本当は、もっと、ファッションを楽しみたい。それだけなのに。
今、少しずつ、少しずつ、
大学院で、自分と社会と世界について学び直しをしながら、
3度目の起業をしようとおもっています。
私は、2013年に防災に特化したソーシャルスタートアップを設立し、そこで7年間社会課題の現場で課題解決に没頭してきました。そして信頼できる次世代のリーダーへ全てのリソースと事業継承ができたので、次に2017年から今もなお、社会課題解決に特化したPRと企画の会社を設立・経営しています。
この事業の「終わり方」については、TEDxでも登壇させていただいたので、もしよければご覧ください↓
(おどろくほどすごい険しい顔してるな... 汗)
そして、今、
3度目の起業をしようとおもっています。
実は、まだ公にしないでおこうと思っていたのですが、先日開催されたLIFULLのピッチコンテストでこの構想を伝えてみたところ、入賞させていただいたこともあって、(そしてLIFULLのプレスリリースに掲載されたこともあって)一度自分の言葉でまとめておこうとおもいました。
(久しぶりにピッチしている私)
「理由」を求められた、これまでの起業
これまで、出会った起業家は、
1.圧倒的な原体験がある
2.原体験はないが正義感や責任感からはじめた
というような、大きく分けると2つのパターンの「起業理由」を持っている人が、私の周りに多い。そして、私自身も登壇するときや取材を受ける時は、いつもそれらに合わせて「理由」を求められたように思う。
もちろん、そのような理由がある起業家のほうが、途中で挫けても立ち上がるなど、「事業を継続しやすい」ということは実体験としてもわかる。
それでも、私の場合は、その「熱量による継続」は、仲間や応援してくださる方がいてようやく息を継ぐことはできたけれど、やっぱり心にはどんどん空洞ができてきて。だいたい5〜8年くらいしか続かなかった。
そんな中で、自分でも驚く理由で立ち上げようと想う。
それは、「夢」にでてきたから。
(こんな「理由」でたちあがったっていいんじゃないか、もうそこも自由でいいんじゃ無いかとおもう。)
ちょっとこんな言い方をすると、スピってて*、私も好まないんですが(笑)、小さい頃から不定期に同じ夢をみます。
*スピってて:スピリチュアル感が強くて
それは、私の顔にシワがたくさんあって、ふくよかなおばあちゃんになっていて、窓際で服を縫っているところ。自分の好きな服を作って、風になびかせながらそれを着ているところをよくみる。
フェルメールのミルクを注ぐ女の構図で、ココシャネルが服を縫うような。
(フェルメール 牛乳を注ぐ女)
(ガブリエル・シャネル 自ら縫製をする)
そして偶然にも、今通っている大学院大学至善館の講義の一つで、BIOTOPEの佐宗さんが講師として伴走してくださるものなのだが、自分の「偏愛」や「あったらいいな」とおもうその純粋思いから「構想を形にする」というものがあった。
そこで、私の「夢」がついに形になって現れてきた。私の中から。
そんなきっかけがあり、「ああ、ついにやる時が来たのかな。思っていたより早かったな」と感じで…なので、はじめることにした。
ファッションの民主化を。
もっと多様でいいし、人間だけが中心では無い世界がいい
(恥ずかしながら、私が大学院の講義内で描いた、作りたい世界のイメージです)
私は少しでもこの世界が、誰しもが自主的・自律的に選択でき、生きやすく、生きていける世界であってほしいと願い、自分のできうる限りの資本を使って、それに伴う社会課題解決に取り組み続けるような人生を歩もうと決めている。(迷いながらだけど…)
そんな私が実現したいその世界で、人々は、多様な価値や価値観の選択が相互承認され、サービスはあたりまえのように地球と人間や生物、テクノロジーが健全に共存できている状態を生み出しているーー
とはいっても、こんな理想の世界になったらいいな…わくわく!どきどき!という感じというよりも、正直なところ、「いや、いい加減もう自由でいいやろ」という気持ちでいる。怒りというか、呆れというか。
近代西洋の哲学者たちが人間の自由と幸福のために立ち上がり、そして自由のために多くの産業が生まれてきたのに、なぜ、未だ実現しないのだと。こんなにも多くの優秀な方々が歴史的にも、現在もいるのになぜこんなにも制限があるのかと。
南北戦争でリンカーンが奴隷解放と民主化を謳ったように、私は制度と産業構造による画一化により奴隷とならざるをえない人の解放と、さらなる民主化を謳いたい。
そう思っている。
自由なはずなのに、いつも鎖を身につけていた
私は太っているから。私は日本人だから。私は肌の色が黒いから。
そうやって服の選択肢は、私たちの手から幾度となくすり抜けていった。
体型や国籍や宗教や性別や、ありとあらゆる分類が、
自由なはずだったファッションを、私を縛り付ける鎖にする。
気に入ったものを手に取り、試着室にはいって試着して、
自分の身体に合わないことで何度も悔しくて悲しい思いをした。
ほんとうは白いワンピースが着たいのに、
宗教上肌を見せてはいけなくて着ることができない友人と出会った。
ジャケットを着てかっこよく着飾ってデートに行きたいとおもっているだけなのに、障がいがあることで腕の可動域が狭くなり、
その形ゆえに着用することができない友人がいる。
