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のぐちの短歌~初心者短歌で気になる事~
こんにちわ、のぐちです。短歌歴一年半そこそこなのに偉そうな記事です!
わたしは最近Twitterでお題を出すアカウントを運営しているのですが沢山の短歌をはじめたての人が投稿してくれます。
そこで気になるのが短歌の表記についてです。
短歌を歌の中で分けて書いてる人が多すぎる…
今日はその人たちに向けてそれで感じてしまう違和感を専門用語とか使わないで簡単に書ければと思います。
わたしは短歌をはじめる前から短歌は一行で詰めて書くのがセオリーと知っていたので一行で詰めて書いていますが段落で書いたり空白で区切ったりする人が多くてあれが余り推奨されない理由が短歌をやっててわかってきたので記しておきます。
※あくまで実感記事です。正しいかどうかは自分で判断!
基本的に「テクニックとして使う時以外は空白や改行は入れない」のがセオリーです。分ける時にはちゃんと理由があり入れていくものです。
テクニック?となると思うので例として人の短歌を使うのも悪いので自分の短歌で説明します。
マニキュアが乾く間に吸うタバコ 蛍光灯に蛾が死んでいる
タバコを吸って煙を上に吐いたら蛍光灯に蛾が死んでるのを見つけたという実体験を詠んだ一首です。
この短歌では空白を入れていますがこれは「テクニック」として入れています。
空白を入れる事によって蛍光灯に蛾が死んでるのにハッとするのを表現しています。
例えばこれを空白で区切って詠むと
マニキュアが 乾く間に 吸うタバコ 蛍光灯に 蛾が死んでいる
「吸うタバコ」と「蛍光灯に」の間以外に空白が入る事によって一つの区切りに対して一印象を与えてしまう感じです。一つ一つ気づいてしまう感じで空白を入れて印象を強くするテクニックが使えないので単調になってしまいました。
これは段落で書いても同じ現象が起きます
マニキュアが
乾く間に
吸うタバコ
蛍光灯に
蛾が死んでいる
空白や段落をいれると57577の音を数えやすくはなるんですけど元々短歌は歌なので一行でも(よほどの字足らず字余りや変形でなければ)音として57577のリズムを意識して読めば読めるはずなんですね。
区切りごとにわけて書くことによって音を数えないと!という拙さみたいのも見えてしまうんですよね…実はリズムが良ければそこまで音数って気にならなかったりします(※ここは字数警察もいるので何とも言えない所です!)
逆に区切る事によって字余り字足らずが目立ったりもします。
ただ有名な所で言うと石川啄木先生なんかは段落で書くので段落は間違いでもないのかなと思います。
例えば
マニキュアが乾く間に吸うタバコ
蛍光灯に蛾が死んでいる
こう書けば1行目と2行目の間に休みが出来るので空白と同じ意味合いが生まれてきます。
前述の石川啄木先生は歌の中で詩的表現にしたり強調したい所を改行したりするイメージですね(あんまりちゃんと読んだことないけど)
さて、わたしの歌なんかだとこれとか詩と強調の意味合いで空白を使っているのですが
愛 それに気づいた時は黄昏でもう夜になる夜よ来ないで
たとえばこれを改行するならどこで改行しますか?
詩的表現にするなら
愛
それに気づいた時は黄昏で
もう夜になる夜よ来ないで
になるでしょうし音を数えやすくするなら
愛 それに
気づいた時は
黄昏で
もう夜になる
夜よ来ないで
になるでしょう。
前者は区切りすぎて音のリズムを外して読んでしまいます。
後者はスペースのある所に違和感があります。
あとこの歌は空白ありきなので空白でやる場合も難しいですね。
愛 それに 気づいた時は 黄昏で もう夜になる 夜よ来ないで
他にもややこしい事は合ってたとえば単語がまたぐときもややこしい。
お別れの二人の間で流れてたサイモン&ガーファンクルよ
これを分ける時に「サイモン&ガーファンクル」をどうやって分けるかという問題。例えば
お別れの
二人の間で
流れてた
サイモン&
ガーファンクルよ
お別れの 二人の間で 流れてた サイモン& ガーファンクルよ
なんかおかしくないですか?
(なんかサイモンとガーファンクルが仲悪そうに見えますね笑)
じゃあくっつけちゃおうとなっても
お別れの
二人の間で
流れてた
サイモン&ガーファンクルよ
お別れの 二人の間で 流れてた サイモン&ガーファンクルよ
これはバランス悪いですね。なんでそこわけないの?ってなっちゃう。
一行詰め書きが正解!ってわけでもないんでしょうけど現代短歌の歌集とか第一線で活躍してる人の歌を詠むと意味もなく区切ってる人や段落で書く人は全然いないので基本的には一行詰めで書くのがセオリーです、一線で活躍しているという事は間違いなく正解に近いのです。
あとテクニックとしての空白や段落を伴わない場合は一行詰めで書いた方が自分の他の歌でテクニックを使いたい時にその歌だけ一行詰めにしたら「なんでこれだけ一行詰めなん?」となるし、せっかく使えるものも不自然に使ってしまいますしね…
なので一行で詰めて書く事を推奨します!
ただ表現というものは自由であって然るべきと思うので自分の表現として空白や改行を開拓していきたいという気概があれば入れてもいいとは思います!ただある程度短歌をやってる人から見ると若干拙く見えてしまうというのも実際問題あるのでその壁を超えるのは容易ではないと思います。
ちなみに空白は「一字空け」改行は「分かち書き」というテクニックとして短歌の入門書的な本にも載ってると思うので気になる人は読んでみよう!わたしは入門書をちゃんと読んだことありません!でもこういう事なんだろうな!以上!
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