コメダ珈琲でスキップを
「あと食べなよ。」
そう言って彼は袋を雑に開けると一粒豆菓子を取って口に頬張る。雑に封を開けた豆菓子をわたしに渡して腕時計を外す。
いつも彼は豆菓子を一粒だけ食べてあとは全部わたしにくれる。
機嫌のいい時は「食べなよ。」と言ってくれるし、少々機嫌が悪くても一粒食べたらわたしに無言で差し出す。今日はご機嫌みたいだ。
わたしが誕生日に上げた革のベルトの時計は蒸れるからと言って飲食店ではいつも外す。忘れないかとひやひやするのだけどいつも彼は会計の前にはちゃんとつける。これくらいの扱