「この服を着ると可愛く見えますよ」という店員さんによる価値観の押し付けに苦しくて、逃げるようにお店を出た。何度もある。女性は可愛くないといけないのだろうか。
勝手に私たちをアイデンティファイしないで。
勝手にあなたの価値観の押し付けをしないで。
私にだって、好きな色がある。好きな形がある。
服に人が合わせなくてはいけないのだろうか。
人に服が合わせにきたっていいのではないか。
いかにして、このサイズや形や、既存の価値観、産業構造の画一的な「ファッション」が、私たちの多様な体型や特徴を受け入れ、服をただ楽しみたいとそう想う者のもとでその力を発揮するのだろうか。と。
悶々と考えていた。
ファッションの民主化を実現する
私の考えるファッションの民主化には、いまのところこの3つの必要なことがある。
1) 無駄をなくし、持続的に課題解決・価値提供を行えるモデルの実現
2) 画一的な形とデザインをもっとインクルーシブで自由に
3) 人と地球環境に配慮された製造に
縦割りで、数多くあるその工程がブラックボックス化されたファッション産業。
もちろん私は、歴史的にその時代背景をファッションが映し出してきたイノベーションの塊であると信じているし、そしてその工程ひとつひとつに携わるプロフェッショナルのみなさんがいるから、今私たちが好きな服を選択し着用できていると思っている。
しかし、その工程では多くの課題が山積みとなっているのも事実。
年間100万トンを越える衣類廃棄物が生まれ、輸送・製造段階でCO2を大量排出し、大量の水を使わっている。それでいて1着あたりの商品寿命は約3年と言われ、まだ着ることができるものは(リサイクルや寄付に回す方もいるが)その大半はごみとなってしまう。
こんなにも地球環境に影響のある産業から生まれた商品が、ありえないくらいの破格で販売され、価格競争をするしかなくなってしまったものは、途上国の安い人件費で製造コストを削減し、携わる人の人権を無視した工程へと向かってしまう…どこを切り取っても課題ばかりの課題産業である。
(これを読んで嫌な気持ちになられている方がいたら申し訳ないのだけれど...)
だからこそ、改善のしがいがある。
そして多くの人がここでどうにか改善できないかと挑戦しているのも知っている。
そこで私は、まず、最もこの画一的なファッションに違和感を感じている世界人口の10%の身体障害のある方や特徴的な体型の方に焦点をあわせ、マスカスタマイゼーションとデジタルファブリケーションの融合によりパターンの自由化を実現したいと思っている。地球市民、製造する者の責任として、少しでも携わる人や地球や生きとしいけるもの全てをステークホルダーとし、健全に共存できることに最大限に注力したい
いまのところ、名前は「SOLIT」
友達と遊びに出かけたとき、おろしたての服を見て友達が「それ、めちゃいいじゃん」と言ってくれたその一言に、私は「そうかなあ」とか言って恥ずかしさを隠したけれど、実はすごく嬉しかった。
そのときのような一言がもっといろんなところでたくさん生まれ、たくさんの人がもっとにやにやしてしまったり、嬉しくなっちゃったりして..とおもい、この名前にしました。
すごくやばいというスラングで、SO LIT(ソー リット)。
仮で、適当につけただけなので、すぐに変えるかもしれないので、忘れてもらっても大丈夫。
試行錯誤しながら、プロトタイピングを制作しています
元車椅子バスケの選手の同級生や、アパレル業界に務める方、社会福祉協議会の方、繊維や製造に携わる工場のみなさん。そして急に連絡しても相談に乗ってくださるファッション業界で活躍する先輩方にたくさん相談しながら...
それでも、国内外どこをみても、一部参考になるブランドや取り組みはあるものの、前例がない。そんな答えのない旅路を一歩一歩試しては失敗を繰り返しながらプロトタイピングを続けています…
(すでに挫けそうで泣き喚いてる)
私は衣服についての勉強もしたことがなければ、デザイナーでもエンジニアでもないので、手が動かせない分たくさんの方にお話を伺ったり、ヒアリングや調査をしているのですが、わからないことだらけで。
今いっそのことこれから専門学校に入り直そうかと学校説明会に先日いったりもしています…! ひえ...
(3DCADとパターン制作をできるようになりたい…!)
もしこれを読まれている方の中で、手伝ってやってもいいよ、おおお!こんな人や企業いるよ!などなど...という方がいらっしゃれば、ぜひおしえていただきたいです。
・身体障害のある方にたくさんヒアリング/調査をしたい
・3DCADで衣服のパターン制作できる方
・衣服デザイン制作ができる方
・パターンナーさん
・国内でプロトタイプ製造にご協力いただける工場さん
・障害のある方の身体について詳しい理学療法士さん
・SOLITのwebサイトや、カスタマイズを発注できるサイトが作れる方
・都内近辺で車椅子の方も入れて試作したりや布を置いておいてもいい場所
・ZOZO SUITSからCADに転換できる方
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ああ.....いいはじめたらキリがないのですが、みんなで立ち上がっていきたい。
そしてお仕事として発注できるような予算が今あるわけではなく(ぐぬぬ…)、この社会課題を一緒に解決するのにチャレンジしたい方がいたら嬉しいです…!!
もっとファッションを楽しみたいだけなのに。