淑女のゴルフを目指して/「私の全英」への道~終わって残ったもの②
スコットランドで出会ったもの
オールドコースホテルに飾られていたこの写真。
私がnoteでゴルフのことを書き始めた「女性がゴルフをするということ」のヘッドラインで使った写真です。
歴史好きの私は、このドレス姿でパッティングする4人の女性の写真に釘付けになりました。
一番左の女性は自分で道具のバッグらしきものを背負っています。
一番右の女性は寒いのか鼻をかんでいるように見えます。
身なりからして、おそらく貴族の女性。
4人で真剣にラウンドしているんですね。
寒くても、ドレスで打ちにくくても。
この頃、上流階級の女性は腕を肩以上に上げることはマナー違反だったらしいので、パッティングコースなのかなと思ったりしています。
GOLF CLUB
「〇〇ゴルフクラブ」とか「〇〇カントリークラブ」というクラブは、イギリスの「紳士クラブ」(社交クラブ)に由来するそうです。
19世紀ぐらいのイギリスを舞台にした海外ドラマを見ていると、男性だけが出入りしてお酒を飲んだり、葉巻をふかしたりしながら会話を楽しんでいるサロンが出てきます。そしてそれにはテニスや乗馬という野外活動も含まれます。
日本ではそれがゴルフに特化したものとなって「〇〇ゴルフクラブ」。
元々、仲間と楽しむものなんですね。
今、私がしたいゴルフは
この2年ほど、ハンディキャップ証明のためコースレーティングが出ているコースに絞ってプレイし、自分が上達するためだけのゴルフをしてきました。
でも、それは本来の「ゴルフを楽しむ」ということとは違うのではないか。今まで私がやってきたことはあくまで「ゴルフを楽しむ」ための前段階というか、個人の練習という部分であって、この「ゴルフを楽しむ」ということではなかったんだとスコットランドでラウンドしたり、プレイしている人を見て思いました。
私が今までの記事に載せたスコアカードの写真を見てもらうと、私のスコアしか書いていません。本来なら、同伴者の数字を書いて、きちんと確認するのが基本です。(今はカートのモニターに入力するから…ということもありますが)いつも一番下手な私は、そんなことをする必要もなく、自分のスコア管理だけで精一杯でした。自分が上達するためのラウンドだから。
明確に「練習ラウンド」と「楽しむラウンド」を分けるのは難しいけれど、「楽しむラウンド」は、少なくとも同伴者のプレイをちゃんと見て、心から一緒に悔しがったり喜んだりしたい。
表向きはやっていたけれど、やっぱり自分のゴルフの出来不出来で頭がいっぱいになりがちでした。
どんな同伴者と一緒でも、相手を尊重できるゴルフがしたい。
その余裕ができるぐらいの技量と心が必要なのですが…。
忘れられない大好きな場面
2021年の東京オリンピック女子ゴルフで、銀メダルをかけてプレーオフが行われ、結果は稲見選手が銀メダルを獲得しました。
その時、対戦相手だったのがニュージーランドのリディア・コ。
銀メダルが決まるパーディーパットを稲見選手が外した時、リディア・コ選手は本当に残念そうな表情をして、一緒に悔しがった。
そして、稲見選手の銀メダルが決まったとき、満面の笑みでハグした。
東京オリンピックという競技ゴルフで、それが出来るリディア・コ選手は、まさしく「淑女のゴルフ」です。
それは決して「すました無表情」なゴルフではなく、競う相手を尊重して、寄り添い、一緒に喜怒哀楽を共にできるゴルフだと思います。
まだまだ私には到達できないかもしれませんが、いつかあんなふうに「淑女のゴルフ」がしたい。
ゴルフについてのただ一つの後悔
「スコットランドでゴルフしてきました!」と20代のころの直属の上司であった元課長に報告したら、もう70代半ばの彼は「上手くなったんだねぇー」と目を細めて笑ってくれました。
バブルのころ、まだ完全週休二日制でなかった勤務先で、午前中だけ勤務だった土曜日の午後、上司である部長とその課長に連れられて、私は初めて練習場に行きました。「ゴルフなんてオジサンがするもの」と決めつけて、少しだけつきあって退散した私。
可愛がってくれた部長はもう他界され、新卒だった私をきちんと社会人に育ててくれたその課長も腰を手術してもうゴルフはされません。
あの時、私がもっとちゃんとゴルフに向き合っていれば、一緒にラウンドできたかもしれない。
もう一緒にラウンドすることはできないのです。
最後に
ここまで「私の全英への道」を読んでいただいてありがとうございました。
noteに出会って、最初、別のアカウント(Lucky_Limy)でゴルフとは違う分野(歴史や美術関連)で書き始めました。
でも、スコットランドでゴルフをしたことも書いておこうと思い、このゴルフのことを書くアカウントを立ち上げました。
そうなるとゴルフをするきっかけから…となって、女性がゴルフをすることは男性がゴルフをすることよりハードルが高いという思いから、まず「女性がゴルフをするということ」を書き始め、「淑女のゴルフを目指して」に続きました。
noteを読んだり書いたりしているうちに、同世代の方々のゴルフや人生に対する姿勢に何度も勇気をもらい感銘を受け、今もとても刺激になっています。
実はスコットランドのあと、家族が肩を手術したりすることがあったりして、まだ一度もラウンド出来ていない状態です。
普通にゴルフができることが決して当たり前ではなく、そのチャンスがきたら大切に愉しみたいと心から思っています。
また、ゴルフについて書きたい気持ちが起きたときに書かせていただきます。
ありがとうございました。
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