読んだ、学んだ、背筋が伸びた
NHK『100分de名著』で気になっていた、オルテガ『大衆の反逆』。
民主主義に対してネガティブな言葉を聞くことが増えてきているのもあって、オルテガで『100分de名著』テキストデビューしてみた。
1930年というヨーロッパ激動の時代に、スペイン生まれの哲学者によって書かれた当時の民主主義を危惧する書物ではあるが、現代に置き換えても全く違和感なかった。
過去との付き合い方という意味でも、ここは印象に残っている。
古代ローマのカエサルが、急速に改革を進めることで古代ローマ人の嫌う独裁者のようになってしまった結果暗殺されたのを受けて、後継のアウグストゥスは表向きには既存勢力との均衡を保っていた、という経緯からも、急進的な改革は既存勢力からの反発を生むから斬新的に進めるのが良いよな、くらいに思っていた。
でも、話の本質はもっと深いところにあった。
過去には過去の秩序があり、それを尊重しないときに反発を生むのだろう。
過去には先人たちの経験が詰まっている。
時の流れに応じて変化は必要だろうけど、その秩序を無下に破壊するのはしっくりこない。
むしろ、先人たちの経験はより磨いて未来に繋いでいきたいなあ。
ありとあらゆるものを繋いでこられた過去があるから自分も学べているのだなと思うと、今を生きる者として、過去と未来を繋ぐことも役割の1つになるのだと思う。
これは、頷きが止まらなかったやつ。一発で好きになった。
人間はどこまで行っても完璧にはなれない、を表す最高の言葉だと思った。
自分たちは、過去を汲んだ存在であること、不完全な存在であることを認識すること。
目の前のことだけに精一杯になってしまうときこそ、思い出していきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?