ひかりこ日記96 いきすぎた「どうぞ」(ぱー4歳、たつ1歳)
たつは、この頃、「どうぞ」にハマっている。
おもちゃも、おやつも、太っ腹に、周りにいる人たちに、配って回る。
ティッシュ配りも大好きで、ティッシュを細かく千切っては、みんなに配る。遠慮して受け取らないと、手を掴んで握らせる。
ある日、両手に積み木を持ったたつ、平たいピースをママに向かって差し出した。
いつも通りに手を出して、
「ありがとう」
と、受け取ろうとすると、そのまま手を伸ばして、積み木をママの口の中に押し込んだ。
「大丈夫、いらないよ」
と、口から出して、返すと、受け取って今度は自分の口にくわえた。
しばらくして、今度は、お風呂の中。
石鹸を手に取ると、
「あ」
ママに向かって差し出した。
「ありがとう」
受け取ろうと差し出した手を振り払い、顔に向かって突きつける。
「それは、さすがに…」
辞退したが、たつは、許さない。
「あ、あ」
と、石鹸を突き付ける。
「せっけん、だめ!」
この時は、ぱーが、取り上げてくれ、事なきを得た。
日々、進化するたつの「どうぞ」に、大人たちは、少しおびえながら暮らしている。