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樹木医になるには?-5つのハードルの飛び越え方Ⅱ-
こんにちは。今回は「樹木医になるには?」シリーズの第2回目。前回は樹木医になるまでの流れについて説明し、その過程には5つのハードルがあるとお伝えしました。今回からは、そのハードルをどのように乗り越えればよいかについてご説明します。
2. 樹木医になるためのハードルの飛び越え方
① 緑化や農林に関する一定の業務経歴があること
最初のハードルは、緑化や農林に関する一定期間の業務経歴が求められることです。具体的には造園業、造園コンサル業(一部)、果樹生産業、林業などでの経験が該当します。ここで重要なのは、ご自身が日常的に樹木の保護・育成・管理に携わっているかが問われる点です。
例えば、過去には学校の用務員の方が、植栽管理を日常的に行っていたことが評価され、業務経歴として認められたケースがあります*1。一方で、林業に従事していても、伐採と搬出のみでは十分な経歴として認めらなかった例もあるようです。また、会社員、公務員、団体職員、教員、大学院生など立場は問いません。
意外と知られていないようですが、研究活動も業務経歴に含まれるため、大学院生は在学中に樹木医試験を受けることも可能です。
必要な業務経歴の期間は以下の通りです。
・原則:5年
・樹木医補資格取得者:1年
【樹木医補資格について】
人によっては、5年の業務経歴を積むことが最大のハードルかもしれません(以前は7年間が必要でした)。しかし、樹木医補資格を所得していれば、必要な業務経歴は1年に短縮されますので、条件が合えば、これを使わない手はありません!
樹木医補資格を取得するには、「補資格養成機関(認定を受けた大学等)」で指定分野の科目を履修・取得し、補資格養成機関を卒業、資格認定を申請する、この3つのステップが必要です。
補資格養成機関には、千葉大学や東京農業大学、兵庫県立淡路景観園芸学校など、全国52の機関が認定されています(2024年10月現在)。
指定分野の科目は、講義科目6分野以上14単位以上、実験・実習科目4分野4科目以上となっていますので、およそ22単位です。千葉大や農大の場合、2014年頃の筆者の記憶では、指定分野の科目の大部分が卒業単位にカウントされる科目だったはずです。樹木医に興味がある在学生の方は、指定分野の科目を受講しておくと、少しの頑張りで、将来の可能性を広げることができます。
また、かつては他大学を卒業した社会人が科目等履修生制度を利用して補資格を取得することが可能でした。しかし、現在は養成機関の卒業が必須要件となったため、他大学の卒業生は養成機関に再入学しなくてはなりません。このような背景から、養成機関の学生さんが、在学中に樹木医補資格を取得しておくことは、緑化や農林業界で働く上で大きな強みとなります。
いかがでしたか?
社会人の方はコツコツと樹木に関わり続けましょう。学生の皆さんは、今のうちに補資格をとって業務経歴のハードルを低くしておきましょう!最短で、卒業の翌年に樹木医試験を受けることができますよ。試験対策の回でご説明しますが、卒業から時間を置かずに受験できることは非常に有利なんです。
さて、いよいよ次回はその樹木医試験と対策についてです。
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【引用・出典】
*1 よくある質問(Q&A) 一般社団法人 日本緑化センター 参照2024.10
https://jpgreen.or.jp/treedoctor/qanda/01shikaku.html#q1_2
【参考文献】
一般社団法人 日本緑化センター
©じゅもくやん 2024.10.28