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淑女のゴルフを目指して/「私の全英」への道~日常とのバランス

このお話は普通の主婦がスコットランドでゴルフをするまでのお話で、あの「全英オープンゴルフ」とは何の関係もありません。

ゴルフだけじゃない働く主婦の生活

今時、こういう言い方は良くないのかもしれませんが、昭和の時代の夫婦って、男性が平日仕事して休みの日にゴルフに行くと、帰宅すれば黙ってても夕飯出来てますよね?
主婦がラウンドした日、たとえ、外食するにしても、何かUber eatsするにしても、夕食をどうするか、それを決めないといけないんです。外食すれば楽だけど、ゴルフでお金使っちゃったし…なんて思って、有り合わせのもので夕食を作ることもありました。

家族でラウンドすれば、洗濯物も多いです。ゴルフウェアだけで洗濯一回分あります。当然、干して、畳んで…。

いったい、いつラウンドの反省できんねん!
あそこのアプローチが…なんて直後に覚えていても、家事が終わる頃にはグッタリです。

肉親との別れ

そしてこのスコットランドを目指した2年間は、人生の別れもありました。
ちょうど母と義母を見送った時期なのですが、当然その前にはどんな形であれ介護が伴います。最初はゴルフをストップすることも考えたのですが、それではまるで亡くなるのを待っているみたい。私が介護される立場ならいやだな、将来、自分の介護のために子供に何かを諦めさせたくない。
できるだけ普通に、やりたいことはやると決めました。

練習場の帰り、クラブケースをかついで実母のいる施設に顔を出すこともたびたびあり、「あんた、ボール、ちゃんと前に飛ぶんか?」と笑われたことが懐かしいです。
実母が亡くなる前の最後の週末も和歌山にラウンドに出かけて、帰りにお土産のみかんのゼリーを持って寄りました。そのゼリーは結局口にすることなく往ってしまいました。あの週末、ラウンドに行かず、一緒にいてあげていたら…と思わないこともないですが、それは亡くなってしまったから思うこと。
その時間、何をしたいかということを、人は瞬時に直感的に判断していて、その積み重ねが人生なんですよね。

出発7カ月前の骨折

親も見送り少し時間の余裕が出来て、ゴルフ以外のことに手を出したら…出発する夏の前年12月に仙骨を骨折しました。

私はいつもそうなんですが、やりたいことをがんばってやりすぎると、「やらないといけない」という義務になって、ちょっとイヤになってくるというか、そればっかりの人間になるのが嫌なんです(それほどゴルフやってないけど:でも自分の自由時間の範囲では時間をさいていると思っている)。

で、某大学のテニス部が一般の人にボランティアでテニスを教えてくれるという催しに参加して、コートで滑って尻もちをついたら、翌日になっても痛みが激しく、病院でレントゲンを撮って仙骨という腰椎の下の方の骨が骨折していることが判明しました。
結局、クラブを振るような練習は2カ月できませんでした。
仙骨って、お腹の中心の丹田の裏側。スイングするときに前傾になると、体を支える中心になっているのがわかります。治ってからスイングしてこれはわかったこと。この骨折で唯一、よかったことは、この仙骨を中心に体を回すという意識が持てたことかもしれません。

ただ、やっぱり、この時期クラブを振れなかったのは、ハンディキャップの数に影響したと思います。いや、もしかしたら、あのまま元気でも気持ちが持続できなかったかもしれない。あの骨折でゴルフができなくなって、やっぱり「ゴルフしたい」って思えたんですから。

時が経つのは早い

2月に入って少しずつクラブが振れるようになって、ラウンドができるようになったのは3月。出発まであと4か月ほどしかありません。
えー!技術も準備も整っていない!
焦りばかりを感じていた春でした…。



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