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夫婦の会話 #探究ってなに? #地方vs都会?

実は夫が会社で新しい事業を立ち上げていて、それ周りの話を夫婦の間でも最近よくしています。夫こと「あきちゃん」が挑戦しようとしているのは、その名も『Fukushima & Company』という新規事業。いくらなんでも主語が大きすぎるよ(“ふくしま”と”カンパニー”ですよ 笑)という突っ込みを瞬速でいれたくなるし、正直この名前だけでは何をどうする事業なのかが不明なので、ちょっと質問してみました。
今日はそんな『Fukushima & Company』から感じた私なりの考察を書いていこうかなと思います。

正直言って、彼ら(株式会社Plainnovation)がこの取り組みで具体的に何をしていくのか、そのあたりのことは未だよく分かっていません(笑)。なので「この事業ってかくかくしかじかで、こうらしいよ!」的な説明は一切を省きます(え?)。詳しく知りたい方はこちらをご参照。

㈱Plainnovation READYFORより

私が理解しているところから言うと、つまりは夫も、夫の勤めている会社の社長も、「今ってまさに“分からなさ”に向き合う時代だよね」というところを伝えたいのかなと思います。コロナしかり、自然災害しかり、戦争しかり。私たちが生きてきたわずか三十数年の間でも、予測不可能な重大インシデントが休みなく起こってきたことを考えると、もはやこの不安定さは“有事”というより”常時”。つまりは私たちは常日頃から「どうなるか分からない」というunstableな時代に生きているということです。

このことを前提として考えてみると、私たちの親世代以上から築かれてきた「終身雇用」や「勤め上げ」みたいなカルチャーは、もはやすでに過去の産物だということが容易に分かります。明日どうなるか分からない不安定さの中にあって、30年とか40年を「同じところでずっと」働き続けるなんて、もはや神業、奇跡に近いかもしれません。一方で「いい大学出て、いい会社に入って、結婚して勤め上げが一番よ」というテンプレ式の親バイアスが、未だ私たち次世代に降り注がれているのも事実。「終身雇用」の成功体験を存分に味わってきた世代なので仕方ないとは思いますが、多分これからは、それ以外の道を模索することこそが人生を豊かにしてくれるのだと思います。

じゃあその“違う道”とやらは、どう探したらいいのか。
世の中の価値観がぐわんぐわんと変わりつつある現代なので、「これだ!」という答えを見つけることは、なかなか容易ではないでしょう。でも「分からないから~」と言って、誰かが答えを見つけてくれるまで待っていたら、たぶん今世は終わります。気づいたら人生終了です。これまでは、良い学校出て良い会社に入ればその先の人生はある程度安泰だったし、敷かれたレールの上を変に抗うことなく歩み続けることこそが、「社会人」としての必須スキルとされていたかもしれません。でも、今は違います。そもそも「ここに乗ってれば安全ですよ」というレール自体がないのですから、私たちは自分で鍬と鋤を持って、開墾してレールをつくるところから始めなければならないのです。行先やレールの形体は個々人の自由に設計できるので、私たちは「自分ってどこに行きたいかな~」とか「こんな旅がしたいな~」などと、”自分”を主語にして人生を設計することが求められます。というかそれをしないと二進も三進も行かなくなる未来が、もうすぐそこにまで来ているんですよね。

そんなこと言われても、鋤と鍬なんて使ったこともないし、ましてやレール何て設計したことないよ…という人がほとんどかと思います。そんな時に思い出して欲しいのが『Fukushima & Company』でしょう。具体的な事業内容は私からは上手く説明できませんが、彼らが提供したいのは「福島をフィールドにして、開墾の練習してみない?」という機会だと理解しています。

㈱Plainnovation READYFORより
㈱Plainnovation READYFORより

東京には、もう開拓の余地はありません。物理的にも精神的にもにもパンパンの首都です。もちろん都会ならではの良さと、そこにいるからこそ享受できるメリットはあるかと思います。でも、これまた思い出して欲しいのです。「ひとつのレールに全ベット」がいかにリスキーな時代に突入しているかを。東京のそこそこ優良な企業に就職できて、同期に後れを取らないくらいには出世して、人気のエリアの相場よりちょっと良さげなマンションを買って、都会のファンシーな生活やイベントもそこそこ楽しんで…。それはそれで素敵です。草刈りしなくて羨ましいな~と思います。でも、その生活に満足していようとしていまいと、おそらく”alternative”を用意しておくに越したことはないのです。そしてそのオルタナティブ(代わりとなる第二の選択)は、現状とは違えば違うほど良いというのが私の考えです。

夫と二人で東京からUターンをしてきて、福島にゲストハウスをオープンさせてから約二年。夫婦二人という最小単位でこの過疎地域で奮闘してきて、強く思っているのが「仲間ほしい~」ということです。もう、私たちだけじゃどうにもなりません。もちろん地元にも素敵な人たちはいるし、力を合わせて何かに取り組むこともあります。でも、それでも足りない。都心部のピタピタした環境に窮屈さを感じているなら、福島に来て自分の可能性を試してみたら?というセリフが、喉の先まで出かかります。…が、言いません。最近思うのです。「人それぞれの人生だもんな~」と。これまでの『Fukushima & Company』周りの説明を覆すようでアレですが、究極「好きにしたらええですやん」というのが、最近の率直な想いです。

というのも、何も「地方にいるから頑張ってる」とか「都会にいるから優秀」なんてことは、全然ないなと感じるようになったからです。もう少し言い換えると「地方にいるからトレンド乗ってて」「都会にいるから疲弊している」なんてこともないな、と。もちろん大局的にはそういう事実もあるかと思います。でも地方なんてまだまだ頭の堅いおじさんたちが政治も会社も牛耳ってて時代遅れだし、都会にいたってまろやかに日々の暮らしを楽しんで生きてる人だっているし、結局は「地方だから~」とか「都会だから~」という二項対立の話ではなく、「自分の人生をどこでどう築きたいですか?」というシンプルな問いに帰結するではなかろうか、と思うのです。

そう考えると、何も私たち夫婦だって「ここ福島で死ぬまで頑張る」とか「生まれた場所で死ぬまで生きる」なんて頑固一徹なポリシーを貫く必要なんてないな、ということになります。先に書いたように「オルタナティブは、現状と違えば違うほど良い」のですからね。まあ現状、いきなり東京に戻って大企業に再就職、という選択は取らないと思いますが、今の暮らしがもう少し築けたら、私たちの“オルタナティブ”を探しに出かけてみようかと思います。もしかすると、どこかに行かずともゲストハウスに来てくれた方や『Fukushima & Company』を通して出会う人たちから、新しい視点をいただくこともあるかもしれません。
…あ、そっか。そんな「出会い」や「学び直し」のひとつの機会として、『Fukushima & Company』を使ってもらえるといいのかもな。福島は土地が広くて食べ物がうまい、仕事は良くも悪くも信頼第一で、とにかくITとクリエイションに対してのリテラシーが激低です。
これらとは真逆の環境にいて、人生の選択肢を増やしたいなと思っている方、ぜひお待ちしてます。

※この記事はPlainnovationとは一切関係なく、Misato個人の見解と独断とによって書かれたものです。

02AUG2022
Misato

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