と日光西街道の宿場町であったことから、日光山の彫刻師が仕事をしていない時期に宿場や村の依頼により造ったものであるという伝承があります。
各町が誇る屋台にはそれぞれ特徴的で精巧な彫刻が施され、その美しさには息を呑むほどです。街を練り歩く26台もの豪華絢爛な彫刻屋台は、一つ一つ見るだけでも飽きることなく楽しむことができます。

彫刻屋台

屋台の中には、まるで中をくり抜いたような手毬の彫刻もあり、その繊細で精密な美しさに思わず見入ってしまいます。ただ「綺麗」と感じるだけでなく、どうやって作り上げたのかと不思議になり、職人の技に感服せずにはいられませんでした。その彫刻の一つひとつから、手間と心が込められた匠の技が伝わります。

繰り込み・繰り出し

祭りの初日には今宮神社にて繰り込みが行われ、昼頃から順番に屋台が集結します。屋根の上には若衆が乗り、境内へと進みます。

全ての屋台が一堂に集結し、見渡す限り精巧な彫刻屋台がずらりと並ぶ光景は、まさに圧巻です。どの屋台も独自の美しさと迫力を放ち、繊細な彫刻の数々が一つの壮大な芸術作品のようです。

日没ごろからは繰り出しが行われます。順番に今宮神社を出て各町へ帰っていきます。今年は繰り出しのタイミングで突然の豪雨となり、一時中断となりました。しかし、その後小雨の中、提灯に照らされながらは練り歩く彫刻屋台は昼間とは違った幻想的な美しさを放っていました。

2日目

2日目は「ぶっつけ」と言われる彫刻屋台数台が披露するお囃子の共演があります。朝から駅前や交差点などで順次開催されます。
そして、午後からは屋台揃い曳きが行われ、街の至る所を屋台が巡り、古峯原宮通りに集結します。

そして、夜には彫刻屋台がライトアップされた状態でぶっつけが行われます。数台が集まって演奏する様子は幻想的で迫力があります。
鹿沼の彫刻屋台は、「きりん」と呼ばれるテコの力で屋台を回転させる伝承技術があります。他の屋台のように走りながら方向転換するのではなく、一旦止めてから息を合わせて回転させます。現在は、屋台を浮かせるために油圧ジャッキやネジ式ジャッキが使われているそうです。
2日目にはこのきりんを全ての屋台が一斉に行う「一斉きりん」も見どころです。

街中を走る美しい彫刻屋台と、華やかで豪快なぶっつけをぜひ一度その目で見ていただきたい光景です。
また、鹿沼秋祭りは至る所にゴミ箱があったり、参加者の方がゴミを拾ったりしていて、街中が非常に綺麗でした。お祭りを大事にしているのが伝わってきました。

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