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no title:20070616

心をどこかに置いてきた
そんな気がする
声をひそめて泣くことで
小説の主人公に自分を重ね合わせることで
今日見た青い空でさえ
きれいに思い出すことができない
いつだって
今にも溢れ出しそうな気持ちにフタをして
笑ってる
楽しくなかった訳じゃないのに
一人になった途端
それまでの行為から
私の笑顔は消えて無くなる
笑ってたことが嘘みたいに
感じられる
そんな毎日を 繰り返しています
泣きながら小説を開き
それでも心が乱れてうるさいときは
あなたのことだけを考えて
目をぎゅっとつむって
心で叫んで
泣きます
しばらくそうしてれば
私は心の重い束縛から解き放たれ
何故泣いていたのか分からないぐらい
穏やかな気持ちで次のページをめくる
けど
胸にぽっかり空いた心の穴は
いくら話が進んでも
ぽっかり ぽっかり
空いたまま
そんなふうにして
私は少しずつ
本当の気持ちを 心の声を
どこかに置き去りにしていく
ねぇ、
私ってこんなに不器用だったっけ?
もっと上手に
生きてこなかったっけ?
本当の自分も
どこかに忘れてきたのかなぁ

残された119ページ
今はただ
物語がまだ終わらないことを
祈っている

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